きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

インサイダーズ/内部者たち

2017年03月30日 | 韓国



前情報なしで、イビョンホンがでるんだーくらいの知識で観始めたら、
最初がちょっとわかりにくかったのは、
単純に私が頭ワルイカラ?(笑)
韓国映画って登場人物の名前に慣れるまでのハンデありますからね(いまさらな話←)

で、最後まで観たら

おもしろかったーー☆

観終ってから、もう一度最初の場面を観たら、
超納得で、ぜんぜんわかりにくくなかった。(だから)
こんなに面白いなら上映時間130分でも納得する、うん。


コネと学歴なしで韓国で生きていくことは難しいのね。

政界と財界とマスコミが組んだら怖いものなしだろうし、いや恐ろしい。
架空の話とは思えない、現実に今も起きてそうな話だし。

R指定にも関わらず900万人超の歴代No.1を記録したらしいけど、
理由がわかりますよね。
ラストがね、快感~~!だもん
相当なカタルシスじゃないんでしょうか、観終ってスッキリです☆

自分の子供たちの時代には、誰もが平等なチャンスがある国にしたいって熱く語るところ
頷いた人多いのかもしれません。
チョ・スンウは可愛い顔して硬派な役が似合う。

そしてイ・ビョンホン。
彼自身にそんなにときめいたことはないけど、
作品を観て、上手いなーって思うこと何回かあった。
『甘い人生』とか『純愛中毒』とか好きよ。(情報が古い)

今回も改めで思ったけど、
イ・ビョンホンはチャーミングね。
憎めない、可愛らしさを醸し出してました。



なんかインスタントラーメンが食べたくなった(^o^)




インサイダーズ/内部者たち  2015年  ☆☆☆☆ 
監督:ウ・ミンホ
出演:イ・ビョンホン、チョ・スンウ、キム・ホンファ

大統領選を控え、ミレ自動車のオ会長(キム・ホンパ)は与党新正党のチャン・ピル(イ・ギョンヨン)に大金を投じて政治をも牛耳ろうと画策していた。裏でその糸を引いていたのは祖国日報主幹のイ・ガンヒ(ペク・ユンシク)だ。ある日、彼の裏の仕事を請け負っていたアン・サング(イ・ビョンホン)に、極秘の裏金ファイルを回収するよう指示が下る。

アシュラ

2017年03月21日 | 韓国
なんなんすかね、急に怒涛の韓国映画?(笑)
「お嬢さん」「コクソン」とくれば観ないわけにはいかないっしょ「アシュラ」
行ってきました。
3本とも面白かったけど、正直今回が一番面白かったです。

キム・ソンス監督、同名で二人いらっしゃいますから、MUSAの方の監督さんね。
私が前に観たのは「英語完全征服」ですからね、ジャンル違い過ぎ、ふり幅広すぎ(笑)
今回がぶっちぎりの面白さでした。

新宿武蔵野館で上映のみ。
日曜日だったから家を出る前に念のためにネットでオンライン予約して行って正解。
到着した頃はソールドアウトでした。よかった☆
「お嬢さん」も新宿のTOHOシネマズで観る予定が満席だったので急きょ立川のシネマシティに。
韓国映画キテマスネ~(^o^)



暗くて重くて、
痛くて辛くて、
出口が見えない、
あるのは暴力だけ、
支配するものとされるもの、
喰うか喰われるか、
結局みんな喰われちゃうのよ、そんなとこで生きたい?っていう、
そして救いようのない終焉、
まさに韓国ノワールの典型のような内容なんだけど、
面白かったわー。

最初にアンナム市の全景を空から映すのね。
ゴチャゴチャと家が密集してどよーんとして主人公が「人間が嫌いだ」って言う。
わかるわぁ、この街じゃなところで暮したいけど、できないのよね、
地獄であっても、ここで生きていくしかない人たちの話だから。

情報なしでいくからさワタシ、久しぶりのチョン・ウソンだったなー。
イケメンさん興味ないからそーでもなかったけど、
年齢重ねて渋くてカッコよくなった福山雅治のイメージかな
カッコいいなって思った。
ほぼ男性だし、おじさんだし、血まみれ率高いし、
そんななかでチョン・ウソンのイケメンがかなりの清涼感で助かりました。

一番の見どころは雨の中のカーアクション。
あれは凄かった。
韓国映画ってカーアクションがすごく上手いけど、
最高に凄まじかった。
息を詰めて観てました。

ドギョン(チョン・ウソン)の顔が怒りで真っ赤に膨れ上がった(ように見えた)
あれこそ阿修羅。
でも阿修羅と化して突っ込んでって、向かうところは結局そうだよね、
そうなるしかないよね。
韓国ルノワールだわ、、、

弟分のチュ・ジフンとの関係が切なかったね。
あそこはちょっと泣いた。
破滅へ向かうしかない男たちの哀しさ。

迷いがなさ過ぎて、音楽もカッコいいもんだから、
ラストは清々しささえ感じました(感覚おかしい←)

Satan Your Kingdom Must Come Down





  キム・ソンス監督作品
  ⇒ 英語完全征服  2003年
  ⇒ MUSA-武士- 2001年

 


