☆第51話『危険を盗んだ女』
(1973.7.6.OA/脚本=田波靖男&四十物光男/監督=竹林 進)
プロの女スリ=京子(大原麗子)がバス車内で男の財布を盗んだら、偽造紙幣が入ってたから驚いた!
それを取り戻そうとする密造組織から彼女を守ろうとする殿下(小野寺 昭)と、財布をスッたことを認めるワケにいかない京子との駆け引き、そして逃避行。
基本的にはハイレベルな『太陽にほえろ!』の脚本ですが、たまにユルユルな作品も生まれます。そりゃあ年間50本前後のエピソードが創られるワケですから、全てが傑作とはいきません。
中でも、この『危険を盗んだ女』のユルユル、グダグダぶりは全730本の中でも屈指かも知れませんw 恐らく同時進行で撮られた、もう1本の重要作に気合いが入り過ぎたせいかと思われますw
その重要作とは、第52話『13日金曜日マカロニ死す』。言わずと知れたマカロニ(萩原健一)の最終回、やがて番組名物となる殉職エピソードの第1弾です。
前回(第50話『俺の故郷は東京だ!』)そして今回とユル~いエピソードが続いた分だけ、余計にマカロニの死を告げる次回予告の衝撃度が増したんじゃないでしょうか?
そんなユルユルの本作を支えたのは、当時27歳の人気女優=大原麗子さん。自由奔放な女スリを実に楽しそうに演じておられます。
既にキャリア約10年で数々のドラマに出演されており、この直後に同じ日テレの『雑居時代』で第49話のゲスト=川口 晶さんと姉妹役でレギュラー出演、同年に渡瀬恒彦さんと1度目の結婚をされてます。
大原さんと言えば「すこし愛して、ながーく愛して」の台詞とキュートな仕草が一世を風靡した、サントリーレッドのCMが何と言っても印象的で、明石家さんまさん等によく物真似されてましたね(全然似てなかったw)。
本作においては、七曲暑を訪れ自首するラストシーンで、殿下に両手を差し出す仕草にそのキュートさが垣間見られます。
だけど、彼女が自首に至る心境の変化もまるで描かれておらず、ほんとマカロニ殉職編の息抜きに撮られたような底抜けエピソードですw