☆第34話『想い出だけが残った』
(1973.3.9.OA/脚本=鴨井達比古/監督=金谷 稔)
暴力団「竜神会」が絡む宝石密輸で運び屋を務める、1人の美女。その正体は大学教授=三浦(早川 保)の妻であり、ボス(石原裕次郎)のかつての恋人でもある加代子(江波杏子)だった!
いつ生命を落とすか分からない刑事という職業に就いた時、ボスは「家庭は要らない」と言って、一方的に加代子に別れを告げた。
その後、加代子はボスの学友だった三浦と結婚したものの、ずっと未練を引きずってる。宝石密輸に関わったのは、かつてボスにプレゼントされた宝石(イヤリング)の輝きを忘れたかったから。
結果的に加代子は口封じの為に殺され、三浦は妻を失ってしまう。ボスのせいで皆が不幸になったワケでw、そりゃあボスも生涯独身を貫くしかありません。
いつも冷静沈着なボスが、かつての恋人が犯罪に関わってる事実を前にし、さすがに今回はうろたえ、取調室でチンピラの頭髪を引きずり回す等の暴行を働きますw
そんなボスの異変をいち早く察知し、容赦なく真相を追及していく山さん(露口 茂)がやたら格好良く、髪の毛も少し伸びて、後年のコロンボ風の山さんに近づいて来ました。
逆に長さん(下川辰平)が散髪してお馴染みの坊主頭になったのは、山さんとキャラが被らない為の配慮なんでしょうか?
んな事はどーでもよくてw、ボスの元恋人を密輸に利用した挙げ句に抹殺した、にっくき暴力団=竜神会(今回が初登場!)は、七曲署の宿敵として今後も悪行を繰り返す事になります。
そして、悲劇のヒロイン=加代子を演じたのが、当時31歳の江波杏子さん。既に大映を代表するスター女優で、日活の大スター=裕次郎さんとの初共演が話題になりました。
「元」が付くとは言え「ボスの恋人」ともなれば、相当な美貌と存在感が求められた筈で、それに応えられる女優は江波さんしかいなかったかも知れません。ある種、現実離れしたカップルですよね。
その後も『Gメン’75』の刑事役などで活躍され、現在もバイプレーヤーとして変わらぬ存在感を見せてくれる江波さん。ホントに格好良い女優さんです。