きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

モリのいる場所

2020年11月14日 | 日本


そこが世界のすべて、小宇宙。
居心地よさそう。
蟻も、トカゲも、蛙も、葉っぱも、石も、鳥も、人間も、吹く風さえも、そこに住む同等の住人なんだろうな。

タイトルの「モリ」とは洋画家・熊谷守一さんで、実在の方なんですね。

後で調べたら、シンプルで素朴な絵を描かれてるけど、
若い頃は闇の深い絵も描かれてて、
お子さんの5人のうち、3人を赤貧で亡されてて、
いろんな経験を経て晩年をあの庭で過ごされてたんですね。

山崎努さんと樹木希林さん、名優お二人の佇まいだけで惹きつけられます。
お手伝いさんの池谷のぶえさんも素敵でした。

食事シーンが素晴らしくて美味しそうで、生きることは食べることだなって思う。
みそ汁のアゲははさみで切って、ウインナーはペンチでつぶして、
笑っちゃったけど、年とってもあんなふうに毎日豊かに美味しそうに食事をして生きていきたい。

モリが「みんな、学校がなくていいな」って言ったので、学校って何だろうって思ったら、画室のことだったみたい。
おくさんに「ほら」ってせかされて、普通の家庭の会話が可愛らしい。
ドリフのコントとか、ジュリーとか、宇宙人でさえも許容するもんね、遊び心が満載でした。

余談ですが、エンドロールで林与一さんの名前を見つけて、どこに出演されてたのかと思ったら、
なんと冒頭の昭和天皇を演じてらっしゃったみたいで、びっくりしました。



モリのいる場所  2017年 
監督:沖田修一
出演:山崎努、樹木希林、池谷のぶえ、加瀬亮、吉村界人

画家の守一(山崎努)は、草木が生え、いろいろな種類の生きものが住み着く自宅の庭を眺めることを30年以上日課にしていた。妻と暮らす守一の家には、守一の写真を撮る若い写真家の藤田、看板を描いてもらおうとする温泉旅館の主人、隣人の夫婦など、来客がひっきりなしだった。

⇒⇒ シネマドリ

罪の声

2020年11月14日 | 日本


昭和の未解決事件、グリコ森永事件をモチーフにした作品。
最高に面白かった!

言い方に語弊があるかもしれないけれど、最高の社会派エンタメドラマ、しかも何話もあるようなドラマを観終わったようなずっしり感ありましたね。もしくは良質な長編小説の読後感のような。
映画を観終わった感想としては適切じゃないのかもしれないけど、2時間20分でこれだけの濃密なものを観たんだという驚きがありました。

社会的事件を暴く物語ではあるんだけど、犯罪に声を利用された3人の子供たちの物語を絡めているところが今作の肝で、そこがね、泣けましたわ。
社会に対する怒りや不満に対する主義主張はあるとして、そのことで子供が巻き込まれていく不条理。現実にテロ事件が世界で頻発し子供が巻き込まれる現実があるわけで、そこへ思いを馳せ、子供たちの未来を願う気持ちが込められている。

前半は取材により次々と明らかになってくる登場人物の多さに、把握するのが大変だったけど、テンポが良かったし、出てくる人たちが妙に懐かしかったり、脚本家の野木さんゆかりの俳優さんがたくさんでちょっと楽しかった。
3人の子供たちの行く末の話になってきたら、もう完全に物語に引き込まれました。

最初は新聞記者の阿久津からの視点と、テーラーを営む曽根の視点と両方から始まったんだけど、途中で合流してバディもののような展開になったのも良くて、事件をエンタメのように記事にすることに疑問を感じて社会部から離れた阿久津と、地道にテーラー店を営む職人の曽根の対比も面白かった。
脇を固める俳優陣が素晴らしかったのはもちろんですけど、小栗旬と星野源の二人が最高でした。

凪のお暇 獣になれない私たち アンナチュラル 逃げ恥 重版出来 etc.
大好きなドラマばかり。
誰もが知る良質なドラマ作品を作り続けてきた脚本家 野木亜紀子さんと、土井裕泰監督の作品。さらに原作も面白いとなると、これはもう観るべきでしょ、とお勧めしたい作品。

