老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

介護とは ➄ {介護サービスは利用者の自立をめざす}

2020-06-13 03:27:08 | 介護の深淵
枯れ枝とドクダミ

1562 介護とは ➄ {介護サービスは利用者の自立をめざす

介護はサービスであるから、
痒い所に手が届くようなサービスや
「やさしく」してあげるような介護を行っていけばよいのであろうか。

脳梗塞後遺症により左半身麻痺があるため、
老人は、ひとりで介護用ベッドに上がることができないでいる。

太郎介護員は、車いすから抱き起し、抱えながら介護ベッドに乗り移した(移乗介助)。
花子介護員は、老人に介護ベッドに取り付けてあった移動バー(介助バー)につかまり、
自分で立ち上がるよう言葉をかけ、立たせた。
老人は軸足を使い、自分の座る位置を目で確認し、ベッドに座った。
老人は自分でも足を上げるよう動作を行い、
花子さんの介助を受けベッドに寝ることができた。

「すべてやってあげる」介護は「やさしい」ように見えるかもしれないが、
それは老人をダメにし、寝たきり老人にさせてしまう。

花子さんは、この利用者は「手すりにつかまれば立てる」
「軸足を使えば立位からベッドに座ることができる」というように、
利用者ができることはやっていただき、
「できない」ところだけ介助(介護サービス)を行うことで、
利用者のできる力を維持させていく。

齢を重ね老人になり、思わぬ転倒や脳卒中に遭遇し、
骨折や麻痺により手足が不自由になると、
他人の手を借りなければ生活していくことができなくなる。

人は、手足は不自由になっても、自分で「用を足したい」「風呂に入りたい」と思う。
その思いを少しでも近づけるためには、
どのような支援(介護サービス)を行っていけばよいのか、
介護員は考えなければならない。

利用者(老人)個々の病状(症状)、心理(気持ち,性格)、
基本動作(寝る、起き上がり、座る、立ち上がり、立つ、歩く)は違い、
「できる」ことと「できない」ことの把握も必要になってくる。

ひとりの利用者は、何が「したい」、何が「できるようになりたい」のか、
介護者はその欲求をつかんでいるのかどうか。
ホテルマンのように痒い所に手が届くようなサービスをしてしまっては、
利用者が欲しているようなことは叶えることは難しくなる。

介護とは、介護者は利用者の自立をめざすサービスが求められ問われてくる。
自立とは何か(それは後日述べていきたい)。

コメント
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