アシュラ(아수라)  2016年  ☆☆☆☆☆
監督:キム・ソンス
出演;チョン・ウソン、ファン・ジョンミン、チュ・ジフン、クァク・ドウォン、チョン・マンシク

アンナム市の市長という立場を利用し、利権をむさぼろうと犯罪を繰り返すパク・ソンべ(ファン・ジョンミン)。刑事のハン・ドギョン(チョン・ウソン)は、末期ガンに侵された妻の治療費稼ぎを理由にその処理を請け負っていた。市長検挙に燃える検事キム・チャイン(クァク・ドウォン)と検察捜査官ド・チャンハク(チョン・マンシク)は、彼を脅迫して捜査への協力を迫る。ドギョンは市長と検事たちの間に立たされる。

哭声/コクソン

2017年03月21日 | 韓国


パク・チャヌク監督の「お嬢さん」に続いて観てまいりました
ナ・ホンジン監督の「コクソン」

濃いわ~~~濃厚だったわ~~~凄かった!

翻弄されまくりました、超~楽しかった☆

最初はのんびりした感じの警官のお父さんがでてきて、
娘にあらぬ場面を見られたりして、ちょっと笑えるテイストだったのが、
まさかあんな展開で終わるなんて夢にも思わなかった。

殺人現場の描き方が韓国映画は容赦ないですからね。
うえーうえーって思いながら観てたら(意外と楽しんでるワタシ)
ふんどし姿の國村隼氏が、、、出現。
セリフはほとんどなくて、日本語でぼそぼそって話すくらい。
それでも、んまーーーすんごい存在感でした。

事前情報ゼロだったので途中から出てきた祈祷師がファンジョンミンでびっくり。
思わず「おっ!」って言っちゃった。
カッコよく登場かと思ったら、この祈祷師が胡散臭くてね。
ゲロゲロな状態なのに何か笑えるって言う、、、
変な表現だけど、実際観たらそういう感じが一番ぴったりなんだから(笑)

サスペンスかなって思ったら
オカルト?
ホラー?
えーーーゾンビ映画だったの?


カオスです 

混沌です



私はね、異質なものを受けれられない村人の話じゃないかと思ったのよ。
異様な姿の日本人は脳内でそう見えているのではないかと、
殺人はきっと感染症かなにかで狂ったことが原因で、だから早く医者に行けばいいのにって思ってた。

それにしても謎な部分が多くてね、
スッキリと理解できない部分を誰か考察してくれーーってツイッターで呟いたもんね。


そしたら、

國村さんはイエスキリストだって考察している方がいらして

なるほと、、、

宗教は全くの無知で詳しくないので、
非常に感覚的な発言になってしまうのですが、
私の中ではそれが一番すっきりと納得だった。

もちろんいろんな感想を持ってる方がいて
彼は悪魔だったって意見もあったし、

たぶんそれぞれいろんな感想があって、
どれが正解って決めつけられない作品なんじゃないですかね。

普通の中学生みたいな娘役のキム・ファニちゃんの神憑り的な怪演に驚きました。




ナ・ホンジン監督が僕の出演した映画を見て、「この役者が欲しい」と言ってくれたらしくて。台本とともに『チェイサー』と『哀しき獣』のDVDが送られてきて、その後、監督が日本に来てくれて、映画について話し合い、じゃあ、やりますか、となったんです」

映画『哭声/コクソン』國村隼インタビュー「この作品は、自分の中でも特別な1本」

國村隼さん、カッコいい~♪

   ナ・ホンジン監督作品
    ⇒チェイサー 2008年(追撃者)
    ⇒哀しき獣 2010年










哭声/コクソン(곡성) 2016年 ☆☆☆☆☆
監督:ナ・ホンジン
出演:クァク・ドウォン、ファン・ジョンミン、國村隼、キム・ファニ

警察官ジョング(クァク・ドウォン)が妻と娘と暮らす平和な村に正体不明のよそ者(國村隼)が住み着いて以来、住人たちは彼のうわさをささやいていた。やがて、村で突然村人が自分の家族を手にかける事件が発生する。犯人には、濁った目と湿疹でただれた肌という共通点があった。

お嬢さん

2017年03月10日 | 韓国

*日本のポスターの方がインパクト強し*



日本の統治下時代の朝鮮半島の話。

ハ・ジョンウが、キム・ミニが、日本語で話し始めてビックリ。
韓国語も交じるけど、日本語の方が多かった。
かなりお上手で聞き取れないことはなかったけど、
今の日本ではほとんど耳にしないような言い回しを片言で聞く不思議さ。
テレビでは言っちゃいけない言葉もあったよな、
〇〇〇とか〇〇〇とか(書けない)、子どもに言わせて大丈夫?
なぜ映倫通った?(笑)

官能小説を片言の日本語で朗読って、なんとも言えない摩訶不思議さ。
そういう意味で、本国の上映と日本の上映はかなり捉え方違わないですかね。

でも、そんなところも含めて面白かった。

監督が「自由に感情に任せて動く同性愛者を描きたかった」ってインタビューで答えてたけど、
それはもうかなりの完成度の高い、綺麗でエロ~~いシーン満載でした。
女性のベットシーンって優しくて綺麗よね。
旦那と観るとちょっと恥ずかしいけど、女友達となら大丈夫なレベル、、かな。
日本の春画もでてきて、私はそのエロチックさは嫌いじゃない。