エンディング曲もしみましたわ。この曲でまたまたぐっと来ます。



罪の声  2020年  ☆☆☆☆☆
監督:土井裕泰
原作:塩田武士
脚本:野木亜紀子
出演:小栗旬、星野源、松重豊、古舘寛治、市川実日子

新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、昭和最大の未解決事件の真相を追う中で、犯行グループがなぜ脅迫テープに男児の声を吹き込んだのか気になっていた。一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)が父の遺品の中から見つけたカセットテープには、小さいころの自分の声が録音されていた。その声は、かつて人々を恐怖のどん底に陥れた未解決事件で使用された脅迫テープと同じものだった。


劇場版「鬼滅の刃」無限列車編

2020年11月10日 | 日本



原作もTVアニメも未見。そもそもアニメを観ない夫と私二人で観てきました。
映画館の入り口のポスターはずら~~~と全部「鬼滅の刃」でした、凄まじい人気です。

大正時代が舞台。竈門炭治郎は鬼に家族を惨殺され、鬼になった妹・禰豆子を人間に戻すための旅に出る、という前情報のみ。
初見でも楽しめる、誰かのそのひとことを信じて、そしてIMAX初体験、それも楽しみでした。

開始早々、意外とコミック要素があって、いかにもな漫画的なタッチになって、ちょっとこれは没頭できないかも、、と不安になったけど、大丈夫。
このイノシシの顔した人は人間じゃない?妖怪?などと思いながらも、次第に没頭できました。(あれは被り物なのね)
禰豆子が箱に入っている理由もちゃんと理解できたし、
原作が漫画だからか、もしくは初見者に優しいからなのか、会話が多くて説明過多なところがあるのでわかりやすかった。
もうちょっと余白があっても良かったですけどね。

各々のキャラクタも際立ってて魅力的でした。
特に煉獄さんは男気があって母親とのエピソードに泣かされました、炭治郎かと思ったらこれは煉獄さん物語でしたね。
初見でも十分楽しめました。

IMAXで観て大正解。
戦闘シーンの映像はド迫力で綺麗、お腹に響く音響が素晴らしかった。

それにしてもビッグウェーブに乗ったなぁって思いますね。

劇場版単体じゃなくTVアニメ含めての感動もあるはず、今からでも観てみようかなぁと思わせる面白さでした。



劇場版「鬼滅の刃」無限列車編  2020年
監督:外崎春雄
原作:吾峠呼世晴

蝶屋敷での修業を終えた“鬼殺隊”の竈門炭治郎は、短期間で40人以上が行方不明になった“無限列車”を捜索する任務に就く。妹の竈門禰豆子を連れた炭治郎と我妻善逸、嘴平伊之助は、鬼殺隊最強の剣士“柱”のひとりである炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を進む無限列車の中で鬼を相手に戦い始める。

チチを撮りに

2020年10月23日 | 日本



家族を描いたらピカイチの中野量太監督作品をもうちょっと観てみようと思いまして、2012年の「チチを撮りに」
監督の色がしっかり出てて、そしてやっぱりなハートウォーミングさでした。
面白かった。

「湯を沸かすほどの熱い愛」の宮沢りえお母ちゃんと同様に、渡辺真起子お母ちゃんも肝が据わっててかっこいい。
自分の尺度で生きる強さがある、誰に頼ることなく自分の足で立ち、真面目にしっかり暮らしてる。
だからあんないい子が育つんだな。
お母ちゃんの逞しさが娘たちに受け継がれてる。

女を作って去っていった父は酷いんだけど、きっと引っ張られるとそっちに行っちゃう優しい人だったんだろうな。
だって迎えてくれた父の弟さん、あぁ兄弟だなぁっていう優しさがあって、やっぱり奥さんに引っ張られてるっぽい。
(っつか、旦那が頼りないと奥さんは必然的に強くなるんだなと思ったりもした)

でも家族に愛されてたのは葬儀の様子から想像できる。
ひとり残された息子もなんだかわかんないくらいいい子でね、お父ちゃん似なのかな我慢する子なのかも。

出てくる人みーんないい人だった。
川に落ちた靴を釣り竿で取ってくれる青年たちもいい子だった。
さらに昼キャバに来るサラリーマンのあいださんまでいい人に見えてくるというのはなんでだろう、、(笑)

