小学生のときに国語で勉強した1編の詩。川崎洋さんが書かれたその詩を読んだときから、屋久島の杉に会ってみたいとずっと思ってきました。
「屋久島の杉の木」
きみはいくつ?
きみの父さんは いくつ?
きみのおばあさんは いくつ?
おれたち屋久島の杉の木は
1000歳で やっと一人前
7200歳だって いるぞ
かみなりに うたれて
ぼきりと折れて倒れても
木に あぶらが
ぎっちりと詰まっているから
腐らない
折れたところに
杉の種が落ちて 芽が出て
また
何千年も生きるのだ
屋久島の森には確かに巨木が多いです。中でも杉の木にはランクがあって、樹齢が1000年を越す自生種だけが「屋久杉」と呼ばれています。1000年に満たないものは「小杉」、植林されたものを「地杉」というらしいです。そして樹齢2000年を超える杉には神様が宿っているんだとか…。屋久杉の中でもいちばん古いな縄文杉は、樹齢7200年を超えるとされています。
普通、杉の樹齢は長くても500年程度とされています。しかし、花崗岩でできている屋久島は栄養に乏しい土地です。そのために屋久杉は成長が遅く木目が詰って非常に丈夫らしいのです。また、降雨が多く湿度が高いため、樹脂分が多く腐りにくいのも特徴だとか。
確かに森を歩いていると大きな花崗岩から伸びる木々をたくさん見かけました。岩に生えた苔が土壌となり、そこに屋久杉が育っているんです。
何より島全体が花崗岩でできているわけで、こんな大きな花崗岩の1枚岩を歩いたりもします。
花崗岩の島で、1000年も2000年も生きる丈夫な屋久杉は、江戸時代には年貢として幕府に献上されていたそうです。
そのため、森の中には大きな切り株もたくさんありました。
雨にうたれ、艶やかに光るもの、苔に覆われ森の緑にとけこんでいるもの…。
そして、切り株の上に芽生える新たな命。
白谷雲水峡のトレッキングコースに根を下ろす巨木には、「二代杉」とか7武家杉」「公家杉」「雷おんじ」などユニークな名前がつけられていました。
そして、ガイドさんからは、それ以外にも杉の木の形からつけられたユニークな名を持つ、たくさんの木々を教えてもらいました。
ライオン
キリン
王様の椅子
森の人(エント)
まだまだ紹介しきれないほどたくさんあります。
白谷雲水峡は、それなりのトレッキングルート(尾瀬でいうなら三条の滝ルートを長くした感じ)でしたが、そんな話を聞きながら、楽しく散策できました。
悠久の時を生きてきた屋久島の杉の木たち。その森は深く、命に溢れていました。
小学生のときからずっと会いたかった屋久島の杉。その杉にたちについに会えたという感動。最高のトレッキングでした。
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