それに対して男性の欲望が、かなり面白いっていうか、変態。
貴族のおじさまたち、ど変態です。

ラストの〇〇〇切り取られなくてよかった、、って笑うしかない。
でも○○は切り取られてますから、痛いよ~~(書けない~~)

エロと変態とゲスがごちゃまぜになっててお腹いっぱいです。
映像が綺麗で耽美的。

物語は3部構成になっていて、一部の終わりでビックリ!
その後二転三転して面白かった。

オールドボーイほどの強烈さはなかったけど
パクチャヌク監督らしい作品でした。

「抑圧されている状況の中で戦う女性こそが魅力的だと思っている」




お嬢さん(아가씨)  2016年  ☆☆☆☆
監督:パク・チャヌク
出演:キム・ミニ、キム・テリ、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン、キム・ヘスク、ムン・ソリ

日本の統治下にあった1930年代の韓国。詐欺師集団に育てられた少女スッキ(キム・テリ)は、伯爵の呼び名を持つ詐欺師(ハ・ジョンウ)から美しい富豪令嬢・秀子(キム・ミニ)のメイドという仕事をあてがわれる。彼女とそのおじが暮らす豪邸に移ったスッキだが、伯爵は彼女の助けを得て秀子との財産目当ての結婚をしようと企んでいた。

探偵なふたり

2016年03月02日 | 韓国
「探偵なふたり」って日本語としてちょっと不思議じゃありませんか。
チケットを購入するとき、ちょっと恥ずかしかったですもん。
そもそも探偵ふたりじゃないし、、って思いながら観てたけど、
エンディングまでいってなるほど、と納得。
原題は「探偵:ザ・ビギニング」
エピソードワンみたいな、ここから始まるって感じの終わり方で、
最初からシリーズ狙いなんでしょうかね。

恐妻家っていっても日本の比じゃない、奥方の罵倒が半端ないですからね、
それでも家族を愛する健気な夫二人。

奥様に尻に敷かれまくる探偵バディものとして

面白いかも。




前半はお子がギャーギャーなくし、笑いをちりばめてちょっとドタバタしてたけど、
後半は連続殺人事件をめぐってスピード感が出てきました。
コメディ仕立てだけど、殺人事件が絡むと描写がリアルなのでそこはさすが容赦ないです。

サンウの芝居はちょっとフワフワしたところがあるけど、
ドンイルさんが抑え気味でピッタリな相性でした。

鑑賞したシネマート新宿は、かつてサンウの舞台挨拶があった劇場。
チケットゲットできなかった母が私のブログ友達と一緒に外にいて、
会場を後にしたサンウに会えて喜んでたのを思い出して感慨に耽ったりしました。
懐かしいね。

キラキラわんこ王子だったサンウが
普通のおじ、、いやおとうさんだったもんなー。
それにしちゃ、ちょっと胸板厚すぎなきもするけど、、

続編あったら、また観に行くのでぜひ☆




◆探偵なふたり(原題:탐정:더 비기닝)  2015年
監督:キム・ジョンフン
出演:ソン・ドンイル、クォン・サンウ、ソ・ヨンヒ

プロファイリング同好会の会長という肩書を持ち、未解決殺人事件についてのサイト運営を行うデマン(クォン・サンウ)。人並み外れた洞察力と推理力を誇り ながら、漫画喫茶の店長として働き口うるさい妻を恐れる毎日を過ごしていた。仕事を放り出しては警察署に出向き、捜査にあれこれと口を挟む彼はある日、彼 の友人であった刑事が殺人容疑で逮捕されたのを知る。すぐさま陰謀だと悟って、広域捜査隊から左遷された鬼刑事で仲の悪いテス(ソン・ドンイル)と調べを 進めていく。

観相師

2016年02月29日 | 韓国


予備知識なしで観始めました。
始まりはコミカルな雰囲気だったんですよね。

息子と父親の話かな?

途中からずいぶん史実に入り込んできたなーと思いつつ、
キムテウが王様だわ、懐かしいなぁ。
キムヘスは意外とメインじゃないのね、、つまんない。

上映時間長そうだな(142分だって)

そうこうしているうちに、
首陽大君(イ・ジョンジェ)のクーデターがはじまって、

もうあとはぐいぐいと展開に引き込まれました。

始まりからは想像できないくらいな悲惨な状況に、、、、

癸酉靖難という歴史上の出来事に、
観相師の存在が絡んでいた、という物語だったんですね。
史実は曲げられないもんね。
悲惨な展開にビックリ。
こういうラストで終るところが、日本映画にはないところかもしれないですね。

あまりにもダイナミックな展開に口あんぐりでした。
面白かった。
辛かったけど。
キム・ネギョン(ソン・ガンホ)が海を見つめながらつぶやくシーンで
少しだけ楽になりました。
時代は流れていく。

イ・ジョンジェ極悪非道でしたね。
あそこで息子殺す?
怖いわ。
でもジョンジェはカッコいい。

流石の評判通りの面白さでした。
流石のソン・ガンホさんでした☆


※癸酉靖難(きゆうせいなん、ケユジョンナン)
李氏朝鮮の第6代国王端宗の即位1年後の1453年10月に、幼い国王の叔父にあたる首陽大君(のちの世祖)が顧命大臣を殺害して政権を奪取した宮廷クーデター事件。