父とチチとか、マグロのくだりとか、これはご愛敬ってことで。
ここにお父ちゃんがいるから、お墓参りはいいねって考え方、突飛だけど嫌いじゃないです。





チチを撮りに  2012年
監督:中野量太
出演:柳英里紗、松原菜野花、渡辺真起子、滝藤賢一、小林海人

14年前に父親が出て行ってから、葉月(柳英里紗)と呼春(松原菜野花)の姉妹は母の佐和(渡辺真起子)と3人で暮らしている。ある日、音信不通だった父が末期がんで死の床にあるという知らせが入り、2人は母に見舞いに行ってお別れしてくるようことづかる。彼女たちはしぶしぶ出掛けて行くが、道中で父の訃報を知り途方に暮れる。

長いお別れ

2020年10月21日 | 日本

 

中野量太監督の「湯を沸かすほどの熱い愛」は余命2か月のお母さんの話。
現実的ではないところもあったけど力技でぐいぐいと泣かされたんだけど、
今回は父が認知症になった「long goodbye」7年間の話、対極ですよね。でもどちらも本当に泣かされる。
  ⇒⇒ 湯を沸かすほどの熱い愛
「浅田家」もしかり、いろんな切り口がありつつ、家族を描いたらピカイチの監督なんだと改めて感じました。

冒頭の遊園地のシーンがラストに繋がる。
お父さんが帰りたかったところはそこだったんだなぁ。

日々の暮らしはずっと続くような気がしてるけど、実は家族そろって暮らせる時間には限りがあって、過ぎ去ってから気が付く。
何でもない毎日がかけがえのないもので戻りたい場所だってこと、だからあのシーンは胸の奥で心がぎゅーっとなる。

「お父さん、繋がらないって切ないね」

「お父さんとお母さんみたいになりたかった」

姉妹は父に話しかける。
応えてくれるわけではないけれど、過去の父が、その存在が彼女たちを励まし、力を与える。
泣けるよね、、

そしてちょっと天然だけどどんなときもユーモアとともに明るくいてくれる松原千恵子お母さん。お母さんがなにより素敵だった。

お姉ちゃんは優しい人で、何年も暮らしてるのに英語を覚える気がないとか
のんびりしててちょっとお母さん似なのかな?、、って思ったり、
そうしたら妹はお父さん似(教師にならなかったことを負い目に感じてる)かな。

思い通りにならないことが多くても、みんな必死に生きている。
お父さんが育てた娘たちはきっとこれからも頑張るよ。
良い映画でした。

 

 

長いお別れ  2019年  ☆☆☆☆☆
監督:中野量太
出演:蒼井優、竹内結子、松原智恵子、山崎努、北村有起哉、中村倫也

2007年、父・昇平(山崎努)の70歳の誕生日で久々に帰省した長女の麻里(竹内結子)と次女の芙美(蒼井優)は、厳格な父が認知症になったことを知る。2009年、芙美はワゴン車でランチ販売をしていたが、売り上げは伸びなかった。麻里は夏休みを利用し、息子の崇と一緒に実家へ戻ってくる。昇平の認知症は進行していて、「帰る」と言って家を出る頻度が高くなっていた。


ミッドナイトスワン

2020年10月10日 | 日本



なかなかの衝撃作でした。
LGBTの話ではあるけれど、それだけではない、観終わった後いろんな話をしたくなる。

バレリーナの話であることがいいなぁっ思った。
凪沙はニューハーフショーでバレエを踊っている。いわゆる、、なんていうか芸術性とは違うというか、、(言葉を選ぶ)
だから真夜中の白鳥なんだけど、でも本当は誰にでも綺麗って言われる白鳥になりたかったんだよね。
そこに、親戚の子で類まれなバレエの才能を持つ一果が登場する。
そこの対比の面白さよね。

でもなんといっても特筆は、親や親せきにも自分のトランスジェンダーをひた隠しにして生きてきた凪沙の孤独。
この作品はそれに尽きる。
望まなくても夜の世界しか彼女の生きる場所はなかった。
望まない性で生まれ、生業も選べない、「どうして私だけ、、」って泣きたくもなるよね。

