きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

2021年05月21日 | 日本


現在放映中「ドラゴン桜」の南沙良ちゃんが映画で新人賞を受賞していると知って気になって鑑賞。
なるほどー全然違う役柄、、というかそもそもドラマの今どきの女子高生役がイレギュラーみたいですね。

「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」というタイトルが秀逸で、まさにその通りの作品でした。

同じ音を繰り返す「おおしま」という名字だなんて、なんというお気の毒な巡り合わせ、、
志乃ちゃんは独り言だったらすらすら話せるのに、人前では吃音症でうまく言葉がでない。
そして加代ちゃんは音楽が大好きなのに、人より抜きん出た音痴。
コンプレックスを抱えて人とうまく関われない青春真っただ中の二人に、
さらに空気が全く読めなくて周りから浮きまくってて友達が作れない同級生の男子の菊池が関わってくる。

我が身を振り返って考えるに、周りの高校生は楽しそうに盛り上がってる風に見えるけれど、自分てナニ?って考える時代で、
コンプレックスと向き合って、周囲と折り合いをつけることに心を痛めたり、傷ついたり、多かれ少なかれ、こういう感覚ってあると思うのよね。
なので、これが3人の特別な物語だとは全く思えなくて、ドストライクに身に染みて観ました。

シノカヨの主演二人が抜群に良くて、蒔田彩珠ちゃんも今クールの朝ドラに出演してますよね。期待の女優さんだってことが納得。
文化祭のクライマックスは涙しました。

絵に描いたような綺麗な結末ではないけれど、ちゃんと青春してて、確実に少し世界は動いてて、じわっと感動。
良い作品でした。



志乃ちゃんは自分の名前が言えない  2017年  ☆☆☆☆☆
監督:湯浅弘章
出演:南沙良、蒔田彩珠、萩原利久

周囲とうまく会話ができない高校1年生の大島志乃(南沙良)は、音楽が大好きな同級生の岡崎加代(蒔田彩珠)と仲良くなり、一緒に行動するようになる。積極的に人と関わることが苦手な志乃だったが、加代に誘われバンドを結成したのを機に少しずつ変化する。そこへかつて自分をからかったお調子者の同級生・菊地が参加してくる。

19本目

私をくいとめて

2021年04月24日 | 日本


倫也くんの脳内ボイス、私の脳内でも流れないですかねぇ、、毎日癒されるし、心強そう。
黒田みつ子(のん)の自意識の物語、最高に面白かった!

エビのてんぷらの食品サンプルを作って満足そうに眺めるみつ子さん、好きです。
誰のものでもない自分なりの楽しみを持ってることが一番ですもん。

人間なんてみんな生まれながらのおひとり様、誰かといるためには努力が必要、、、わかりみが強い。
みんな悲しい、、みんな頭のなかで悲しい話ばかりしている、、、私は基本ポジティブなので違うけどそういう人の気持ちは否定しない。
共感ともちょっと違うけど、わかるよ、うん、わかるよ、ってことばかりだった。

その人がそのひとらしく生きることが一番幸せで、無理しないでも一緒にいられる人といればいい、多田くん(林遣都)の付き合っても今までの生活と何も変わらない、となりに僕がいるだけってセリフ、ちょっと遣都くんに惚れちゃいそうでしたー☆

片桐はいりの上司ね。カッコよかったですね、あんな上司欲しい、安心する。
そして大瀧詠一の「君は天然色」ね、チョイスが最高です。

「勝手にふるえてろ」に続く、綿矢りさ×大九明子のタッグに大満足の作品でした。




私をくいとめて  2020年  ☆☆☆☆☆
監督 脚本:大九明子
原作:綿矢りさ
出演:のん、林遣都、臼田あさ美、片桐はいり、橋本愛、中村倫也

アラサー女子の黒田みつ子(のん)は何年も恋人がいないが、脳内にいるもう一人の自分「A」にさまざまなことを相談しながら独り身でも楽しく生活していた。常に的確な答えを導き出す「A」と一緒に平和なシングルライフが続くと思っていたある日、年下の営業マン多田くん(林遣都)に恋してしまう。独身生活に慣れたみつ子は勇気を出せない自身に不安を抱えつつも、多田くんと両思いだと信じて一歩踏み出す。

18本目

机のなかみ

2021年04月22日 | 日本



吉田恵輔監督は初期の頃の作品を除いてほぼ観てるんですけど、今回アマプラで2作品目を発見したので早速拝見しました。
今作の系譜を継ぐのが映画「さんかく」ということですかね。

「さんかく」のレビューを見返したら、
オトコのあほさに呆れるけど
そんなあほなオトコに惚れるオンナもな、、ってこと

って書いてて、まるっとそのまま今作にも当てはまるじゃ~んって思いましたわ(笑)