◆観相師(原題:관상)  2013年  ☆☆☆☆☆
監督:ハン・ジェリム
出演:ソン・ガンホ、イ・ジョンジェ、ペク・ユンシク、チョ・ジョンソク、キム・ヘス

5世紀半ばの朝鮮王朝。キム・ネギョン(ソン・ガンホ)は、その人の顔から性格や寿命まで見抜く観相師として田舎に暮らしていた。ある日、宮廷で起きた殺 人事件の真犯人を言い当てたことで人事官に抜てきされる。

怪しい彼女

2016年02月24日 | 韓国

 


韓国で865万人の大ヒット作。
面白かった。

シム・ウンギョンの魅力がギュギュっと詰まってて

おばあさんぶりが最高だった。

こんなに歌が上手いとはね、多才な女優さんです。
(しかしどうして韓国のおばあさんはクルクルパーマなんでしょね)
(さらにいうとテロテロ光る素材の花柄シャツ着用率高い気がする)

韓国のラブコメって劇中に歌のシーンが入ってるのが多くて本当に上手いなぁって思う。
かつてのヒット曲、有名な曲も多かったみたいで、そりゃ楽しいだろうなって思う。

初恋のお嬢様を慕い続けるパクさんとかね、そういうとこが本当に韓国らしい。
ラストで青春写真館で若返った若き日のパクさんがキム・スヒョンくんで、
最後の最後までワクワクと楽しかった。

この監督さん「トガニ」を』 撮った方なんですね、硬から柔まで守備範囲が広いです。

もうすぐ日本でリメイクされるけど、
田部ちゃんはかなりシム・ウンギョンちゃんに寄せてる雰囲気で
かなり近い感じの作り方なんですかね。
いろんな意味で楽しみです。

 




◆怪しい彼女(原題:수상한 그녀)  2014年 ☆☆☆☆☆
監督:ファン・ドンヒョク
出演:シム・ウンギョン、ナ・ムニ、ジニョン、ソン・ドンイル

70 歳のマルスン(ナ・ムニ)は、向かうところ敵なしの口の悪さと頑固さで近所でも有名なおばあさんだった。国立大教授に出世した一人息子(ソン・ドンイル) を女手一つで育て上げたものの、アクの強い性格が災いし最近は嫁にも煙たがられる始末。ある日、彼女が写真館で遺影のつもりで写真を撮ると、不思議なこと に20歳のころの自分(シム・ウンギョン)に戻っていた。


海にかかる霧

2015年05月03日 | 韓国
「殺人の追憶」の脚本家シム・ソンボによる監督デビュー作。
あらすじの予備知識ゼロで臨んだので、途中からの展開に「うっそー」



今現在でも亡命や様々な理由で密航を企てた話は日常的にニュースになるし、
人知れずにこういうトラブルで消えてしまった方たちがいるかもしれないと思いながら観てたわけですが、2001年に実際に起こった「テチャン号事件」というものを題材にしていることを後で知りました。
驚きというよりやっぱりという気持ち。絶句しながら観てる場合じゃないよね、事実としてあったことなんだから。
ともかく現実がずっしりと重いです。

船長のチョルジュにとって老朽化した漁船チョンジン号が人生のすべてで、なにがあっても守り抜きたいという思いが最後に狂気になってあんな風になったのかな。
家族のように一致団結して船に乗っていた仲間なのに。
一番大切な守りたかった場所が、どんどん深くなっていく霧の中で迷走し、コントロールできない方向に暴走してしまった。
最後はもうホラーでさえもあった。怖いよー。

始まりはキム・ユンソク演じる船長の目線だったものが、後半はユチョン演じるドンシクの目線へ展開する。

ぶっちゃけな話、ユチョン初出演映画で、評判がとてつもなく良かったので観に行ったんだけど、その理由で観たとして、かなりの衝撃的な作品だったわけですが、充分に見応えのある内容でした、素晴らしかった。

あの可愛いユチョンが、どこからどう見ても田舎の素朴な青年にしか見えなくてドンシクでしかない。
殺戮が繰り返される修羅場の中での彼の唯一の正義が彼女を守ることだったんだと思うと、それはそれで納得ができる。
ふたりが感じた感情が恋愛だったかどうかなんて、あの状況で誰も決められない気がするんだよね。

だから、流れ着いた先で彼女がとった行動は納得できる。
ドンシクは彼女を探したんだろうか、どうかなぁ。
必死に探してはいないけど、どこかで会えないかと思ってはいたよね。きっと。
そんなこちら側の想像のための、サービスですかね、最後のシーンは。

作品的には流れ着いた海岸の場面で終わって欲しかったけど、
ひとり黙々と働くドンシクの暮らしに少しだけ触れさせてくれたのは監督さんの優しさでしょうか、そういうことにしておきたいです。



海にかかる霧(原題:해무)  2014年  ☆☆☆☆☆  
監督:シム・ソンボ
制作:ポン・ジュノ
出演:キム・ユンソク、パク・ユチョン、ムン・ソングン、キム・サンホ、イ・ヒジュン

チョンジン号は一時、大漁に沸いていたこともあったが、最近は不漁続きで船の維持すら難しくなっていた。八方ふさがりの中、船長チョルジュ(キム・ユンソク)は、やむを得ず中国からの密航者たちを乗船させることにする。そして決行の日、海上で中国船から密航者を迎え入れた。