閉塞だらけで生きてきた一果が言葉を出せずに自らの腕に噛みついた姿を見た瞬間に、自分を感じたんでしょうね。
二人が寄り添って暮らす姿につかの間ホッとしました。

母性というキーワードが使われるけど、私的にはちょっと印象は違う。
一果はネグレクトで実母に見放されたかというとそうではない気がするし、実母に対して凪沙が母になりたいと思ったかというとそれも違う気がする。
外国特派員協会の記者会見で草なぎくんが「何かを育てることは男性も女性も変わらない」と答えていたけれど、それが一番しっくりくる。
一果に自分の夢を重ねたのは間違いないだろうし、それが彼女の幸せだと信じてたんだと思う。

性転換手術とその後がリアルだったので驚いたけれど、生田斗真くんが演じた
『彼らが本気で編むときは、』を観たときに、手術後のケアのことを知って、なるほど大変なんだと思った記憶があるけれど、それはもう生半可なことじゃない。

最初の場面とラストが対になってるのよね、凪沙の命が一果に継承されてる。
生きた証ってそういうことかもしれないと、切なく、悲しく、凪沙を思ったラストでした。

ただラストのシーンは凪沙に見守って欲しかった。
親友の時もそうだったように、一果は感の鋭い子だからその姿を絶対に感じてたよね。




ミッドナイトスワン  2020年  ☆☆☆☆☆
監督:内田英治
出演:草なぎ剛、服部樹咲、 水川あさみ、田口トモロヲ、真飛聖

新宿のニューハーフショークラブのステージに立っては金を稼ぐトランスジェンダーの凪沙(草なぎ剛)は、養育費を当て込んで育児放棄された少女・一果を預かる。セクシャルマイノリティーとして生きてきた凪沙は、社会の片隅に追いやられる毎日を送ってきた一果と接するうちに、今まで抱いたことのない感情が生まれていることに気付く。

浅田家!

2020年10月10日 | 日本



初日に舞台あいさつ中継付きで鑑賞してまいりました。浅田家!
面白かった!
実在する家族の話なんだもんね、
そもそもな浅田家がユーニクで、逞しいお母さんと優しいお父さんと、子供たちもいい子たちなんだよな~。
お兄ちゃん!浅田家はお兄ちゃんがいるから浅田家なんだよ!と褒めてあげたい!(笑)

カメラで撮って写真としてアルバムにした家族写真。
たまにみんなでワイワイ言いながら観る風景を思い描くよね。
わが家にもずっしりと重いそれはあるけれど10年くらい前までで、今はスマホで撮るし、写真はフォルダに収納されてる。

家族写真を通して家族に思いを馳せる、誰にでも経験のあることだから、ちょっとセンチメンタルな気分にもなる。
そして、登場人物が心優しい人ばかりで間違いないハートウォーミングさ。
震災の話、人々の善意の気持ちを素直に感じる描き方が良かったですよね。
穏やかな優しい気持ちになる。

俳優さんたちが芸達者ぞろいで、ニノと妻夫木くんと菅田くんですよ、なんと豪華な出演者。菅田くんの大学生役が普通でそれがまたびっくりで贅沢、平田満と風吹ジュンのご両親も、黒木華の恋人も素晴らしくて、安心して身をゆだねられる作品でした。




浅田家!  2020年  ☆☆☆☆
監督:中野量太
出演:二宮和成、妻夫木聡、平田満、風吹ジュン、黒木華、菅田将暉、渡辺真起子

家族を被写体にした卒業制作が高評価を得た浅田政志(二宮和也)は、専門学校卒業後、さまざまな状況を設定して両親、兄と共にコスプレした姿を収めた家族写真を撮影した写真集「浅田家」を出版し、脚光を浴びる。やがてプロの写真家として歩み始めるが、写真を撮ることの意味を模索するうちに撮れなくなってしまう。そんなとき、東日本大震災が発生する。

キセキ ーあの日のソビトー

2020年09月30日 | 日本



GReeeeNのメンバーを演じる4人が良かったっすねー、
勢いのある若手イケメン俳優が勢揃い!!!!
あんなにも雑念のない真っ直ぐな詩と曲を作る人はきっとこんな感じの好青年なんだろうなぁって素直に受け入れました。
横浜流星くんなんてちょっとちっこくて(あの中では)控えめなイケメンさんで雰囲気全然違う。
みんな可愛かった。