前半は家庭教師の視点から、後半は女子高生の望の視点で、表と裏みたいで面白い。
ボールペンが意味ありげだったけど、いやぁそういうことだったとはねー(おいおい)
もしかして監督の趣味趣向が反映されてたりしますかね(失礼)
女子高生のお尻が可愛かったりとか、いくつになっても娘と風呂に入りたいっていうお父さんの願望だったりを
映画を通して実現しないでいただきたい(おい)

正直、焦ったい。ちょっとだけイラつく(笑)
でも一皮むいちゃうと、人の感情ってこんな感じかも、、とも思わないでもない、、

只今上映中の「BLUE/ブルー」は私の絶賛作品です☆
大好きな吉田監督の15年前の作品、楽しかったです。



机のなかみ  2006年
監督:吉田恵輔
出演:あべこうじ、鈴木美生、坂本爽、清浦夏実、踊り子あり

大学受験を目前に控えた高校生の望(鈴木美生)は、家庭教師の馬場(あべこうじ)に勉強を教えてもらうことになる。同棲中の彼女(踊子あり)がいるにも関わらず、望の愛くるしさにすっかり参ってしまった馬場は、何かにつけて彼女の気を引こうとする。彼のアタックをかわしながら猛勉強を続ける望には、ある秘密があった。

17本目


泣く子はいねぇが

2021年04月17日 | 日本
大人になりきれない、すべての大人たちへ




大人になりきれない、娘が生まれても父親になり切れないたすく。
ラストシーンが最高に秀逸だった。
見つめ合ってお互いの葛藤がビシバシ伝わってきた後、、泣いた。
たすくはこれで変われたんだろうか、、いや、現実はそんな簡単に変わったりしない(私は知ってる、笑)

たすくは情のある子だと思うし、悪い子じゃない。だけど流されるし、決断力がなくて、どーしようもない。決定的な失敗はしたけれど、逃げちゃだめだよ、歯を食いしばって家族を守らなくちゃ。
ことねの冒頭の「ちゃんとしようよ」「なーんも考えてないっしょ」は強烈なセリフでしたね。
たすくの頼りなさが、はいはいって想像できたもん。吉岡里帆ちゃんの苦労が顔にでてるスッピンが印象的だった。

そもそも仲野太賀くんが観たくてという作品だったけど、上手いよねぇ、仲野太賀=たすく、としか思えない。彼の演技に大満足でした。

お父さんが録画してたのを見て爆笑する場面が大好き。
あれはごまかすために運動会のラベルを貼ったのか、運動会のテープに上書きしたのか(笑)

でもさ、親になるってどういうことなんだろうって話。
そういう日常を繰り返して、いつのまにか子供が育って、結果親になるんじゃないかなぁ。
たすく頑張って生きれ!

今作で是枝裕和監督、西川美和監督の制作者集団「分福」の存在を知りました。期待したいです。

  
⇒⇒ Radiotalk 映画『泣く子はいねぇが』 




泣く子はいねぇが  2020年  ☆☆☆☆
監督:佐藤快磨
出演:仲野太賀、吉岡里帆、余貴美子、山中宗、寛一郎、柳葉敏郎

秋田・男鹿半島のさびれた港町、娘が生まれたのにいつまでも父親の自覚を持てないたすく(仲野太賀)に、妻ことね(吉岡里帆)は愛想をつかしていた。大みそかの夜、「悪い子はいないか」となまはげたちが練り歩く街の様子を生中継していた全国放送のニュース番組に、全裸のなまはげが全力疾走する姿が映る。そのなまはげの正体は、妻との約束を守れず泥酔したたすくだった。

羊の木

2021年04月13日 | 日本

 

「ここはいい所ですよ、人もいいし魚も美味い」、、としか説明のできない、静かな港町・魚深。
きっと住んでる人には住み心地の良い町なんだよなぁ。

その町に6人の元殺人犯が国家プロジェクトとして移住してくる。
全員が「訳アリ」を絵に描いたような不穏そのものな雰囲気。
それを受け入れる市役所職員の月末(錦戸亮)が人の好さそうないかにも凡庸な感じで、不穏な人との挨拶が6回繰り返されて、怖いけど薄ら可笑しさのある始まりでした。

もう設定だけでおもしろいじゃん。
異質なものが入ってきた不協和音と、彼らの殺人の理由や背景がわかってきて、いつか何かの事件が起きるんじゃないかという不安感。
でも正直に言っちゃうと、月末にとって上司から命じられてこなしている業務で、公務員としての彼の働きぶりが普通で、妙に面白かった。
そこに好意を寄せていた幼馴染の文(木村文乃)が東京から戻ってきてさらに複雑で、錦戸くんの存在はこの作品において大きかった。