ソウォン/願い

2015年05月03日 | 韓国
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雨の日、8才の少女が小学校への登校時に変質者にレイプされる。
かろうじて命はとりとめるが、人工肛門という過酷な運命を背負い、
一生残る心の傷を負うことになる。

韓国で実際にあった事件をベースにした話だそうです。
だからね、可哀想過ぎて耐えられなくてね。
そんな昔の事件じゃないからご家族はご健在ですよね。
ここまでストレートに描くって、日本ではなかなかないんじゃないかな。

父親役のソル・ギョングも母親役のオム・ジウォンも、悲しみと怒りで気が狂わんばかりで。そりゃそうよね。誰だって我が身に置き換えたら苦しくてたまらない。
辛さに耐えながらもなんとか鑑賞できたのは、ひとえにイ・レちゃん演じるソウォンの素直で健気な可愛らしさだった気がします。

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彼女は瀕死の状態の中、自分で警察に連絡をするの。
それはいつも忙しくしてるお父さんとお母さんの大変さをわかってるから。
そんなこと考えるような状態じゃないのに無意識にそういう事ができるしっかりした子なんだよね。

そんなソウォンが自分を責め始めたのは、マスコミが騒ぎ始めたから。
マスコミから自分を隠そうする父を見て、自分は悪いことをしたのかと恐怖で泣くの。
こんな姿になった自分が恥ずかしいとシーツを被って自分を隠そうとする。

もちろん卑劣な犯行が一番憎むべきことなんだけど、
被害者を傷つけることはそれだけじゃない、むしろその後の周りの行動がどれだけの人を傷つけるかということなんだよね。
特に韓国はマスコミは病院にまで押しかけるから、見てて腹立たしかった。

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ソウォンは事件がトラウマとなり男性である父親と話すことができなくなっていた。
そこでドンフンがしたことは、ソウォンが大好きなココモンの着ぐるみを着て彼女を元気づけることだった。

これがね、もー泣けましたわ。
着ぐるみの中で汗びっしょりのソル様が、汗びっしょりだけど涙もいっしょにびっしょりなんだよね。
仕事の合間に着ぐるみで娘を見守り、学校に行くようになった娘をちょっと離れたところで見守る。
ソウォンはいつもそばにいるココモンを見て安心するの。

可愛いカバンに飴をいっぱい詰めて持たせたのは、人工肛門が臭うんじゃないか、ガサガサ音がするのが恥ずかしいという娘のために考えたんだね。

ドンフンは回復するソウォンに胸をなで下ろす一方、犯人の発言を聞き、恨みと娘を守りたい一心から殺人の衝動にも駆られる。
そして酒による心神耗弱という判決が出て、いつか又犯人と娘がどこかで出会うかもしれないという憤りが頂点に達するけど、娘に「家にかえろう」と引きとめられる。

この作品が描きたかったことは復讐することや憎むことじゃないんだよね。
復讐ではなく希望を。
タイトルそのもの、願い。

8才にして人は何のために生まれてきたんだろうと呟いたソウォンは、
生まれてきた弟を笑顔で迎えた。
生きるということは希望(弟の名前も希望)なんだってことを笑顔で見せてくれました。

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「王の男」
「美しき人生」
「あなたは遠いところに」
イ・ジュニク監督の作品は好きな作品が多いです。
唐沢さんの「イン・ザ・ヒーロー」にカメオ出演してるってさっき知って、いつかそれ見てみよう。

そう言えばこの監督さん、商業映画から引退するなんて言ってたことあったよね。
こんな良い映画撮るんだから、まだまだ活躍して下さいませ。



ソウォン/願い(原題:??)  2013年  ☆☆☆☆☆
監督:イ・ジュニク
出演:ソル・ギョング、オム・ジウォン、イ・レ、キム・サンホ、キム・ヘスク

雨の朝、一人で登校した8歳のソウォン(イ・レ)は男に呼び止められ、半死半生の暴行を受けた状態で発見される。病院に運び込まれたまな娘の惨状に、父親ドンフン(ソル・ギョング)も、母親ミヒ(オム・ジウォン)も泣き崩れる。その後、執拗(しつよう)なマスコミの取材攻勢や社会全体からの注目に対し、両親はソウォンを何とか守ろうとする。


7番房の奇跡

2015年01月30日 | 韓国
いやぁ、泣いた泣いた。
タオル握りしめて泣きました。
いい映画でした。

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冒頭の裁判の場面で、チョン・ジニョンでしょ、それから、オ・ダルス、パク・ウォンサン、キム・ジョンテ、チョン・マンシク。
韓国の素晴らしきオッサン俳優勢ぞろいじゃないですかん。
これは面白いに決まってると、思わず前のめりになりました。
そーしたら、娘ちゃんとセーラームーンの主題歌を歌う、6才の知能を持つ役のリュ・スンリョンが登場。
ビックリですよ、強面のスンリョンさんが子供みたいに登場だもん。

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実というとツイッター上で、韓国で1200万人の大ヒット作品だけど、日本人には違和感があるかもしれないというような意見もあって、そうなんだぁって思ってたんですよ。
わかる気もするんです、現実的でなくてご都合主義的に感じる人もいるかもしれないから。
でも、それより全然感動の方が上まりましたね。
ファンタジー映画だなって思った。

7番房が刑務所なのに楽しすぎる。
みんないい奴過ぎるじゃないか、悪いことしたはずなのに。
看守もわかってるし。←おいおい
課長(署長)がそんなこと許可するんかいーー!

