老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

254;欲ない・夢ない・やる気ない

2017-07-26 05:06:51 | 老いの光影
欲ない・夢ない・やる気ない

作家 堺屋太一は
欲ない・夢ない・やる気ない
「3Y」がいまの日本の危機だと訴えている

老夫婦
長年連れ添った夫あるいは妻が
紙ぱんつの交換など
介護為さねばならなくなった
優しさから
できない、と思い込み
必要以上に手をかけてしまう
いつのまにか
本人は依存的になり
何もやらなくなった
昼間でも
ベッドから起きることもなく
寝ている
できるところは「自分でやろう」という
欲ややる気はなく
夢も失せた

人工肛門をつけた90歳の夫が
88歳になる妻の介護をしている
2年余りの介護が続いている
夫は慣れない家事
毎日三度の食事作りが悩みであり大変である
妻は味噌汁やおかずを口にしても
「不味い」「美味い」でもなく
ただ無言に食べているだけ
おむつを取り替えても
「ありがとう」の言葉もない
張り合いがないというか
やるきが失せてきた
疲れてきた
夫からそのような言葉が増えてきた
老人ホームの入所申請を考えている、と

妻は声が出るのに
何故言葉を発しなくなったのか
3Y なのであろうか
それとも妻と夫の間には
「深くて暗い 川がある」(黒の舟唄)のであろうか