みんなおかしいといえばおかしい。
犯しちゃいけない罪を犯してるけど、今はぎりぎり踏みとどまって真っ当に生きていこうとしてる。

でも踏みとどまれない人も、、、たぶん彼も自分自身を説明できないんだろうな。それしか言えない。
表情がなんとも言えない、目の表情が独特で彼らしい名演でした(誰って言わないー、ネタバレだもん)

ラストは説明しがたい展開で、息をのみました。びっくりしたーー。

 

「羊の木」という不思議なタイトルは、「その種子やがて芽吹き、タタールの子羊となる」という引用が冒頭にあるんだけど、
昔ヨーロッパで木綿の存在が知られてなくて、羊が収穫できる植物があると伝わったということらしい。

清掃員として働く清美が「羊の木」が描かれた缶の蓋を拾い、それを大切に飾っていて、アパートの脇に魚や小動物の墓を作り、そこからひとつ芽吹いた芽があった。

あ~~成程な~って思ったんだけど、説明できない。
っていうか、受け取り方はたぶん人によって様々で、説明できないのかもしれないけど、、

私的にはね、ラストがものすごい衝撃だったわけですよ。現実にはあり得ない衝撃的なことが起きてるんだけど、次の場面では、月末がいつものように仕事してた。
バイクの文とすれ違って「ラーメン」って、、、(笑)
あ、この間話をしたラーメン屋にいくのかな?って、もしくは今度行こうよ!って意味なのかもしれない。

日常なんですよ、死ぬか生きるかの出来事があったのに、それでも生きていくし、生活は続くんですよ。
どんな凶悪な殺人者がいても事件が起きても、普通の日常がそれを飲み込んで、それでも人は生きていく。

なんか、私はそれに感動してしまった。
お墓から出てた新芽はそういう意味なのかなぁって。

 

追記、優香のエロさは別格でした☆

 

 

羊の木  2017年  ☆☆☆☆
監督:吉田大八
出演:錦戸亮、木村文乃、松田龍平、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯

刑期を終えた元受刑者を自治体が受け入れる新仮釈放制度により、閑散とした港町・魚深市に男女6人が移住してくる。市役所職員の月末一(錦戸亮)は彼らの受け入れ担当を命じられるが、移住者たちの過去を住民たちに知られてはならないという決まりがあった。やがて、全員に殺人歴がある犯罪者を受け入れた町と人々の日常に少しずつ狂いが生じていく。


BLUE/ブルー

2021年04月12日 | 日本

 

うりちゃ~~ん!!!
とりあえず観終わった後、そう叫びたくなる。
思った以上にボクシングの映画で、ボクシング愛が溢れてて、好き。

見たくないところをぐいぐい見せて突きつけて面白がって来る(褒めてます)監督がこんなじんわり染みる作品も撮るのね。
前作とのギャップ(笑)
吉田恵輔監督作品はほぼ傑作です、期待を裏切らない。私調べですけど。

負け続ける瓜田と、日本チャンピオン目前の後輩の小川、ボクシングやってる風を目指すモテたいだけの楢崎。

3人の話なんだけど、楢崎が結構な面白さで、あまり声を出して笑わない私が笑っちゃいましたね、彼がすごく良いアクセントになってた。
途中から日本チャンピオン目指す小川と並走して描かれる楢崎のトレーニング風景がツボだったんだけど、あれ?これって楢崎の映画だっけ?みたいな(笑)
カタルシスは彼にありましたね。面白かった。
ばーちゃんと歩きながら呟いた一言が最高だった。

主役なのに、うりちゃんが一番静かで穏やか。
負け続けても彼にはボクシングしかない。
でも観終わった後に心に残るのは、考え続けるのはやっぱり彼のこと。

終盤に描かれる彼の後ろ姿がね、
なんだろ、、、ものすごく切ないのに、いつものように微笑んでるのがわかる。
ボクシングを愛していることが伝わってきてジーンとする(泣ける)

エンドロールで吉田監督が、監督/脚本/殺陣指導と表記されてて、え?って思って、ボクシングにも殺陣指導があるんだなって知ったけど、そりゃそうだよね。
やみくもに闘えるはずがない。監督自ら拳闘シーンの殺陣指導まで担当した映画ってすごい。
今作がいかにリアルにボクシング映画であるかということがわかる。

そこだけでなく、編集も素晴らしくて、描かれるのはボクシングジムの日常なのにずーっと楽しく観られました。
木村文乃が本当にいいの。
うりちゃん、ずっと千佳が好きだったし、そのことをみんなわかってるよね。
わかってるけどわかってないことにする関係性が、むっちゃエモーショナルでした。

竹原ピストルさんのエンディング曲もぴったりで、あとからじわじわと好きになる、すんごい好きな作品です。

 

 

BLUE/ブルー  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:吉田恵輔
出演:松山ケンイチ、木村文乃、柄本時生、東出昌大

大牧ボクシングジムに所属する瓜田信人(松山ケンイチ)は、人一倍努力するも負け続きのボクサーだった。彼の後輩で日本チャンピオン目前の小川一樹(東出昌大)は、瓜田がひそかに好意を寄せる天野千佳(木村文乃)と交際し、全てを手にしたかに見えたが、脳の病が発覚し引退を迫られる。ある日、女性にモテたいという楢崎剛(柄本時生)がジムに現れる。


騙し絵の牙

2021年03月26日 | 日本

 

面白かった!!