そこ、突っ込んじゃダメよね。突っ込んじゃいけないとこ他にも多々あります。←
これをファンタジーとして完成させちゃうところが韓国映画の力なんじゃないかと思う。
それと俳優さんたちの力ね。
これだけ名俳優が揃ってたら安心して楽しめます。

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強面のリュ・スンリョンさんしか見たことなかったから、6才知能のリュ・スンリョンさんは絶句もの。
娘が可愛くて可愛くてたまらないっていう目で見るんだけど、それだけで泣けちゃう。
「生んでくれてありがとう」「生まれてきてくれてありがとう」のくだりは泣けちゃう、これは仕方ない。

あんなに愛されて、お父さんといる時はいつも楽しくて笑顔で嬉しくてたまらなくて、
そうやって人間の中心になるところにたっぷりの愛情を注いでもらって大人になったイェスンは絶対に幸せになるはず。
冤罪という悲しい話なのに観終ってこんなに心が温かなのは、だからだと思う。

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ところで、あの裁判は模擬裁判なんですよね。
ちょっと謎だなって思って調べたんですけど、
大人になったイ・イェスンが、司法修習生の模擬裁判を通じて父親(イ・ヨング)の事件を扱うことについて「イ・イェスンの感性、情緒をもっと表現したかった。純粋な感じを出すために、通常の裁判ではなく、司法修習生の模擬裁判に設定した」と話した。
という監督のインタビューがありました。

パク・サンミョンがパク・サンミョンって名前で出てましたね。
友情出演ですかね、すごい贅沢でした。

久々、韓国映画で大満足の作品でした。



7番房の奇跡(原題:7??? ??) 2013年  ☆☆☆☆☆
監督:イ・ファンギョン
出演:リュ・スンヨン、パク・シネ、カル・ソウォン、チョン・ジニョン
  オ・ダルス、パク・ウォンサン、キム・ジョンテ、チョン・マンシク、キム・ギチョン

知的年齢6歳の中年男性イ・ヨング(リュ・スンリョン)は、小学校入学を控えた6歳の娘イェスン(カル・ソウォン)と2人で仲良く暮らしていた。ところがある日、ヨングは殺人容疑で逮捕されてしまう。道に倒れた少女を覗き込んだ彼の姿を目撃した通行人が、勘違いして警察に通報したのだ。イェスンと別れ、刑務所に送られたヨングは、7番房で5人の先輩たちと寝起きを共にすることになる。


トッチ -終わりなき絶望-

2014年10月01日 | 韓国
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ツタヤ更新時に1本無料っていうので
しばらく映画モードじゃなかったけど何か借りようかと選んだのがコレ。
私って韓国映画に何を求めてるんでしょーね。
とりあえず娯楽性とかエンタテイメントではないんだと悟りました。

暗い、重い、ってのは何となくわかってたけど
地を這うような底辺でころげまわるような、どうしようもない展開になってきて
参ったなぁと思いつつ観たけど、
観終って思ったのは嫌いじゃない。
ズシンと来るものもあったし、ほんの少し涙ぐみそうになった。

でも、誰かにお薦めしようと思う作品ではなかった。
興味のある人は自分のアンテナで探し出してね、って感じ(責任とれないから)

「棚ぼたのあなた」で国民の夫を演じたジュンサン氏がアルコール中毒のどうしようもない夫。
彼は守備範囲が広いよね、大好きな俳優さんです。
奥さん役のスウォンを演じたキム・ジヨンが素敵だった。
なんとなく松たか子に似てる気がするんだけど、演技力も松さんレベルの素晴らしさです。

トッチ(터치)ってなんだろうと思ったけど、英語のタッチなのね。
何に触るの?やぱり宗教的な意図の大きい作品なんだろうな。
突然のように登場する鹿が象徴的で、哲学的なすべてを見通したような目なんですよ、鹿が。

愚かで、情けなくて、どうしようない、途方に暮れた人の前に突然現れる鹿。
宗教的な知識も何もない私だけど、思わず祈って赦しを願いたい気持ちになった。

だってね、ホントにもう、「なんでだよー」「どうしてよー」って何度もひとりごと言っちゃったもん。
特にユ・ジュンサンに!(←本名で言うな)
どうしようもなく弱いんだもん、人は良いんだと思うのよ。

罪深いもの。人の心にある罪が消えて、救われますように。
そんな気持ちになったのでした。


公開第1週目から上映の劇場を十分に確保されなかったこと(他の作品と日替わり交代制で上映)に反発して監督自ら引き上げて、あっというまに上映が終わってしまったそうです。
確かにものすごく集客する内容の映画ではないけど、第17回釜山国際映画祭に招待されて評価が高かったそうです。
こういう作品に光を当てない上映の仕方は韓国映画をつまらなくしていくよね。