これは実話なんですよね。
実際にお兄さんはインディーズバンドから音楽プロデューサーに転身したの?
で、クローゼットで録音したの?
面白いわー。
現実としてはとっても面白いんだけど、
だからこその予定調和さがあって、物語として単調になるのは致し方ない。
でも、曲の素晴らしさがぜーーんぶもっていって、ワクワクと楽しく観られました。流石です。





キセキ ーあの日のソビトー  2017年
監督:兼重淳
出演:松坂桃李、菅田将暉、横浜流星、成田凌、杉野遥亮、野間口徹、麻生祐未、小林薫

厳格な父の反対を押し切って音楽の道に進んだジン(松坂桃李)だったが、なかなか思うようにいかない。あるとき、父の期待に応え歯科医を目指していた弟のヒデ(菅田将暉)と仲間に音楽の才能があることに気付き、彼らに自分の夢を託す。そして、歯科医を目指しつつ音楽も諦めたくないということを父に言い出せない兄弟は、顔を出さずにCDデビューしようと考える。

ここは退屈迎えに来て

2020年09月29日 | 日本



どうだった?って聞かれて、面白かった!と言い切れないけれど、
好きか嫌いかと言われたら、好きな作品でありました。

冒頭、様々な人が車を走らせる映像が続いて、年代も行ったり来たり、長回しで退屈。
ま、そもそもタイトルがここは退屈だって言ってるんだからそういうことなのかと思ったけど、
全員が出揃ったころには掌握できたし、そんなに複雑ではなかった。

何者かになりたかったけどなれなかった人の話だったら、もうこれは観ている人ほとんどが「自分の話」なわけですよ。
都会じゃない街で暮らす毎日や、記憶にある放課後の景色、さびれたゲーセン、話かけられるだけでドキドキした男子。
そこから10年後の20代後半の自分。
誰も迎えには来ないんですよ、ねえ。
いつの間に何かを待つことも忘れてた。人生ってそんなもん。
ぜーんぶひっくるめて懐かしい自分のものがたりでした。

主人公は「私」なんですよね、名前がない。
ラストに名前に絡む場面があるんだけど、切ない、っつーかそうですか、、ってプチ絶句、のちそんなもん(笑)
あそこが絶妙だったな。

高校生のキラキラした椎名くんと、「つまんない男よ」って言われる椎名くん。
どちらもぴったりでした、成田凌くん。
成田凌くん目的の鑑賞でございましたが、「愛がなんだ」カップルの岸井ゆきのちゃん、結ばれて良かったねーだったし、「勝手にふるえてろ」の二くん(渡辺大知)もいて、なんか得した気分でした~☆




ここは退屈迎えに来て  2018年
監督: 廣木隆一
出演:橋本愛、門脇麦、成田凌、渡辺大知、岸井ゆきの、内田理央、柳ゆり菜、マキタスポーツ、村上淳

27歳の“私”(橋本愛)は10年ぶりに東京から故郷に戻ってきた。実家に住みながらフリーライターとしてタウン誌の記事を書いて生計を立てるが、親にはフリーターのようにしか思ってもらえない。ある日、再会した高校時代の友人と、サッカー部のエースで憧れの存在だった椎名くん(成田凌)の話題になり、彼に会いに行くことになる。一方、東京に畏怖を抱くあまりに地元から出られずにいる椎名の元恋人の“あたし”(門脇麦)は、彼と過ごした青春時代の思い出が脳裏に焼き付いていた。

ニワトリ★スター

2020年09月23日 | 日本



成田凌が「楽人を演じるのはボクしかいない!」と言い切ったのなら、、観るしかないっしょ、うん。
過激であるという話を漏れ聞いたので若干迷いつつ鑑賞、ずっと気になってた作品でした。
賛否両論はあるはず、でもエネルギーが溢れまくっててクソみたいで、熱くて、私はこういうの好き。

全身タトゥーに赤髪のモヒカンの楽人はもう「ボクしかいない!」
痩せて尖って何かを抱えながら全部諦めてる風でもあり、何にも納得してなさそうでもあり、彼を観るだけでも価値あり。

前半はすんごかった。エロとグロと暴力で悪趣味すぎて、全然ダメな人はダメなやつ。
比較的平気な私でさえ、辛すぎて目を覆ってやり過ごすシーンもあった。
正直しんどかった、私がここまでしんどいのは稀有だわ。

