老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

252;お婆ちゃん

2017-07-24 03:38:42 | 老いの光影
お婆ちゃん 

食べ終わったときには
もう何を食べたのかも忘れてしまう
91歳の女性は
席の向かい側で昼食を摂っていた
78歳の女性に
「お婆ちゃん、顎にご飯粒が沢山ついているよ」と
親切に言葉をかけていた

91歳の彼女は
まだ自分はお婆ちゃんだと思ってはいなく
年齢尋ねたら「40歳」と真顔で答えた

老人自身
他者の世話を受ける身になっても
お爺ちゃん お婆ちゃん とは
思ってはいず
それは他者の事であると受け止めている

孫に「お爺ちゃん」「お婆ちゃん」と呼ばれたときには
目を細め喜び 抱っこしたり財布の紐が緩む

子どもにそう呼ばれたときは
「年寄り扱いするな」と怒りだす