トッチ -終わりなき絶望-(原題:터치)  2012年
監督:ミン・ビョンフン
出演:ユ・ジュンサン、キム・ジヨン

元国家代表の射撃選手だったが、アルコール中毒ですべてのものを失い中学校で射撃のコーチをする夫、ドンシクと、病院で世話係をしながら、病院からひそかにお金をもらい、家族から捨てられた患者を騙して療養院に入院させる妻スウォンは幼い娘とともに大変だが小さな幸福を夢見て生活をしていた。
ある日、ドンシクはコーチ再契約問題で理事長が勧める酒をやむを得ず飲み、飲酒運転をして自分の教え子である射撃部の学生をはね、慌てたあげくひき逃げをして警察に逮捕されてしまう。
夫ドンシクのひき逃げ事件の示談金のために更なるお金が必要になったスウォンは、なんとかお金を工面するもそれが原因で病院を解雇されてしまう。その日の夕方、帰宅したスウォンは娘が家にいないことに気づく。

花を宿す女

2014年08月21日 | 韓国
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うん、、ちょっとエロかったですね。
邦題は「花を宿す女」、、、花になって交わりたい、、なんて表現してますけど
原題は「菜食主義者」だって。
う~~んちょっと違う気がしますけど。

肉が食べられなくなったんですよね、でも野菜とか果物は食べてた。
菜食で暮らしていくことに何の問題もないですしね。

お医者さんも言ってたけど、要するに拒食症と統合失調症を併発してしまったと言うことですよね。
そう言ってしまえば元も子もないけど、、、

私の乏しい知識ですけど、拒食症って家族関係、特に父親との関係性に大きく影響を受けるらしいけど、まさにそれでしょ。
幼い頃の経験が彼女にある種の不安感(安定できない要素)が消えない。
可哀想ね。
痩せても痩せてももっとやせて綺麗になりたいって思うんですってね。
だから体に花の絵を描くということが、彼女にとって安心できる要素になったってことは納得できるかもね。

でもあの義兄の芸術家さんがまともな神経とは思えない。
芸術だからといって許容できないところまで完全に行ってます。

最後、あれ?夢オチ?みないな雰囲気もありましたけど(ずるい~~)
独特な映画でした。

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花を宿す女(原題:?????)  2010年
監督:イム・ウソン
出演:チェ・ミンソ、キム・ヒョンソン、キム・ヨジン

ある夢がきっかけで、ヨンヘは突然肉食を拒否し、菜食主義者になる。やがて、肉の匂いの体臭に耐えられないと、夫とのセックスも拒絶。家族一同は心配するが、ある日、父親が力づくで肉を食べさせようとすると、彼女は発作的に手首を切る。退院後、離婚し、引きこもりになったヨンヘを、姉の夫ミノが見舞う。映像作家のミノはスランプに苦しんでいた。彼はヨンヘの体に花の絵を描き、ビデオに撮りたいと申し出る。秘密の共同制作で、ボディペインティングされた花の妖しさに魅せられた二人は、いつしか倒錯した世界へと迷い込んでいく。


ある会社員

2014年05月18日 | 韓国
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予備知識なしで観始めたらビックリするよね。
会社ですよ、だけどそんな会社、そんな会社員います?(笑)

新大陸金属という会社、日本にも金属を輸出してる。
でもジソプの所属する部署は「殺人」を扱う。
部長もいるし女子社員もいるしアルバイトもいる。

プロの殺人請負人。
見事にバンバン殺す、周りにいる人もおかまいなしに殺す。
で、仕事が終わったらアルバイトも殺せと指示がでる。

怖えーよ、なんじゃそれだし。

最初の数十分は、わかるけど理解しにくいってのが正直な私の脳内状況でした。
でも、ミヨンさんが登場したら物語として成立しちゃったっていうか、、
なんだろねー、彼女の存在の魅力。

・パスポート偽造しても殺人犯のあなたを弁護し日本に逃亡させたくなる(インデアンサマー)
・自分をこの世から消し去ってもあなたを愛したい(純愛中毒)
・恋心を抑えることができず、悲劇の泥沼にはまっていっても美しい(魚座)

40を超えてもこの色香、ホントに綺麗で素敵な女優さんだわ。

会社員の皆さん、最後は壮絶に撃ちあいます。
男子社員も女子社員も銃をもって、それこそ命をかけて銃撃戦で殺しあう。
オフィスでだよ。
シュールさに笑っちゃいました。
ある意味、それも仕事です。
って成立しないけど成立しそうな気がするから不思議ね。
それが主演二人の演者さんによるものが大きいような気がする。

あくまで私感ですけど、
ジソプって現実感がないっていうか、市井の人の真逆の
なんか現実感のない役がすごく似合う人のような気がしてて、
言い方逆だ、普通の人の役が似合わない。
だから最初映画のタイトルが「会社員」と聞いてへーって思ったんだけど
蓋を開けたら殺し屋サラリーマン(納得)
ミヨンさんは自分の人生を捨ててもいいから愛し抜きたくなる人。
女の私がそう感じるくらいだからすごいよ。

二人で幸せになって欲しいけど、叶わないのは最初からわかってる。
だから切なくて、いいんだよねぇ、、、

面白い映画でした。



ある会社員(原題:???)  2012年
監督:イム・サンユン
出演:ソ・ジソプ、イ・ミヨン

ヒョンド(ソ・ジソプ)は殺人請負会社に勤務して10年になるプロの殺し屋だった。ある日、共に仕事をした新人のフン(キム・ドンジュン)を会社の指令通りに殺害しようとしたヒョンドだったが、死を覚悟したフンに貯めた金を家族に渡してくれるよう頼まれる。フンの家を訪れたヒョンドは、フンの母親がヒョンドが昔から好きだった一発屋の歌手・ミヨン(イ・ミヨン)だと気付く。