原作未読、「騙し合いバトル 全員ウソをついている」のキャッチフレーズ情報のみで観ました。
予告編は忘れたほうがいいかも。

大泉洋さんを当て書きされた作品だそうですが、脚本が当て書きと思っていたら、なんと!そもそも原作が当て書きされたものと後で知って驚いて、さらに映画化にあたって大幅に改変されていて驚きまくりです。
原作に引っ張られてわかりにくくなる作品がたまにある中で、吉田大八監督流石です。

結果、超面白かった!!

ともかくテンポが良い、主人公速水のすることがことごとく冴えわたって上手くいくので楽しい。
そんな、出来すぎでしょ!っていう感想は、なしでお願いしたい(笑)
だってそれを言ったら面白くない。
若干チープな展開もあるけれど、二転三転する状況に、ほぇ~って言いながらついていくのが楽しいんですから。

出版業界の内情が垣間見えて興味深かった。
高野恵の実家の書店が懐かしくて、子供の頃近所にあったなぁあんな本屋さん。

最上級のエンタメ、出演者陣も贅沢、最初から最後までストレスなくずっと楽しめて、
ラストも気持ちよ~~く回収されました。

 

 

騙し絵の牙  2021年  ☆☆☆☆
監督:吉田大八
原作:塩田武士
出演:大泉洋、松岡茉優、宮沢氷魚、池田エライザ、木村佳乃、佐野史郎、佐藤浩市、國村隼

大手出版社の薫風社で創業一族の社長が急死し、次期社長の座を巡って権力争いが勃発する。専務の東松(佐藤浩市)が断行する改革で雑誌が次々と廃刊の危機に陥り、変わり者の速水(大泉洋)が編集長を務めるお荷物雑誌「トリニティ」も例外ではなかった。くせ者ぞろいの上層部、作家、同僚たちの思惑が交錯する中、速水は新人編集者の高野(松岡茉優)を巻き込んで雑誌を存続させるための策を仕掛ける。


アズミ・ハルコは行方不明

2021年03月23日 | 日本



これはね、とても面白かったんだけど、難しかった。

なんといっても時間軸がわかりにくい。行ったり来たり、もしくは同じ場面が繰り返されたり。
それが難しさの要因だけど、同時に疾走感と躍動感が増してテンポよく面白くなってる。

ハルコの職場の環境の最悪さはちょっと懐かしいというか(←おいおい)
私が20代の頃の職場の女子の環境って近いものがあった、結婚するまでの腰掛っていうか。
それにしても最悪で最低な上司なんだこれが。

強烈なのがフラッシュバックのように突如現れる女子高生集団。
無差別に男子をボコる。

これは原作者の山内マリコさんの怒りなんでしょうね。
最後は女子高生だけじゃない集団になってた(私もいるのかな?)面白い!!

高畑充希演じるアイナが、軽薄でハイテンションでヒドイ!イライラする!最高だった!!
走りまくってたね、パワーがあったわ。
ユキオ(太賀くん)学(葉山くん)と共に「キルロイ」として街にアズミハルコの捜索願の張り紙をして落書きしまくる。
アホや~、アホだけど、有り余ったエネルギー、高揚感が凄かった、無知な若さが鬱陶しい。

失踪しちゃうアズミハルコもたぶんよくわかってないんだろな。
曽我(石崎ひゅーい)に付き合いたいと懇願してた。
あんなつまんない奴でさえ、ここではないどこかへ連れて行ってくれるかもしれない男なんだ、、悲しすぎる嫌になる。

ハルコの同級生の今井が、キャバクラで働いてた時のアイナの先輩という3人の関係。
今井の娘と共に3人で海へ行こうと物語は完結する。

もうね、正直ここまでくると整理がつきません(本音)
つまらん男たちがいない世界、女だけでいるんだな、と思うけど、これは人によっていろんな解釈がありそうです。

私の素直な感想としては、アズミハルコは行方不明になってないし、失踪もしてない気がしてて、
でも彼女が暮らしてたところは、閉塞してて最悪だった。

そんなところからはさっさと行方不明になってしまえ!
自分らしく生きられるところで生きればいいんだ!
って、そういうことかなって、私なりの結論なのでした。

好き嫌いが分かれるかもしれない。私はお気に入りの作品になりました。




アズミ・ハルコは行方不明  2016年  ☆☆☆☆
監督:松居大悟
原作:山内マリコ
出演:蒼井優、高畑充希、仲野太賀、葉山奨之、石崎ひゅーい、菊池亜希子

地方都市在住で27歳独身の会社員安曇春子(蒼井優)は、実家で両親と高齢の祖母と猫のみーちゃんと共に暮らしている。祖母の介護でイライラしがちな母親のまき散らす険悪な雰囲気が漂う家は、彼女にとって安らげる場所ではなかった。一方、成人式で中学時代の友人ユキオ(太賀)と再会した20歳の愛菜(高畑充希)は、流れでつい体の関係を持つ。


