ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『太陽にほえろ!』#066

2019-03-24 12:00:29 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第66話『生き返った白骨美人』

(1973.10.19.OA/脚本=田波靖男&四十物光男&小川 英/監督=山本迪夫)

約4年前に殺されたと思わしき白骨死体が発見され、科学警察研究所の川上技官(天地総子)が生前の顔の復元に取り掛かります。

そんな折り「自首マニア」として知られる初老のマンション管理人=田口(浜村 純)が、4年前に自分の娘(伊藤めぐみ)を殺したと言って、七曲署に自首して来ます。

何しろ自首するのが趣味のオジさんなもんで刑事たちは相手にしないんだけど、復元された顔は確かに田口の娘とソックリで……

先に結末を書きますと、殺された娘は癌を患い、あまりの苦しみで自ら死を望んでた。そんな娘を介護する田口は、彼女を死なせることを幾度となく考えた。

実は別の人間に金目当てで娘は殺されたんだけど、犯人に突き飛ばされて頭を打った田口は記憶を失い、娘に対する罪悪感だけが残った為に、自分が殺人犯だと思い込み、これまで自首を繰り返して来たワケです。

ラストシーンでボス(石原裕次郎)が、自分の父親も癌で亡くなったこと、そして苦しむ父親を死なせてやりたいと何度も考えたことを告白し、「あんたが殺人犯なら俺だって殺人犯だ」と、田口に優しく言って聞かせます。

尊厳死という重いテーマを扱いながら、すっとぼけた田口さんのキャラクター(浜村純さん、名演!)や、負けん気の強い川上技官のハツラツとした言動はむしろコメディータッチで、『太陽』らしい爽やかな後味が残るエピソードになってます。(復元された伊藤めぐみさんの生首が、いきなりカメラ目線で微笑むラストショットがトラウマになった視聴者もいるみたいだけどw)

催眠療法で田口の記憶を掘り起こす医師役に梅野泰靖さん、真犯人役に西沢利明さん、そして聞き込み先のホステス役に阿川泰子さんと、なんだかやけに豪華キャストな作品だったりもします。

後にジャズシンガーとして有名になる阿川泰子さんは、当時22歳。ジーパン=松田優作さんと文学座の同期生で、呑み仲間でもあったそうです。

後に阿川さんが古舘伊知郎さんと一緒に司会を務めるトーク番組『おしゃれ30-30』に優作さんがゲスト出演された際、本作における阿川さんの出演場面が紹介されてました。

そして、メインゲストの天地総子さんは当時32歳。歌手であり女優であり、『オバケのQ太郎』等の声優としても知られた方だけど、何よりNHK『連想ゲーム』における女性軍キャプテンの印象が強く残ってます。

このエピソードにおける川上技官役も非常にキャラが立ってて、セミレギュラーとして活躍されてもおかしくない存在感だけど、残念ながら1本だけの出演に終わりました。

今回は庶務係の久美(青木英美)も冒頭から大活躍で、ミステリー小説のマニアという一面が紹介されました。

「科警研」の仕事内容(正確には科捜研の仕事らしい)や、うそ発見器、催眠療法など、『太陽』じゃ滅多に登場しない要素も満載で、当時のTVドラマとしても異色作だったんじゃないでしょうか?
 
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『太陽にほえろ!』#061

2019-03-24 00:00:12 | 刑事ドラマ'70年代









 
☆第61話『別れは白いハンカチで』

(1973.9.14.OA/脚本=田波靖男&四十物光男&小川 英/監督=山本迪夫)

第4話『プールサイドに黒いバラ』に続く、麻薬Gメン=村岡房江(浜 美枝)と七曲暑新米刑事との対立&共闘を描いた活劇シリーズの第2弾。

ジーパン(松田優作)が追ってる麻薬の売人(黒部 進)が、実は房江ら麻薬Gメンが密かにマークし、わざと泳がせてる男だったもんで、藤堂チームは捜査中止を余儀無くされる。

ところがその売人が組織に暗殺され、潜入してる房江も消される可能性が大きくなり、放っておけないジーパンが単独で房江を救出しようとしたせいで、Gメンの捜査は台無しになっちゃう。

……てなストーリーは『プールサイドに黒いバラ』と基本は同じなんだけど、マカロニ(萩原健一)の暴走をただハラハラと傍観するだけだった房江が、今回はジーパン顔負けの空手アクションで敵を蹴散らすという、アクティブな一面も見せてくれました。

女性が強くなりつつある時代を反映したのかも知れないし、もしかしたら浜美枝さんのご要望だったのかも知れません。

だから、マカロニの時と比べるとロマンス的なムードが希薄なんですよね。ショーケンさんより優作さんの方が大人っぽいにも関わらず。

前回はファッションショーみたいだった浜美枝さんの衣裳も、今回はしっとり大人のムード。それでいて少女みたいな可憐さも垣間見えて、萌えますw

なお、売人を演じた黒部進さんは言わずと知れた『ウルトラマン』の主人公=ハヤタ隊員。この頃から現代劇、時代劇問わず悪役が多くなって行きます。

ほか、麻薬組織の幹部として宮口二郎、影山達之、内田勝正etc…と、色んな番組でお見かけするコワモテ俳優さんが勢揃いし、さながら悪役オールスターズといった趣です。

もちろん優作さんの立ち回りや疾走シーンもふんだんに盛り込まれ、理屈抜きに楽しめる娯楽アクション編になってます。
 
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