鯨とり

2014年03月26日 | 韓国
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1984年の映画、懐かしいよね。
だってミスクさんが聖子ちゃんカットしてる(笑)
その時代の空気感がものすごくわかるってことですよ。

イ・ミスクさん可愛いわぁ。
若い頃の中山美穂を彷彿とさせる美貌です。
アン・ソンギさんも若々しいですよね。
誰かに似てるなぁってずーっと考えながら観てたんだけど
V6の長野くんだっ!!って気がついた時はスッキリしました。
口元がすごく似てる気がするんだけど、どなかか賛同者いらっしゃるでしょうか(笑)

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面白かった。
テンポも良くて笑えて、旧ソウル駅や昔のソウルの風景が興味深いです。
映画はその時代の風景や空気感を残す重要な役割もあるんだなぁ。
私は基本的にロードムービーが好きなんですよね。

目指す牛島って済州島(チェジュド) の東側にある島だそうです。
金なし、移動手段なし、身ひとつでソウルから牛島までよく辿りついたよね。
細かいことは言わなくてもよし(笑)
だってこれ観て、すごーく元気になれたもん。
パワーを貰える映画って素晴らしいと素直に感動いたしました。

『鯨とり』は何か巨大な目的を狙うという意味の隠語でもあるそうです。



鯨とり ナドヤカンダ  1984年  ☆☆ヽ(*^ω^*)ノ 
監督:ペ・チャンホ
出演:キム・スチョル、アン・ソンギ、イ・ミスク

ピョンテ(キム・スチョル)は、結婚するまで童貞を守ろうと考えているような内気でうだつのあがらない大学生。彼はひょんなことで出会った浮浪者「親分」(アン・ソンギ)に連れて行かれた売春宿で、失語症の少女チュンジャ(イ・ミスク)と出会う。彼女と一夜を共にしたピョンテは、チュンジャが東海(日本海)の離島の出身と知り、彼女を救出して故郷に送り届けてやる決心をする。そして「親分」を加えた三人の旅が始まる。


グリーンフィッシュ

2014年03月08日 | 韓国
グリーンフィッシュ (1997年)
ペパーミント・キャンディー (1999年)
オアシス (2002年)
シークレット・サンシャイン (2007年)
ポエトリー アグネスの詩 (2010年)

イ・チャンドン監督作品、これにてコンプリート完了☆
全ての作品が素晴らしくて、やはりこの監督さんは別格だと思いました。

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日本語字幕付きはVHSだけかと思ってたけど、どうやらDVDもあるらしいですね。
いずれにしても探しても見つかりませんでした。
仕方なく字幕なしで鑑賞。緑を基調にした重みのある映像、、なんて感想を聞くとスクリーンで観てみたかったなぁ。

ハン・ソッキュ演じるマクトンという名前は末っ子と言う意味で、
日本名すると「末男」とか「トメ吉」ですかね。
除隊後にヤクザの世界に入った男の話だけど、家族というのがとても大事なテーマになってる。

マクトンは家族揃って小さな食堂を経営して暮すことを夢見てた。
叶わずに死んでいったけど、ラストシーンではその夢が叶っていて、そしてヤクザの世界でかかわったボスと好きだった人が偶然にその食堂に来てサムゲタンを食べる。
俯瞰で眺める風景は、まるでマクトンが空から見ているようだった。

ボスがマクトンの兄さんを見て「会ったことありますよね」って言ったのは顔が似てたから?実は本当のハン・ソッキュのお兄さんが演じてるらしくて、そりゃどこか似てるよね。

ハン・ソッキュがボスのさらにボスをトイレで殺害するシーンは迫力があった。その後、公衆電話で家族に電話して、子どもの頃に緑の魚を獲りたかったという思い出話をする場面は本当に切ないです。

ボスに殺されて車のフロントガラスに顔を押し付けて絶命するシーンは圧巻だった。
目が凄い。
あの目はしばらく脳裏から消えない。
ハン・ソッキュはこの役で主演男優賞を総なめして演技派として認められたらしいけど、納得です。

ボスがマクトンを殺したのに、それでも恋人はボスのところから離れないのは何故?
ラストでお腹が大きかったのがマットンの子だったらドラマチックだと思うけど考えすぎかなぁ。ずっと彼に貰った写真を持ち歩いてたってことでしょ。
だって、そうでもなかったらマクトンが可哀そう過ぎる。

ソン・ガンホがチンピラその1的な役割で、そして卵売りの三男がチョン・ジニョン。
二人がとても若いんだけど、それにしてはハンソッキュってあんまり今と変わらないなぁ。

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グリーンフィッシュ(原題:초록 물고기) 1997年  ☆☆☆☆
監督:イ・チャンドン
出演:ハン・ソッキュ、ムン・ソングン、シム・ヘジン

軍隊を除隊して汽車で故郷へ向っていたマットン(ハン・ソッキュ)は、偶然ミエ(シム・ヘジン)と出会い、彼女のバラ色スカーフを拾う。都会で仕事を探していたマットンはナイトクラブで歌を歌っていたミエと再会し、彼女はペ・テゴン(ムン・ソングン)を通して彼に働き口を紹介してやる。ミエはペ・テゴンの女。そしてペ・テゴンは暴力団のボスだった。