老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

238;シャボン玉飛んだ

2017-07-12 10:35:22 | 老いびとの聲
シャボン玉飛んだ

シャボン玉飛んだ
屋根まで飛んだ
屋根まで飛んで
こわれて消えた

シャボン玉消えた
飛ばずに消えた
産まれてすぐに
こわれて消えた

風、風、吹くな
シャボン玉飛ばそ


子どもの頃よく
シャボン玉を飛ばしながら唄ったことを思い出す
野口雨情が作詞した有名な童謡
昭和30年代頃は
シャボン玉の遊具セットはなく
固形石鹼を水に溶かし
ストロー(ないときは穴のあいた藁)で
シャボン玉を飛ばした

シャボン玉の詩は
死んでしまった子どもへの鎮魂歌ではないといわれている
シャボン玉が
屋根までこわれずに
飛んだものなら
大喜びした

シャボン玉は
太陽の光で虹色に輝き綺麗だった
「そのシャボン玉が
飛ばずに消えた
産まれてすぐに
こわれた消えた」
当時貧しかった時代
産まれても育てることができず
間引きされ
この世から消えていった
そんな寂しい詩の意味があった

先ほど書いたように
シャボン玉には夢がある
産まれたばかりの子どもは夢がある
七色の虹となって光り
大空へ飛んでいくのだ