1576 もう少し生きてみようか
銚子岬から朝陽が昇る光影は、
生きる力と希望を漲らせ、
「もう少し生きてみようか」、 とその気にさせてくれた。
オレンジ色の空は、寂しい老いびとの後姿が思い浮ぶ。
潮風に 濡れた砂時計をひっくり返した。
砂時計は老いびとの人生を映し、残り少なくなってきた
砂は、もう少しで死が訪れることを暗示している。
砂が堕ちる風景を眺めているだけの時
空間は、ただ「死を待つ」自分が其処に居るだけでしかない。
老いびとの死とは関係なく
朝陽は昇り、夕暮れには沈む。
遥か水平線から朝陽が昇る光影に向かうもうひとりの自分
が存することも、また隠された事象である。
輝く波の音を聴き、乾いた心は潮風で濡らし
昇る朝陽に病んだ躰を晒しながら、
小さな希望が叶うよう掌を合わせ
「あと一年生きてみよう」、と呟く。
ほずれた一本の糸から綻び躓き、
凡てを棄て辺境ノ地に棲みついた老いびと。
老いびとは不自由な四肢を抱え、
自分が何者であるかを忘れてみたり、考えてみたりする。
銚子岬から朝陽が昇る光影は、
生きる力と希望を漲らせ、
「もう少し生きてみようか」、 とその気にさせてくれた。
オレンジ色の空は、寂しい老いびとの後姿が思い浮ぶ。
潮風に 濡れた砂時計をひっくり返した。
砂時計は老いびとの人生を映し、残り少なくなってきた
砂は、もう少しで死が訪れることを暗示している。
砂が堕ちる風景を眺めているだけの時
空間は、ただ「死を待つ」自分が其処に居るだけでしかない。
老いびとの死とは関係なく
朝陽は昇り、夕暮れには沈む。
遥か水平線から朝陽が昇る光影に向かうもうひとりの自分
が存することも、また隠された事象である。
輝く波の音を聴き、乾いた心は潮風で濡らし
昇る朝陽に病んだ躰を晒しながら、
小さな希望が叶うよう掌を合わせ
「あと一年生きてみよう」、と呟く。
ほずれた一本の糸から綻び躓き、
凡てを棄て辺境ノ地に棲みついた老いびと。
老いびとは不自由な四肢を抱え、
自分が何者であるかを忘れてみたり、考えてみたりする。