ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『ジャスティス・リーグ』

2019-03-20 12:00:09 | 外国映画







 
バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグ、そして死んだ筈だよおっかさんのスーパーマンもやっぱり復活し、チームを組んでチョー強い敵に立ち向かうDCEUの勝負作『ジャスティス・リーグ』、ザック・スナイダー監督2018年度作品です。

いやぁ、良かったです。『マン・オブ・スティール』『バットマンvsスーパーマン』『スーサイド・スクワッド』の暗さ、辛気臭さ、煮え切らなさに不安が募るばかりでしたが、『ワンダーウーマン』の華々しい登場に救われました。たぶん多くの観客がそうであるように、私もガル・ガドット演じるワンダーウーマンがいなければ、劇場まで足を運ぶ気にならなかったかも知れません。

だけど良かったのは彼女の魅力だけじゃなく、みんなで力を合わせて巨悪を倒すという、シンプルかつポジティブな内容こそが素晴らしい! これぞヒーロー活劇のあるべき姿だと私は思います。

チームになることで掛け合いの面白さも生まれ、今回は特にフラッシュ(エズラ・ミラー)の加入が効いてます。素顔は世間に馴染めないオタク青年(たぶん童貞)で、戦いのなかアクシデントでワンダーウーマンのおっぱいに顔を埋めてウヒャ~!ってなっちゃうw、そんな少年ジャンプ的なノリが過去作の辛気臭さを吹っ飛ばしてくれました。

こういう描写が決して浮くこと無いくらい、全体のトーンが明るくなってるんですよね。シリーズのメイン監督であるザック・スナイダーが家庭の事情で途中降板し、なんと『アベンジャーズ』のジョス・ウェドン監督!が仕上げを引き継いだことも功を奏した事でしょう。

だけど、ここで陰から陽へと方向転換したのは、別に過去作の辛気臭さが不評だったせいじゃなくて、当初からスナイダー監督が想定してた事のような気もします。

そう感じたのは、今回のバットマン(ベン・アフレック)がとても魅力的だったから。これまで孤独な闘いを続けて来た彼が、初めて仲間を得てとても嬉しそうなんですよね。過去作のバットマンがずっと寂しそうでしんどそうだったからこそ、今回の彼がやけに生き生きしてるように見えて、私は胸が熱くなりました。

その感動は過去作の辛気臭さがあればこそで、つまり長期シリーズを見越したスナイダー監督の計算だったのかも知れません。

で、そのバットマンが、前作で激しく闘ったスーパーマン(ヘンリー・カビル)の復活に尽力するんですよね。あのスーパーパワーもさることながら、誰よりも人間らしい彼のハートこそが必要なんだと言って。これもまた、前作における深刻な対立があればこそ感動させられる場面。

で、スーパーマンを復活させたことがまた一段と深刻な事態を招いちゃうという、渾身のギャグw 笑わせるつもりは無いんだろうけど笑っちゃいましたw

そのスーパーマンのとてつもないパワーも、今回はとても魅力的に活かされてます。スナイダー版のスーパーマンが初めて格好良く見えました。

そんなワケで『ジャスティス・リーグ』、巷じゃ賛否両論らしいけど私は存分に楽しめました。観た後は見事に何も残らないけどw、アメコミ好きな方は必見! ただし観るなら『マン・オブ・スティール』『バットマンvsスーパーマン』『ワンダーウーマン』の3本は予習しておくことをお勧めします。
 
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『ワンダーウーマン』

2019-03-20 00:00:11 | 外国映画







 
2017年、女性スーパーヒーロー映画史上、そして女性監督作品史上においても世界最大のヒット作となった、パティ・ジェンキンス監督によるD.C.E.U(DCエクステンデッド・ユニバース)映画第4弾!