あの頃。

2021年03月05日 | 日本

 

自身、かなりの大人になってからあるグループのファンになって10年、万難を排してライブ参戦してきた身としては、共感する部分あり、気恥ずかしさありつつ、総じて興味深く面白かった。
「好き」って最強だもんね、「好きなものがあって、人生で今が一番楽しい」って言葉には共感しかない。

チケットのご縁で初対面の方と並んでコンサートを見るシーン、あるあるだもんなぁ。
桃李くんがそもそもオタク要素のある人だもんね、あややに出会った瞬間の表情はこっちまで感涙しちゃった。

と、共感しまくってますけど、恋愛研究会の彼らのやってることがダメダメで笑っちゃいました。
中学10年生。
楽しそうなんだけど、男同志のおふざけが素直に受け入れられるかは人によるかもしれない。何度かあったトークイベントは原作者さんが脚本を書いていて実話ベースらしいです。白ブリーフ姿の彼にも感服したし。
ということで、そうですかと受け入れます←(笑)

下手に描くと痛くなるけれど、距離感も含め、そのあたりのイタさの描き方の加減が絶妙で、演出も演者も素晴らしかった。

松坂桃李くんの素晴らしさは言わずもがなだけど、コズミン役の仲野太賀くんがね、彼は嫌な役を演じるととことん嫌いになっちゃうくらいに嫌だもんね。でも嫌いになれない。流石です。
ラストは悲しくて切なかった。

永遠ってないのよね、いつかは卒業する。
今が一番幸せって思えるのが何よりです。

サルビアの花は何故かたま~~に思い出して口ずさむ歌。びっくりした。

 

 

あの頃。  2021年
監督:今泉力哉
脚本:富永昌敬
出演:松坂桃李、仲野太賀、山中崇、若葉竜也、芹澤興人、コカドケンタロウ

大学院受験に落ち、恋人もおらず、金もない劔(松坂桃李)。どん底の生活を送る中、松浦亜弥の「桃色片想い」のミュージックビデオを目にしたのがきっかけで、ハロー!プロジェクトのアイドルたちの熱狂的なファンになりオタ活に没頭する。藤本美貴推しで、プライドが高くてひねくれたコズミン(仲野太賀)をはじめとするオタク仲間と「恋愛研究会。」を結成し、トークイベントやライブの開催、学園祭でのアイドルの啓蒙活動に励む劔。だが仲間たちは、アイドルよりも大切なものを見つけて散り散りになっていく。

今泉力哉×劔樹人 映画『あの頃。』で描く「アイドルに捧げた大人の青春」


あのこは貴族

2021年02月26日 | 日本

 

静かだけどとてつもなく面白くて、台詞の説得力が素晴らしくて、記憶に留めておきたい会話がたくさんあった。

「東京は棲み分けができていて、同じ階層の人としか出会わないようになっている」

東京のあるエリアに住む人と、地方からきた東京に住む人。
ま、東京はほとんどが地方出身者でできてる街だとは思うし、貴族までとは言わないけれどそういう層の人は確実に存在する。
そして、華子と美紀は同じ時代に東京に暮らす同年代の女性なのに、まったく違う世界で生きている。

さらに政治家を世襲するべく環境に生まれた青木幸一郎が登場して、でも幸一郎もこう生きなければならない、という息苦しさの中でそれを甘んじて受け入れていて、それぞれが選択した道を否定する気持ちにはない。

そういう現実を描いたうえで、どう生きるかを描いていて、
さらに魅力的なのは、どちらの世界が良いのかという比較をしているわけではないこと。
分断を描きたいのではないことが気持ちよくて、たとえば華子の友人のヴァイオリニストの逸子の「女を分断するもの」に対して意見には共感しまくりで、映画館でひとり心の中で頷いてました。

門脇麦と水原希子のキャスティングが絶妙したよね。
全然違う役なのに、役を逆転したとしても成り立つような気もする。
二人が実力のある俳優さんだからということはもちろんあるけれど、たまたま生まれついた家庭の環境に違いがあるということだけで、華子と美紀は自分の意志で歩んで居場所を見るけられる女性だということ、何も違いはない。
そういう意味のような気がした。

