老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

586;騙される男老人

2017-12-05 11:53:20 | 老いの光影
騙される男老人

87歳になる一人暮らしの男老人が街に棲む
若いころは競輪選手だった
片手数えるほどの地方競輪場での優勝しかなく
妻は苦労の連続であった
妻が寝たきりになっても
夫は社交ダンスに明け暮れていた。
妻は誰にも見送られることなく
ひとり寂しく息をひきとった。

男老人は
10歳年下の女性に(夫はいるのだ)
家電製品が壊れたからと電話で囁かれ
虎猫の定期預金を切り崩し230万円を解約し
女性に振り込んだ。
最近、その女性からまた電話がかかり
「お金を用立てて欲しい」と言われ
男老人は二つ返事。

デイサービス利用中に女性から電話あったことを
長男に伝える。
一時、長男は親父から携帯電話を取り上げたのに
なぜも携帯電話を預けたのか、と思ってしまう。
どうも親父に対し甘くなってしまう。
年齢は私とは対して変わらない長男。

長男は1日おき、仕事を終えてから
一人暮らしの父親宅を訪れ
スーパーで買ってきた惣菜を皿に移し変えたりして
夕食の準備をしている。
偶数月の15日に振り込まれる20万円余りの年金は
わずか1週間で泡のごとく使ってしまうため、
いまは長男が管理している。

小遣いが欲しいと父親からせがまれ
1,2枚の千円札を渡すが
歩いて100㍍先のコンビニで
酒を買い吞んでしまう。

高血圧症があり、服薬せずに、酒を吞むと
血圧は上は170から180の数値を示すこともある。
酒を止めさせることもできない長男
酒を取り上げては「可哀想」と話す。

昨日あった出来事はうたかたの如く忘れている
月曜 水曜 金曜の週3回デイサービスを利用
デイサービスに来るまで紙パンツを取り替えずにいる
右脇腹、両足にタムシのような湿疹ができ塗り薬を塗布するもよくならず
今日、夜 在宅訪問し話し合いがある
月1回のヘルパーを利用し、ベッド周辺の掃除やシーツの洗濯と交換をすることになった

聞くに堪えない卑猥な話を女性介護職員にする男老人
男性ヘルパーが入ることになったが
いつも入れるとは限らず女性ヘルパーが入ることもある
女好きの男性老人だけに
甘い言葉を信じいつも女性からお金を騙し取られ
夜はインスタントラーメンで過ごしている

585;羊頭狗肉

2017-12-05 03:51:49 | 老いびとの聲
羊頭狗肉(ようとうくにく)

12月4日日本テレビは
「人づくり革命」に向けた新たな政府の政策パッケージの原案全文を日本テレビが入手したと放映した。
そのなかで
待機児童や介護問題の解消に向け保育士や介護職員の処遇改善が明記されている。
「人生100年時代において、介護は、誰もが直面し得る現実かつ喫緊の課題である」として、
介護職員の処遇改善も明記されている。
具体的には「介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について、
公費1000億円程度を投じ、月額平均8万円相当の処遇改善を行う」。
2019年から実施するとしているが、
何故か素直に信じられない。
「羊頭狗肉」の言葉が浮かんできた。
手当改善も大切だけれど
国家資格である介護福祉士の見直しを図り、専門性を高め
専門職としての給与体系を位置付けるべきではないか

それよりも国会議員を半分に減らして欲しい