そのルーツは1941年、アメコミ史上初の女性スーパーヒーローとして誕生したワンダーウーマンが、前年の『バットマンvsスーパーマン』におけるプレ登場を経て、満を持しての主役デビューです。

舞台は第一次世界大戦の時代。女性だけが暮らす「パラダイス島」の姫として生まれ、チョー強くてカッコいい「アマゾン族」の女性戦士たちに鍛えられたダイアナ(ガル・ガドット)が、外界で悲惨な戦争が起こってることを知り、それを終結させる為に海を渡る。

古代の神々に護られ、外界と隔絶された島で育ったダイアナは『過保護のカホコ』以上にピュアな人で、世界大戦は軍神アレスの仕業であり、アレスさえ倒せば平和が戻ると信じて疑わない。

けど、実はそんなことは関係なく、争うことをやめられない人間たちの醜い姿に直面し、こいつらに護ってあげるだけの価値があるの?と葛藤する羽目になります。

そんなワケで悩み事が尽きない昨今のスーパーヒーローだけど、バットマンやスーパーマンにつきまとう暗さ、辛気臭さをワンダーウーマンは感じさせません。その最大の理由は、物凄く単純な話、主演女優ガル・ガドットの顔つきとキャラクターですよね。

バットマンのベン・アフレックにしろスーパーマンのヘンリー・カヴィルにしろ、実はあの辛気臭い顔が最大の弱点じゃないかと私は思ってます。二人とも、悩んだらそのまま自殺しちゃいそうな顔をしてるw バットマンはともかくスーパーマンがそれじゃ駄目でしょう?

ガル・ガドットの顔が醸し出す爽やかさ、ピュアさ、芯の強さは、そのビジュアルだけで全ての憂さを吹き飛ばす力があります。

その証拠に、重苦しく辛気臭かった『バットマンvsスーパーマン』っていう映画が、ワンダーウーマンの登場シーンだけ本当に明るく輝いて見えました。本筋に関係なく、唐突に現れたにも関わらず、鳥肌が立つくらい魅力的だったんですよね。これはもう、100%女優さんの力でしょう。

まさにスーパーマン=クリストファー・リーブ以来の超ハマリ役で、彼女をキャスティングした時点で『ワンダーウーマン』の成功は半分決まったようなもんです。

そして残りの半分は、女性監督パティ・ジェンキンスの功績。『モンスター』でシャーリーズ・セロンにアカデミー最優秀主演女優賞をもたらした演出力は勿論のこと、子供時代にTVシリーズの『ワンダーウーマン』に夢中だったという彼女は、ずっと前から『ワンダーウーマン』をやるなら私に撮らせて!って、ワーナーブラザースに猛アタックする程の強い思い入れと、明確なビジョンを持っておられたワケです。

今回の『ワンダーウーマン』最大のハイライトは、間違いなく中盤の戦場最前線バトルで、ドイツ軍に占拠された村の人々を見捨てられず、ダイアナが仲間の制止を振り切り突っ込んで行くシーンだと思うんだけど、なんとスタジオ上層部は「こんなシーン要らんやろ」「このシーンに何の意味があんの?」って、シナリオ段階で削除させようとしたそうです。会議室の連中なんて所詮ただのサラリーマンですから、映画のことなんか何も分かってない。

日本のコミック映画がことごとく失敗しちゃうのは、そういう間違った意見の圧力に、創り手が簡単に屈っしちゃうからだろうと思います。そこでリスクを背負って上層部と闘うだけの、作品に対する強い思い入れが無いからです。

ところがジェンキンス監督は屈しなかった。粘り強く上層部と闘い、説得に説得を重ねてあのシーンを創り上げた。既に映画をご覧になった方ならお分かりかと思いますが、もしあのシーンがカットされたらどうなってたか? 想像するだけで寒気がします。

終盤のクライマックスは、例によってカメハメ波をぶつけ合うようなザック・スナイダー流の超能力バトルになっちゃいます。ああなると私は萎えちゃうんだけど、そこは『マン・オブ・スティール』から続くシリーズ物ですから、どうしても外せないのは理解出来ます。

そこは必須条件として押さえつつ、もっとエモーショナルで人間臭いアクションのクライマックスを、中盤でしっかり見せてくれたジェンキンス監督は確実に信頼出来る人です。

少女時代のシーンが長くて退屈だ、なんていう声もあるみたいだけど、ダイアナの過剰なピュアさこそがストーリーの肝になってますから、彼女がどんな環境で育ったかを丁寧に描いたジェンキンス監督の采配は、全くもって正しいと私は思います。アマゾン軍団の戦いっぷりも超カッコいいし!

そんなワケで、私は大満足です。歴史的大ヒットにも頷けます。新たなスター誕生の瞬間をお見逃しなく。
 
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