情報の無い街

友達と、じゃぁここでサヨナラね！
と、別れた後、私は迷子になる。

知らぬ間に迷い込んでいた。
でも、電柱には
東京都
と、書いてあり、少しホッとする。

私は駅をさがしている。
やっと路面電車風の駅を見つけ駅員さんに東京駅まで行きたいのだけれど
と、相談する。

東京駅なんて行かないよ

東京駅に行くにはどうしたら良いですか？

そこの道を真っ直ぐ行くともう一つ駅があるから、そこで乗りなさい

言われた道を歩いていると子供が2人縄跳びで遊んでいる。

ねぇ、お嬢ちゃん方、向こうの駅に行きたいのだけど、この道で合ってるかしら？

合ってるよ

そう、ありがとう

でも、5時間か6時間掛かるよ

え？

その駅に行くのに歩くと遠いよ

そ、そんなぁ〜

それよりも電車乗り継いで行った方がいくらか早いよ

東京駅へ行く方法教えてくれる？

うん！

☆△□……で△□○まで行って隣の駅まで歩いて……

え？

だから、☆……

ちょっと待って…覚えられないから書いてくれる？

メモにのたくった文字らしきものを書いてくれた。
わからない。
そこへ優しそうなご婦人がやってきて、

あらあら

と、書き直してくれるが、やはり解読できない文字だ。

それで、最終的に

とにかく、その電車に乗って聴尋ね訊ね行けば良い

と、言われた。

で、先ほどの駅に戻り、電車に乗った。

待てど暮らせど電車は出発しない。
窓からふと外を見ると煙が出ている。

電車が火事だ。

あわてて飛び降りると

数人の街の人がいる。

呑気そうに火を見ている。

すぐ消えるからさ。毎度のことさ。

東京駅？何しに東京駅なんかに行くんだい？
ここは良いところさあ。都会なんか行かなくても幸せに暮らせるさ。

そんな良いところなんですか？

そうさぁ。

私、ここで暮らそうかな。
すみませんが、仕事と住む所を探したいので、ちょっと教えてくれませんか？

街の人達は、そっぽを向いて散って行った。

なんなのさ？

また歩き始めると、ホテルがあった。
ロビーには色とりどりのフルーツが並んでいて、とても家庭的な雰囲気だ。

フロントに行くと、フルーツのサービスを受ける。
だけど、何故か、泊められないと言う。
お茶とフルーツが有るよ！
と、繰り返す。
埒あかず、また明日来ます。
と、諦めて外に出る。

もう何時間この街にいるのだろう。

と、そこで目が覚めた。

なんだかこの夢の続きは、そのうちに見られそうな気がする。