「東京はみんなの憧れで作られている」
東京駅を見下ろしながら二人で交わした会話が素敵だったな☆

優しい気持ちなる作品でした。

 

⇒⇒ “いつでも別れられる”ってすごく大事。自尊心を見失わず、生きたい場所で生きていく。
映画『あのこは貴族』監督と語る私たち。

 

 

あのこは貴族  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:岨手由貴子
出演:門脇麦、水原希子、高良健吾、石橋静河、山下リオ

都会に生まれ、箱入り娘として何不自由なく育てられ、「結婚=幸せ」と信じて疑わない華子。結婚を考えていた恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされてしまう。気が付けば 20代後半、名門女子校の同級生たちの結婚、出産の話を聞くたびに焦りが増すばかり。あらゆる手立てを使い、お相手探しに奔走した結果、ハンサムで良家の生まれである弁護士・青木幸一郎と出会う。幸一郎との結婚が決まり、幸せが叶えられたかに思えた。一方、東京で働く美紀は富山生まれ。猛勉強の末に慶應大学に入学し上京したが、学費のために夜の世界も経験したが、中退。恋人はなく、仕事にやりがいを感じているわけでもなく、都会にしがみつく意味を見いだせずにいた。


ヤクザと家族 The Family

2021年02月12日 | 日本



見ごたえたっぷり!の136分!凄かった!
いろいろ凄かったんだけど、一番凄かったのはなんといっても
   綾野剛が凄かった!

1999年。2005年。2019年。の三つの時代の物語。

第一幕は父親を薬物で亡くし、どこにも行く場がない賢治が、柴咲組組長に出会いヤクザに世界に入るまでの話。
いきなりのフルスピード展開からのタイトルバック、、、痺れるオープニングでした。
賢治もボロボロ泣いてたけど、舘ひろしの包容力に私も心からホッとしたもん、地獄に仏ってこれなんだと思った。



2005年の第二幕は、賢治が柴咲組の中に「家族」として居場所や絆を見出しながらヤクザとして生きる話。

そして2019年、第三幕。
普通に働いて、家族を作って、平凡に暮らしたいけれど、反社会的勢力と呼ばれ、携帯電話も契約できない、銀行口座も開設できない。時代の流れのなかで居場所を失って社会から排除されていく。行き場所のない存在。

そして憎しみも連鎖していく。

あぁこういう結末なのね。
絶望のまま終わるのかと思ったら、、、、まさかの、、、涙。

よかった。。。。(感情だけお伝えしてます)

賢治は自ら憎しみの連鎖を断ち切っていったんだね。
悲しい人生だったけど、次の時代にちゃんと何かを残したんだと思えて、あのラストに本当に救われました。



小学生だった翼が22才の磯村くんになって登場。
綾野剛が唯一無二の俳優として圧倒的な存在感なんだけど、磯村勇斗も間違いなくセンセーショナルで希望でした。
眩しかったわ。

今年ベスト級!!って言いたい作品目白押しな2021年です。



ヤクザと家族 The Family  2021年  ☆☆☆☆☆
監督: 藤井道人
出演:綾野剛、舘ひろし、尾野真千子、北村有起哉、市原隼人、磯村勇斗、寺島しのぶ

1999年、覚せい剤が原因で父親を亡くした山本賢治(綾野剛)は、柴咲組組長の柴咲博(舘ひろし)の危機を救ったことからヤクザの世界に足を踏み入れる。2005年、ヤクザとして名を上げていく賢治は、自分と似た境遇で育った女性と出会い、家族を守るための決断をする。それから時は流れ、2019年、14年間の刑務所暮らしを終えた賢治だったが、柴咲組は暴力団対策法の影響で激変していた。

すばらしき世界

2021年02月11日 | 日本



西川美和監督、役所さん、太賀くんですからね、楽しみに待ってました。
公開初日一本目で鑑賞いたしました。

映画タイトルがあそこで出るとはね、参りました。
そして「すばらしき世界」の意味も、超~~納得です。

堅気の世界と無縁に生きてきた、真っ直ぐな性格と不器用極まりない三上を演じる役所さんのパワーたるや、、もー最高です。
そんな役所さんとがっつりタッグを組んだ太賀くんも良かったねー。

レールから外れた人に不寛容な世の中ではあるけれど、三上に降りかかる問題は、結局は彼自身が起こしているとも言えるわけで、ハラハラするわー、家族だったらたまったもんじゃない。でも彼はそういう世界しか知らないからそうならざる得ない人生を過ごしてきてしまった。

堅気になって真っ当に仕事をして暮らしたいと願い、必死に行動する三上だから、理解してくれる人いたんだよね、そんな世界に戻ってこられて良かった。

生まれ育った施設で思い出を共有できたことで、自己の拠り所にふれて落ち着いた気がして、五十男の三上が可愛くて応援したくなる。
「元に戻らないでくださいね」の言葉も泣いた。津乃田の人生もちょっと知りたい気持ちになりました。