いよいよどうしよもなくなった時に現れた鳥肌さん。
ストーリーとしては破綻してるけど、そもそもこれはファンタジーだったんだ。
地獄みたいな世界でも救いはあると信じたい。
暗黒でもがき苦しんでたのに、ラストは一転して、、、
落差が激しすぎたんだけど、あまりに辛かったから世界の明るさで私自身が楽になった。

意見はもろもろあるでしょうが、私は素直に泣きました。
よかったよ、最後が理不尽な世の中じゃなくて。

エンドロールで高良健吾の名があったので、終わってから調べましたわ。
なるほど、そんなところにいらっしゃったとは(笑)

エンディングもちゃんと伏線あったし、なーんか幸せな気分で終わったので良かったです。




ニワトリ★スター  2018年  ☆☆☆☆
監督:かなた狼
出演:井浦新、成田凌、紗羅マリー、阿部亮平、津田寛治

雨屋草太(井浦新)と同居人の星野楽人(成田凌)は、深夜のバーでアルバイトをしながら、ひそかに大麻を密売していた。二人の周りには不良たちを陰で操るヤクザの八田清(津田寛治)や、DVの恐怖におびえる覚せい剤中毒のシングルマザーの知花月海(紗羅マリー)といった厄介な人々が暮らしている。やがて、草太と楽人に予想もしなかったことが起こる。

窮鼠はチーズの夢を見る

2020年09月12日 | 日本
 

二人の共演を楽しみにしてて、予告編でさらに期待してて、映画公開日に早々に行ってきました。
いろんな予想を超えて、なかなかなチャレンジングな作品。真っ直ぐに丁寧に描かれた恋愛映画だった。

今ヶ瀬(成田凌)は出会った瞬間に恭一(大倉忠義)に恋して、何年も恋焦がれてた。
恭一曰く「粘着質なゲイ」
その一途さがね、よかったねぇ。
ワインもらった時の会話での表情で私もウルっときちゃった。
成就しにくい恋だって承知の上で好きなのは好きなんだもんね、成田凌くんの目がウルウルしててエロくて超可愛かった。

「恋愛ってすべてにおいて、その人だけが例外になる」 言い得て妙。

大倉くんがね、いい感じに年齢重ねて大人な色気があって良かったのよ。
恭一は男女問わずもてまくりな人。そして「流され侍」と呼ばれるほど優柔不断。
一見優しそうだけど、一番罪な人。本当は自分勝手でクズだよ。
演じるの難しかったよね。
今ヶ瀬に迫られて受け入れちゃったのでびっくりした。
そこも流されるんかーい、って思ったもんね。

そこがいわゆるBL的なものとはちょっと違う。
恭一は結婚する人生を送るもんだと考えてる人なんだもん。

恋愛に体の繋がりは切り離せなくて、本作はそこを避けてないんですよ、そこが凄い。濡れ場が超多いです。
拒否感を持つ人も多分いるだろうと思うけど、二人はどこを切り取っても絵になった。流石としか言いようがない。

主演二人が最高に素敵です。

黄色い灰皿
ピンクのジッポー
今ヶ瀬がちょこんと座ってた椅子

その椅子に座る恭一のラストシーンがあまりにも爽やかで、浄化された気持ちで終わった。

これはもう、一筋縄ではいかない作品です。
多分、想像をはるかに超える作品です。
(R指定はこれであってるのかな?)

大倉・成田主演作、行定監督「背徳感を表現するのは難しい」
『窮鼠はチーズの夢を見る』実写映画化。行定勲監督が現場で感じた、役者の力



窮鼠はチーズの夢を見る  2020年  ☆☆☆☆☆
監督:行定勲
出演:大倉忠義、成田凌、吉田志織、さとうほなみ

優柔不断な性格から不倫ばかりしてきた大伴恭一(大倉忠義)の前に、ある日、妻から派遣された浮気調査員が現れる。その調査員は、卒業以来会っていなかった大学の後輩・今ヶ瀬渉(成田凌)だった。彼は、体と引き換えに不倫を隠すという取り引きを恭一に提案する。恭一は拒否するが、今ヶ瀬の真っすぐな気持ちに触れるうちに、二人の時間に少しずつ心地よさを感じるようになる。

