バットマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグ、そして死んだ筈だよおっかさんのスーパーマンもやっぱり復活し、チームを組んでチョー強い敵に立ち向かうDCEUの勝負作『ジャスティス・リーグ』、ザック・スナイダー監督2018年度作品です。
いやぁ、良かったです。『マン・オブ・スティール』『バットマンvsスーパーマン』『スーサイド・スクワッド』の暗さ、辛気臭さ、煮え切らなさに不安が募るばかりでしたが、『ワンダーウーマン』の華々しい登場に救われました。たぶん多くの観客がそうであるように、私もガル・ガドット演じるワンダーウーマンがいなければ、劇場まで足を運ぶ気にならなかったかも知れません。
だけど良かったのは彼女の魅力だけじゃなく、みんなで力を合わせて巨悪を倒すという、シンプルかつポジティブな内容こそが素晴らしい! これぞヒーロー活劇のあるべき姿だと私は思います。
チームになることで掛け合いの面白さも生まれ、今回は特にフラッシュ(エズラ・ミラー)の加入が効いてます。素顔は世間に馴染めないオタク青年(たぶん童貞)で、戦いのなかアクシデントでワンダーウーマンのおっぱいに顔を埋めてウヒャ~!ってなっちゃうw、そんな少年ジャンプ的なノリが過去作の辛気臭さを吹っ飛ばしてくれました。
こういう描写が決して浮くこと無いくらい、全体のトーンが明るくなってるんですよね。シリーズのメイン監督であるザック・スナイダーが家庭の事情で途中降板し、なんと『アベンジャーズ』のジョス・ウェドン監督!が仕上げを引き継いだことも功を奏した事でしょう。
だけど、ここで陰から陽へと方向転換したのは、別に過去作の辛気臭さが不評だったせいじゃなくて、当初からスナイダー監督が想定してた事のような気もします。
そう感じたのは、今回のバットマン(ベン・アフレック)がとても魅力的だったから。これまで孤独な闘いを続けて来た彼が、初めて仲間を得てとても嬉しそうなんですよね。過去作のバットマンがずっと寂しそうでしんどそうだったからこそ、今回の彼がやけに生き生きしてるように見えて、私は胸が熱くなりました。
その感動は過去作の辛気臭さがあればこそで、つまり長期シリーズを見越したスナイダー監督の計算だったのかも知れません。
で、そのバットマンが、前作で激しく闘ったスーパーマン(ヘンリー・カビル)の復活に尽力するんですよね。あのスーパーパワーもさることながら、誰よりも人間らしい彼のハートこそが必要なんだと言って。これもまた、前作における深刻な対立があればこそ感動させられる場面。
で、スーパーマンを復活させたことがまた一段と深刻な事態を招いちゃうという、渾身のギャグw 笑わせるつもりは無いんだろうけど笑っちゃいましたw
そのスーパーマンのとてつもないパワーも、今回はとても魅力的に活かされてます。スナイダー版のスーパーマンが初めて格好良く見えました。
そんなワケで『ジャスティス・リーグ』、巷じゃ賛否両論らしいけど私は存分に楽しめました。観た後は見事に何も残らないけどw、アメコミ好きな方は必見! ただし観るなら『マン・オブ・スティール』『バットマンvsスーパーマン』『ワンダーウーマン』の3本は予習しておくことをお勧めします。