キムラ緑子さんが言ったセリフがすべてだったなぁ、いいセリフだった。

応援してくれる人がいるから頑張れるんだよね。
でも応援の仕方が力入ってなくていいんだよね、「今日は孫が来てるからまた」って、、、(笑)

彼はすばらしき世界に戻ってこれたんだよね、悲しいけど良かった。
ラストの余韻がすばらしいです。



すばらしき世界  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:西川美和
出演:役所広司、仲野太賀、六角精児、北村有起哉、長澤まさみ、梶芽衣子、橋爪功

下町で暮らす短気な性格の三上(役所広司)は、強面の外見とは裏腹に、困っている人を放っておけない優しい一面も持っていた。過去に殺人を犯し、人生のほとんどを刑務所の中で過ごしてきた彼は、何とかまっとうに生きようともがき苦しむ。そんな三上に目をつけた、テレビマンの津乃田(仲野太賀)とプロデューサーの吉澤(長澤まさみ)は、彼に取り入って彼をネタにしようと考えていた。

花束みたいな恋をした

2021年02月06日 | 日本
早くも 今年度 ベスト級の面白さ☆



花束みたいな恋をした、、した、、そう過去形なんですよ、終わっちゃった恋の話。
出会ってから別れるまで5年間の話。特別な物語じゃない。
でも映画館の帰り道、余韻を楽しみながら、心に花束を抱えたような華やかで清々しい心地良さだった。

おととい観たんですけど、なんて表現したらよいか、
なんかね、まだ麦と絹がいるんですよね、このへんに、、たまに思い出す。
鑑賞中も没入感が凄かった。
自然でリアルで、
いや! 菅田将暉と有村架純がラブラブな世界なんてリアルなはずない夢だ夢!(笑)
なんだけど、まるで経験したかのように、幸せな恋愛を思い出すし切ない。
(だからあなたの話じゃないって!)

そんな感じ。



サブカル好きな二人が出会って、趣味趣向が同じで、運命の人っているんだなってくらいに楽しい毎日。
いろいろ出てくる固有名詞は人によっては無茶無茶刺さる人もいるだろうし、
私的には一部刺さるくらいだったけど、
それでもそんな会話をする二人の楽しさは十分伝わってきた。
出会いの場のトイレットペーパーふた袋は微笑ましくて可愛かった。

でも暮らしていくうちに生じ始めるすれ違い。
暮らしていくってそういうことなのよ、十分すぎるくらいに大人になったから私にはわかる。

今はそれぞれ必要なことを頑張って、何十年かしたらまた二人で楽しめる日々はやってくるよ、
最後のファミレスの場面で声を大にして伝えたい気分になったけど、
それもね、縁なんですよ。
そう結婚ってタイミングと縁なのよ。
(なんか感想じゃない超ひとりごと状態です)

冒頭の場面を見事に回収するラストシーン。
さっき胸がぎゅーーっとなってまだ苦しかったけど、明るい未来があって嬉しい。

パンデミックが始まるまでの5年間なんだよね、コロナ渦で麦と絹はどうやって暮らしてるのかな。
ふと考えたりしてます。

菅田くんと有村架純ちゃんが最高でした。
坂元脚本の面白さと土井裕泰監督の最高の組み合わせも、ありがとうございました。




花束みたいな恋をした  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:土井裕泰
脚本:坂元裕二
出演:菅田将暉、有村架純

ある晩、終電に乗り遅れた大学生の山音麦(菅田将暉)と八谷絹(有村架純)は、東京・京王線の明大前駅で偶然出会う。お互いに映画や音楽の趣味がよく似ていたこともあり、瞬く間に恋に落ちた二人は大学卒業後、フリーターとして働きながら同居を始める。ずっと一緒にいたいと願う麦と絹は、今の生活を維持することを目標に、就職活動を続ける。

ジョゼと虎と魚たち

2021年01月14日 | 日本


今年一本目を何にするか、、、しばし迷った結果アニメ。という私的には珍しい選択となりました。

実写版が大好きなんですよ!
「ジョゼと虎と魚たち」 
⇒⇒ ジョゼと虎と魚たち 2003年

田辺聖子さんの原作だということも当初は知らなくて、
映画作品として妻夫木くんと池脇千鶴のジョゼが私の中で完成されてたんですけどね、
評判がよさそうなので、ちょっと観てみようかと思いました。

ジョゼと恒夫が坂道で出会って、おばあちゃんが死んじゃって足の悪いジョゼが独りになるという設定はほぼ同じなんだけど、
似てて非なるもの、似てるけどかなーり違うもの、なので実写版との比較は意味がない気がします。
だってジョゼのおばあちゃん、お金を残してくれたからしばらくは暮らすのに困らないって言ってた。
川沿いに建ってる家は古いけど素敵で、これは相当違うお話になるよね、そりゃ。