美しい星

2020年09月08日 | 日本


ちょっとへんてこな話でしたね。
現実離れというか、原作は三島由紀夫の小説です。
吉田監督、、、ずっと撮りたかった作品なんだって。

お父さんは火星人。
お兄ちゃんは水星人。
妹は金星人。
で、お母さんは地球人。
美しい地球(星)を守りたくて、宇宙人の視点で話すから、家族の話なのに壮大でした。

周りとの意質感は、もしかしたら地球人じゃないから?
普通ってなんだって思うけど、誰だってどっかなんか変だもん。

ラストはお父さんはかえったんだね(どこに?)
家族4人で見上げてた、、、え、じゃ、お父さんの身体は残ったってこと?

映像のせいかチープ感は否めなて、もうちょっとダイナミックだと良かったかも。
面白くて不思議な作品でした。



美しい星  2017年
監督:吉田大八
出演:リリー・フランキー、亀梨和也、橋本愛、中嶋朋子、羽場裕一、佐々木蔵之介

予報が当たらないと話題の気象予報士・重一郎(リリー・フランキー)は、さほど不満もなく日々適当に過ごしていた。ある日、空飛ぶ円盤と遭遇した彼は、自分は火星人で人類を救う使命があると突然覚醒する。一方、息子の一雄(亀梨和也)は水星人、娘の暁子(橋本愛)は金星人として目覚め、それぞれの方法で世界を救おうと使命感に燃えるが、妻の伊余子(中嶋朋子)だけは覚醒せず地球人のままだった。

愛しのアイリーン

2020年09月07日 | 日本



ヤスケンすげ~~~~!!
 放送禁止用語叫びまくり!
木野花さんすげ~~~~!!
 覗き見する母強烈!息子を愛する母、まさに怪演!

フィリピンの女優さん、ナッツ・シトイさんも素晴らしかった。

嫁不足の田舎の国際結婚、夫婦の愛情、母性、家族の問題、性描写と暴力。そして差別。
凄かった、圧倒されまくりでした。観終わった後、数日考えました。
衝撃作だったあの「ヒメアノ~ル」を上回る狂気、吉田監督の最高傑作じゃないんですかね。
吉田監督って見たくないところをぐいぐい見せて突きつけて面白がって来る。
狂ってる(褒めてます)
地獄絵図なのになんかおかしくて悲しくて愛しい。
これでもかってくらい重くて苦しいのに、俳優さんたちの力演で目がそらせない。

金で出会った妻だけれど、岩夫はアイリーンを愛した。
ピュアに命がけに愛した結果なんだと思うよ。
不憫な子だよ、最後はぶっ壊れちゃったよね、自分が犯した罪を背負っていったんだ。

子を偏愛する強烈な母も、新婚旅行で夫との初々しい思い出がよぎる。
あぁこの母もかつては人だった、自分が産み落とした子を愛するあまり鬼畜と化したこの人も。
誰にでも(私にも)きっとあの母のようになる素養はあるんだとも思う。
母の最期が壮絶で胸が痛かった。

すごい褒めてますけど、観る人を選ぶと思うので猛毒注意の作品。ご注意を☆



愛しのアイリーン  2018年  ☆☆☆☆☆ 
監督:吉田恵輔
出演:安田顕、ナッツ・シトイ、伊勢谷友介、木野花

岩男(安田顕)がアイリーン(ナッツ・シトイ)を連れて久しぶりに故郷の村に帰省すると、死んだことを知らずにいた父親の葬儀が執り行われていた。42歳になるまで恋愛とは無縁だった彼がフィリピンから連れてきた妻は、参列者の動揺をよそに夫について回る。すると彼らの前に、喪服姿でライフルを抱えた岩男の母親(木野花)が現れる。

犬猿

2020年09月05日 | 日本


「共感のあらしです」
いきなり健太郎くんが出てきて、はっ? 違う映画が始まったのかと思った。
(そもそも吉田監督が絶対撮らないタイプの映画だし←)
癖が強い始まり方するんだからっ。
癖の強さのまま、キャラクタも強烈ユニーク適材適所な皆さんでした。

父親の借金を返済しながら地味に暮らす和成と、出所したばかりの乱暴者の兄・卓司。
親から引き継いだ印刷会社を切り盛りする太目の由利亜と、芸能活動をしているおバカな妹の真子。

