誰かが 今泣いている 世界のどこかで
理由もなく泣いている 世界の中で
わたしのことを 泣いている
誰かが 今歩いている 世界のどこかで
理由もなく歩いている 世界の中で
私に向かって 歩いている
誰かが 今死に掛けている 世界のどこかで
理由もなく死にながら 世界のなかで
わたしをみつめる
重々しい時間
訳)生野幸吉 河出書房
理由もなく泣いている 世界の中で
わたしのことを 泣いている
誰かが 今歩いている 世界のどこかで
理由もなく歩いている 世界の中で
私に向かって 歩いている
誰かが 今死に掛けている 世界のどこかで
理由もなく死にながら 世界のなかで
わたしをみつめる
重々しい時間
訳)生野幸吉 河出書房
病院で血液検査をやり、乳がんの検査をやり、思いのほか疲れていたようで、夕食が済むとベットへ一直線。
眼が覚めたのが、時間を見ると午前二時。
カーテンを開けると、なんと満月だ。
リルケの詩が浮かんだ。
80才の誕生日を境に、残りの日々は私にとれば、儲けものだ、一日一日をルンルンと楽しめなぞと言いながら、月を観てこんな詩が胸に湧き上がってくるとは、まだ生に執着をしているな。
ウクライナを思う。
ひまわり畑をこの美しい月が照らしているだろうと想像をする。
戦場では、ウクライナ、ロシアの若者がこの月を見上げて、故郷に住む母の姿を偲んでいるかも知れぬ。
プーチンよ。
今、お前がいなければ、夏の一夜の恋を楽しむ若者がたくさんいる筈だ。
プーチンよお前がいなければ、世界の食料危機も起こらなかったかも。
プーチンよ。お前が消えると世界は変わるかも知れない。
私が、いなくなっても、綺麗なお月さまが、慎ちゃんと歩いた道、ハナちゃんと過ごしたあの家、パソコンを打っている窓から見える隣の公民館での日常行務は平然と粛々と続き、屋島の山荘にぽつん灯る明かり、、何にも変わらない。
ねえ❕お月さま寂しいは。