若い頃を思い出す懐かしい何気ない日々。違和感なく馴染んでしまって、ずっとこのままこの人たちとこの街で一緒に過ごしたいくらいな気分でした。
街の佇まいが本当によくて、古着屋も、古本屋も、行きつけのバーも、小さな劇場も、まるで自分がそこにいたような心地よさ、生活感が残る。
~誰も見ることはないけど、確かにここに存在してる~
まさにその通りで、街の上で起きていた誰にもある存在していたものたち。
あんな風に街に出て、人と出会い人とかかわることが、コロナによって失われて、格段になくなってしまった今だからこそ、いろんなことを感じるんだろな。
そして下北沢は再開発が進んで、今現在は風景が変わってきているんだそうで、そういう点でも意味の深い作品でした。
主人公の青、古本屋で働く冬子、映画仲間のイハ、監督の卵の町子、そして元カノになった雪。
他にも古着屋のカップルの客や、カフェやバーの店主、お巡りさん等々、皆さん愛すべき人たちで、キャラクタが際立っていて上手いんですよね。
前半は比較的淡々とした展開だったけれど、終盤の路上でのややこしい人間関係のもつれは大爆笑でした。
そしてゲスト出演だと思ってた成田凌がまさかのそんな役回り!!(笑)
青と4人の女性の関係が、近いわけでなく、遠いけど優しげで、好意的で、基本的に青は振り回されるんだけど、そこがすごく好きでした。平和だ☆
街の上で 2019年 ☆☆☆☆☆
監督:今泉力哉
出演:若葉竜也、穂志もえか、古川琴音、荻原みのり、中田青渚、成田凌
下北沢の古着屋に勤務している荒川青(若葉竜也)は浮気されて振られた恋人を忘れることができなかった。ときどきライブに行ったりなじみの飲み屋に行ったり、ほとんど一人で行動している彼の生活は下北沢界隈で事足りていた。ある日、美大に通う女性監督から自主映画に出演しないかと誘われる。
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