もうこのキャスティングがほとんどといっても過言じゃない完成度でございました。

ノーチェンジの卓司って、確かにそれっぽい人といるし(おい)
世の中甘く見てて失敗ばかりだけど、親孝行はしたい。空回りするけど優しいとこはある。
お兄ちゃんの人並はずれた無神経さがツボでした。

弟と妹は上をみてるから、ちょっとずるいとこある。そこはあるあるね。

なんつってもお姉ちゃんが最高だったな。
コーヒーカップで楽しすぎて鼻が鳴るって、あるんか(笑)
自分がやった方が早いから何でもやっちゃうんだよね、あーいうお母さんみたいなお姉ちゃん、いる。
ニッチェの江上さん、熱演でした。

いろいろあってラストはハッピーかと思いきや、結局は続いていく関係性。
兄弟姉妹の永遠のテーマですかね。

程よく下品で、テンポよくて面白かった。



犬猿  2017年  ☆☆☆☆
監督:吉田恵輔
出演:窪田正孝、新井浩文、江上敬子、筧美和子 

印刷会社で営業を担当している金山和成(窪田正孝)は、刑務所から出てきたばかりの乱暴者の兄・卓司(新井浩文)を恐れていた。一方、幾野由利亜(江上敬子)と、芸能活動をしているおバカな妹の真子(筧美和子)は、家業の印刷工場を切り盛りしていた。兄弟と姉妹の関係は、あるときから変化し始める。 

永い言い訳

2020年09月04日 | 日本


夫婦って結婚した時点で間違いなく惹かれあってたわけだし、親は子を何よりかけがえなく愛してるし、子は親を無条件に大好きなんですよ、絶対的に。
でも人って一筋縄ではいかない、綺麗ごとだけはない。
わかるんですよね、わかるから、そうじゃないっていう苛立ちと、否定できない感情が入り乱れて、凄い。本木雅弘さん演じる(衣笠)幸夫があまりに生々しく存在するので引き込まれました。

妻がバス事故で崖下に転落して亡くなる最中に自宅のベッドで浮気をしていた。
最後の会話も気まずいままで、携帯電話に残された妻からの最後のメッセージは「もう愛してない」

最悪だ。

そもそもこの人気作家の夫、ネガティブ思考で棘のある言葉を吐く独特なタイプなんだけど、あろうことか罪悪感からか、未知の領域である子供の面倒をみ始める。
「子育ては免罪符」って言葉がひっかかったのかな。
大体尋常じゃない事態の時って人は尋常じゃないこと起こしがちよね、それにしてもだけど(笑)

部屋が汚くなり、髪が伸び、感情が隠せなくて、もがいてる様が誰からもわかる、わかりやすい人。
実際に夫だったら超めんどくさいんだけど、まぁ可愛いっちゃぁ可愛い人かもしれない。

竹原ピストルさんもとってもいい味を醸し出してました。
奥さんを亡くしてあんなに泣いて悲しんでたのに、ちゃんと先に進んだの私はいいと思うよ。
今生きてるんだもん、それが現実。
そして、いつまでたっても泣けずにいる幸夫もね。
やっぱり人は一筋縄ではいかない。

電車のなかで真平に言ったのはそっくり自分に言い聞かせた言葉よね、私はそこではらはらと泣きました。

「人生は他者だ」

自分を支えて愛してくれた人に無自覚だった自分を悔いているのかな。
奥さん、どっかで見てたかな、見ててにやってしてるといいな。




永い言い訳  2016年  ☆☆☆☆☆
監督:西川美和
出演:本木雅弘、竹原ピストル、藤田健心、白鳥玉季、池松壮亮、黒木華

人気小説家の津村啓こと衣笠幸夫(本木雅弘)の妻で美容院を経営している夏子(深津絵里)は、バスの事故によりこの世を去ってしまう。しかし夫婦には愛情はなく、幸夫は悲しむことができない。そんなある日、幸夫は夏子の親友で旅行中の事故で共に命を落としたゆき(堀内敬子)の夫・大宮陽一(竹原ピストル)に会う。その後幸夫は、大宮の家に通い、幼い子供たちの面倒を見ることになる。