大阪水曜ほっと集談会一世です。
昨日、月亭方正さんという関西の落語家さんの講演と落語をライブで聴く機会に恵まれました。
一言で言うと優しい笑いが満載でした。
単純な私は、おもわず大ファンなってしまいました。
話の展開も面白かったのですが何よりもなぜ月亭方正さんが落語家になったのかというエピソードが面白かったです。
超売れっ子芸人の山崎邦正として活躍されていた最中の40歳の時、突如落語家に転身されました。
その理由が自分自身に対して嘘をつきたくなかったからということです。
それまでイジラレ芸人としてテレビに引っ張りだこ、だった方正さんですが、自分では不本意でストレスを抱えておられたそうです。
それを遊びやお酒で誤魔化していたのですが、ある日一人で舞台に立った時に自分には語るべき芸がないと思われたそうです。
そこから自分に嘘をつかない生き方にシフトされたそうです。
私はこのエピソードから、ふとこれは私たち神経質者がとらわれている時の心のあり方に重なるのではないかと思いました。
何でもかんでも森田療法や神経質性格に紐づけるつもりはありませんが、神経質症状に苦しんでいる時の私たちは自分の心を偽り本当の自分を生きてないと思うのです。
人に良く見せようとして弱さを隠す自分、人から評価されることにこだわるあまり、本当の自分が泣いているのです。
人から多少どう思われてもよい、馬鹿にされてもよい。
そのためには自分らしく生きようとするちょっとした勇気があればいい。
自助グループとはそんな小さな勇気をもらうところ、今はそんなふうに考えています。
関西には繁盛亭や喜楽館など落語を楽しめる施設がたくさんあります。
何か息苦しい、生きづらいと感じたときにちょっと落語を聴いてみませんか?
そこで、一瞬でも本当の自分を取り戻せるかもしれないと思う一世です。
※今日の森田の言葉
私の表面的な心はともかく、深層には、人間として向上したい、社会人として発展したい、
という欲望が燃えさかっていた。
ところが、私がやっていることといえば、休学して郷里に帰り何もせずにブラブラしているということで、
向上とはおよそ反対の退化の方向に進んでいたわけである。
たとえていえば本心は東京にゆきたいのに、まちがって鹿児島行きの急行に乗ってしまったようなもので、
居ても立ってもおれないような苦しみにおそわれるのは当然のことであった。
それは自ら欺く者に与えられる天の刑罰とも言うことができる。
※自覚と悟りへの道 水谷啓二氏の体験記より
2024/05/20 一世