きゃらめるぽっぷこーん

きっかけは韓国映画、今は興味の赴くままに観ます。mottoは簡潔に。radiotalkでラジオ配信始めました。

ボクたちはみんな大人になれなかった

2022年03月25日 | 日本

 

どっかで聞いたことがあるタイトルだなぁって思ったら、燃え殻さんに興味あって何冊か購入して読もうと思ってたんだった(笑)

ポケベル・Stussy・ポータブルMDプレーヤー・小沢健二・ノストラダムス、、
90年代のファッションやカルチャーが満載でリアルタイムに過ごした人には懐かしいのかもしれない。
私はもうちょっと大人なのでね。

主人公の21才から46才までの物語で、46才のコロナ渦の今から始まって21才まで遡って描かれる。
結果があって、どうしてここに辿り着いたのかと思いながら観るので、余計にエモーショナルな印象を受ける。

初めてできた彼女「かおり」との出会いがとても重要で、普通でないのがいいという価値観。
うん、わからないでもない。
そういう気持ちは確かにあった。
でもいつのまにかそんなこと考えもしなくなっていた。

その時、その場所でいろんな人に会って、過ごした経験の積み重ねで今があるんだなって、ちょっと自分のことを振り返ったりした。

確かにそこにあって、過ごした時間たち、自分を形成してくれたものたち、でも今は存在しないもの。
ホント「普通」なんですよ、でもかけがえのない大切な今の普通。

大人になれなかったけれど、いつのまにか大人になってるんですよ、、なんか禅問答みたいな結論です。

 

 

ボクたちはみんな大人になれなかった  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:森義仁
原作:燃え殻
出演:森山未來、伊藤沙莉、東出昌大、SUMIRE、大島優子、篠原篤

1995年。佐藤(森山未來)は、文通相手のかおりと原宿のカフェで会う。「君は大丈夫だよ。おもしろいもん」と言われ、普通じゃない自分を目指していた佐藤は、その言葉を支えにテレビの美術制作会社で懸命に働きながら小説家を目指す。その後かおりが去り、小説家にもなれなかった彼は、テレビ業界の片隅で働き続けていた。バーテンダーのスー(SUMIRE)との出会い、恋人の恵(大島優子)との別れなどを経て、気が付けば佐藤は46歳になっていた。

 

No.9


空白

2022年03月25日 | 日本

 

「空白」の英題は「intolerance」、不寛容という意味。

感情のままに暴言を吐く、他人の感情を推し量ろうとしない、そして娘に無関心だった父。
店長はひたすら謝るだけ、人との関わりがとても苦手そうな人。後ろ向きな思考で感情が見えにくい。

開始早々に死んじゃった娘ちゃんが可愛そうだった。
存在感が薄くて、意思表示が苦手で、友達に何の印象も持たれないまま、この世から消えてしまった。
絵が上手だったんだよ、描くことで自分を表現していたんだね。

彼女は万引きをしたのか、真実はわからない。
店長は彼女にいたずらをしたのかも事実はわからない。
責任転嫁するように、あえて青柳の噂程度の話を父親に耳打ちする学校に嫌悪を感じた。

スーパーで働くベテラン店員は間違ったことははっきり正す、そしてボランティア活動に精を出し、自分を善意の人として自覚することで立っている人。
でも頑張っているのに周りと全く噛み合わない。

不協和音ガンガンなりまくりの方々。
疲れる、、現実にそうやって疲れてる人はたくさんいる。 

「どうやって折り合いをつけるんだろう」
最後に古田新太さんが放った言葉でなるほどとちょっと納得した。

折り合いをつけることがとても苦手な人たちの物語だったんだなって。

でもラストに起きた些細な出来事で少しだけ気持ちが救われた。
すれ違いながら、不協和音を奏でながら、折り合いをつけることは簡単じゃなく、
でも結局は人との触れ合いにホッとしながら生きていくもんなんだろな。

演技の巧い俳優だけで作ったって監督さんが言うくらいですから、本当に面白かったし、だからこそ観ていてずっしり疲れた(笑)
今回も自らの脚本でオリジナル作品。吉田恵輔監督作品は期待を裏切らない、ほぼ傑作です。

 

 

空白(英題:intolerance)  2021年  ☆☆☆☆☆
監督:吉田恵輔
脚本:吉田恵輔
出演:古田新太、松坂桃李、伊東蒼、田畑智子、藤原季節、趣里、寺島しのぶ

スーパーの店長に万引きを見咎められた女子中学生は、逃げて車道に飛び出したところ、凄惨な事故に巻き込まれて命を落としてしまう。彼女の父親である添田は、事故の原因となったスーパーの店長を追い詰めようと、マスコミを巻き込みながら激しい憎悪をエスカレートさせていく。

 

No.8


少年の君

2022年03月25日 | 香港・台湾・中国

 

アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた、デレク・ツァン監督による香港製作の青春サスペンス

濃密な2時間15分、一瞬で引き込まれて、どうなるのかとハラハラして、
心底ズドンときました。

進学校で成績優秀でイジメのターゲットにされているチェンと、親もなく学校にも行かずに生きる少年シャオベイの物語。

いじめ
受験戦争
貧困

多くのテーマが混在しつつ、彼女たちが大人になっていく物語であり、
そしてなにより屈指の純愛映画。

ありがちなテーマだけど、デレク・ツァン監督の手腕が光る作品で、脚本も素晴らしく、映像も魅力満載だった。

高校生役のチョウ・ドンユイさんは小柄で中学生にも見えるくらいなのに、数年後の先生役もちゃんと大人に見えてびっくり(実際は28才くらいらしい)
シャオベイはボーイズグループのメンバーだそうで日本で言ったらジャニーズの誰か(誰だろ~)といったところ。
惹きこまれました。

子供の世界は大人の映し鏡なんだけれど、
子供たちは子供たちの世界で必死に闘っている。

岩井俊二監督の「リリイ・シュシュのすべて」を思い出すと言っていた人がいたけれど、
確かに子供たちが闘ってた。

  ⇒⇒ リリイ・シュシュのすべて レビュー

自分の力で生きていけるように、頑張って生き延びてほしいと願った。

感動しました。

 

 

少年の君  2019年  ☆☆☆☆☆ 
監督:デレク・ツァン
出演:チョウ・ドンユィ、イー・ヤンチェンシー、チョウ・イエ

進学校に通う高校3年生の少女チェン・ニェンは、大学進学のための全国統一入学試験を控え重苦しい日々を過ごしていた。ある日、一人の同級生が陰湿ないじめを苦に自殺し、彼女が新たないじめの標的となる。いじめっ子たちの嫌がらせが激しくなっていく中、チェン・ニェンは下校途中に集団暴行を受けている少年・シャオベイと出会う。共に孤独を抱えた彼らは次第に心を通わせていく。

 

No.7