はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
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癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

村上春樹 木野

2014年01月25日 | 読書
今月号の文芸春秋に掲載された短編小説を読みました。
ドライブ・マイ・カー、イエスタデイに次ぐ、"女のいない男たち"シリーズの第3弾です。

またまた得意のコキュ物で、スポーツシューズの製造販売会社に長年勤めた39歳の男である木野が主人公です。
出張から一日早く帰った木野は、妻が彼の家の寝室で、彼が一番親しくしていた職場の同僚とセックスしている場面に出くわします。
この、"親友に女房を寝取られる"というストーリーを村上春樹は好んで取り上げます。
村上春樹にそのような体験があるのかどうかネットで検索してみました。もちろんですが、まるでヒットしませんでした。

主人公はその場で自宅を出ていき、職場に辞表を出し、妻と離婚します。

喫茶店を経営していた叔母が引退したので、木野は家賃を払って、その建物を借り受けることにします。
二階部分は住居になっています。一階の喫茶店をバーに作り替えるのですが、その過程で興味深い日本語が出てきます。

できるだけシンプルな什器を揃え

お判りでしょうか、"什器" ? ジュウキと読んで、明鏡国語辞典によれば、"日常使用する器具、家具類"とあります。
実は、熊本市内に什器屋が現存しているのです。
昨年、その看板を目にした時は、何と読むのだろう?何を売るのだろう?と悩みました。
読み方は一汁三菜の汁をニンベンに変えただけなのでジュウで検索できました。
いろいろ調べて、それなりのイメージができましたので什器の詳細を発表します。

昔のアニメである、"巨人の星"に登場する星一徹がひっくり返すチャブ台が置いてある部屋を思い出して下さい。
その部屋にある物全てが什器なのです。
チャブ台、水屋、湯呑、急須、茶碗、箸などの類です。

このストーリーの最後の舞台は熊本駅の近くにある安いビジネス・ホテルでした。
そのホテルの8階の窓からは真向かいに、いかにも安普請のオフィス・ビルが見えると書かれてあります。
これだけで、熊本市に住む人は、そのホテルを特定できてしまいます。

安いビジネス・ホテルはともかく、安普請のオフィス・ビルの関係者は心穏やかではないかも知れませんよね。

(追加アップ)
什器をウィキペディアで調べたところ、二つの違う意味がありました。
もう一つの意味は、ショウケース、つまり商品を陳列するケース類でした。
"什器・熊本"で検索したところ、いくつかヒットしましたが、すべてショウケースを扱っている店舗でした。

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