大学生の恒夫には夢があって、そのために勉強もバイトも全力で頑張ってる。
ジョゼは絵を描くことが好きで海を描く毎日だけれど、それを仕事とすることは「夢」であると諦めている。
今回登場した「自作の絵本」という新たなツールが素敵で、ちょとだけ涙しました。
二人の出会いと恋愛の物語であると同時に、夢にどう向かっていくか、という物語でしたね。

でもそのなかにちゃんと、ジョゼのエピソードと虎と魚たちのエピソードが原作通りに盛り込まれてて面白かった。
二人がキスした後の会話も、原作から引用されてるんですよね(原作は体を重ねたあとの会話だけど)

あまりにも有名な「ジョゼと虎と魚たち」、今回は原作を読んでみたんだけど、30ページくらいの短編小説なんですよね。
だからこそ映画作品として自由に膨らませることができる、これはまさに原作の力だなと思いました。



ジョゼと虎と魚たち  2020年
監督:タムラコータロー
声優:中川大志、清原果耶

幼いころから車椅子生活で一日のほとんどを家の中で過ごしているジョゼは、ひょんなことから海洋生物学を専攻する大学生の鈴川恒夫と出会う。卒業後に留学すべくアルバイトに精を出す恒夫は、ジョゼの祖母からあるアルバイトを依頼される。自分の話し相手となった恒夫にジョゼは毒舌をふるうが、彼はひるむことなく率直に向き合い、やがて二人は心の距離を縮めていく。

おらおらでひとりいぐも

2020年11月26日 | 日本


感想が難しいな、、、、

予告編では、桃子さんの脳内から登場した寂しさ1、2、3が賑やかで楽しそうだし、
原作者の若竹さんのインタビューを読めば、これは私の話だ!としか思えなくて観に行ったわけです。
さらに主演は田中裕子さんですよ、若い頃が蒼井優さん。これは観なくちゃ!、、、と。

シュールさ満載ではあったけど、意外と普通な、、、
そう75才の一人暮らしにそんな劇的なことなんて起きないんです。そりゃそうだ。
誰に何にせかされることなく暮らしていると、そりゃもーのんびりしてます、そして毎日同じことの繰り返し。

息子や娘との関係性も微妙だけどそこはサラっと、だいたいどこの家だってなんだかんだあるもんね。
若い頃を思い出して思うところあっても、物語に大きな展開はなく、すべては桃子さんの思考のなかのことで、
だからね、だからある意味とてもリアル。
シュールでファンタジーっぽけど、とてもリアルだなと感じましたね、はい。

東京オリンピックの年にお見合いを嫌がり故郷を飛び出した桃子さん。
新しい女として生きるつもりだったのに、結局誰かのために生きる人生を送り、気が付けば自分ひとり。
なんかもー、私の話だわ(注、夫は存命)

「周造を亡くして死ぬほど寂しかったけど、自分の翼で羽ばたける気がして自由になった」
そのあたりをもっと実感したかったけど、桃子の脳内世界の物語なので、どうしても語り口調になりがちなんでしょね。

腰にモーラステープを貼る姿、ゴキブリとバシッと闘う場面。
味噌おにぎりのデカいこと!
あんなでかいの食べられる?周造さん背が高いから大食いだった?とか想像しちゃった。
図書館での司書さんとのやりとり。
朝起こしに来る桃子さんの脳内から登場したマイナス思考のおじさんはナニ?(笑)
自分が老けることより娘が老ける方がショック、、って言ったときは吹き出しそうでした。
そういう何気ない日常の風景が面白くて、観終わってからもいろいろ思い出します。
桃子さんの心の声が蒼井優さんだったのも良かったなー。

以上、総じて面白かったです。

余談ですが、桃子さんの家がまあまあのご近所で、ちょっとだけ親近感でした☆



おらおらでひとりいぐも  2020年
監督:沖田修一
出演:田中裕子、蒼井優、東出昌大、濱田岳、青木崇高、宮藤官九郎、田畑智子
原作:若竹千佐子

1964年、日本中に響き渡るファンファーレに押し出されるように故郷を飛び出し、上京した桃子さん。あれから55年。結婚し子供を育て、夫と2人の平穏な日常になると思っていた矢先…突然夫に先立たれ、ひとり孤独な日々を送ることに。図書館で本を借り、病院へ行き、46億年の歴史ノートを作る毎日。しかし、ある時、桃子さんの“心の声=寂しさたち”が、音楽に乗せて内から外から湧き上がってきた!孤独の先で新しい世界を見つけた桃子さんの、ささやかで壮大な1年の物語。