老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

597;本当に感謝している

2017-12-09 12:26:04 | 老い楽の詩
晩秋まで咲いていた秋桜

本当に感謝している 

お昼ご飯を食べているとき
90歳を超えた堀川清子さんが
しみじみと話してくれた。

夏に脱水症で寝たきりになった自分
もうこれで人生終わりだと
臥床した病室で思った。
歩くこともできず
紙おむつをしたまま・・・・。
太極拳で鍛えた老いの25年間は何だったのか。

それがこうして
いまは独りで歩けるようになった自分
歩けるとは思っていなかっただけに
本当にデイサービスに感謝している
デイサービスのお蔭です

歩けたことで
残りの人生
楽しく過ごせるし
また過ごして生きたい

596;凍った路は怖い

2017-12-09 02:56:48 | 阿呆者
朝や焼けの空の遥か向こうは、東京に辿りつく

凍った路は怖い 

昨日の夕暮れ
初雪が降った
子どもや犬とは違い
白雪をみても
喜べなくなった
の積雪は
中途半端な雪で
路面が凍結(アイスバーン)しやすく
凍っていることがわからず
転んでしまう

夜明け前の散歩は
避けた方がいいのだが
陽が昇ってからでは
一日の始まりが遅れてしまう

肋骨骨折が
後3週間余りで治癒するのだが
ここで転んでしまったら
元も子もない

転ばぬ先は杖
転んだ先は骨折
骨折の先は寝たきりになる、と
自戒しながら歩くあたし

595;水を飲むことを忘れた老人

2017-12-08 11:56:15 | 老いの光影
初冬の阿武隈川上流

水を飲むことを忘れた老人  


歌を忘れたカナリアならぬ
水を飲むことを忘れた認知症老人
老人の名は山下喜一さん(87歳)
歩くことはできるけれど
服を着ること
トイレに行くこと
水を飲むこと
などなど
日常生活の行動ひとつひとつがわからなくなってきた
手振り身振りで行動を示し
手を添えることにより
ようやく同じ行動に移すことができる
記憶のピースだけでなく
生活行為の手順に関するピースも
かなり抜け落ちてきている
コップに水を汲んでも
まったく興味を示さない
家でも水を飲まず
老妻はてこずっていた
ふと
デイサービスの介護員は
「ご飯茶碗の米粒をきれいにしようか」と
言葉をかけ
ご飯茶碗にお茶を注いだ
すると
難無く喜一さんは
ご飯茶碗を手に取り
お茶を飲み干した

昔の人は
食べ終えた後
ご飯茶碗に
お茶や白湯を入れ
ご飯茶碗をきれいにする
その習慣のピースが残っていたのだろうか

駆けつけ三杯ではないけれど
その後もご飯茶碗でお茶や水を飲み干し
ワンパック1000ccの水分を摂った
連絡帳にその様子を書き留め
家でもご飯茶碗で試してみてください、としたためた。

594;過去 未来 現在

2017-12-08 04:22:37 | 阿呆者
朝焼けを反射し流れている阿武隈川上流 朝の散歩路

過去 未来 現在  
過去とは
過ぎ去ったこと
いまさら
過去の美しかったことや輝いていたときのことを
懐かしんでも
過去に戻ることはできない
過去に戻りたい、と叫んでも
時計の針は左回りはしてくれない

未来とは
未だ来ぬ先のこと
夢を抱くのはよいが
空想妄想に浸っているだけでは
希望の未来は巡っては来ない
老いを迎え齢を重ねるたびに
未来とは
死を意味すること
そのことを
意識し始めるようになった

現在とは
こうして いま(今・今日・現在)生きていること
現を抜かしていると
時間は悪戯に失い
気がついたときには
いまを大切にして来なかったことを
後悔する
今日(いま)という時間は
二度と巡り来ない今日だけの存在
いま、という瞬間の積み重ねを大切に
時間は生命そのものであり
人間にとり時間は終始(有限)である。
砂時計の如く
最後の一粒の砂が落下したとき
「只今ご臨終です」と
告げられ
過去でもない未来でもない
時空間に消えて逝く

だから いまを大切に生きる
と思いながら 過ちを繰り返す弱い生き物である

593; 昔の石油ストーブは危険がいっぱい

2017-12-07 14:50:57 | 老いの光影
「yahoo画像 昔の石油ストーブ」より引用

昔の石油ストーブは危険がいっぱい

在宅訪問に行くと
俗に言う昔タイプの石油ストーブが
赤々と点いている
85歳以上の独居高齢者は
よく使われている
いまどきの温風ヒーターに比べ
便利であり
多機能型石油ストーブでもある

昼間でも「やかん」を乗せ
お湯を沸かすことができる
また加湿器の働きもする

味噌汁鍋や煮物が入った鍋を乗せたりして
煮炊きもできる

暮れになると
網をのせ餅を焼いたりする

前述したように確かに便利であり
重宝がられている一方で
危険も隣り合わせにある

やかんなどが乗っていると
危険がW(ダブル)となり
余計に心配が重なってしまう。
足元が心もとなくなりふらつきもある
ふらついたとき
やかんのとってに手が触れ
やかんがひっくり返ったとき
熱湯で火傷! その場面を想像してしまうと
いてもたってもいられないが
老人には
「できればやかんは乗せないほうがいいんだけどなあ~」で終わってしまう。

やかんを乗せなければ、乗せないで別の心配が出てくる
ふらついたときにストーブの熱い天板(上面)に手を着いてしまう
(人間の癖でバランスを崩したとき転ぶのを防ごうと手を着く習性がある)
これもまた火傷の事故

火傷防止するということで金網で囲いをすると
ないよりは安全だが、それを手すり代わりにつかまると
囲いごと倒れ火傷,骨折の心配は残る
また囲いに洗濯した衣類をかけ洗濯干しをする老人もいる
火災の心配をしてしまう

いま使っているストーブがあるのに
温風ヒーターの方が危険のリスクはぐ~んと減る
温風ヒーターの方がいいな~とは老人には言えない
ときどき実家を訪れたり、実家を帰ったときに
息子、娘たちが半ば強引に温風ヒーターを置き
旧式の石油ストーブを引き上げ持ち返るくらいでないと
「危険がいっぱい」の冬を乗りこえることはできない

冬のニュース
それも毎年正月のニュースでは
火事で老人は焼死体となり
石油ストーブが出火原因であったりする

ひとり暮らしの老人が
石油タンクに灯油を入れるのは
本当に危なっかしい
こぼしたり溢れたり
またストーブを点けたまま灯油を入れたり
想像つかないようなことをしている

在宅訪問のときは
灯油が半分以下になっていたら
おせっかいやきになるが
灯油を入れて帰る
またデイサービスの事業所で協力を頂けるところは
送迎(送ったとき)時に灯油の残量を確認し
少ないときは入れて頂いていいる

寒いと人間は 心がわびしく寂しくなる

592;縺れた糸

2017-12-07 13:10:00 | 老いびとの聲
縺れた心の糸

縺(もつ)れた糸を
ハサミで切れば
縺れは捨て落ち
スッキリするが
糸は短くなってしまう。

縺れた心の糸を
諦めず時間をかけ
縺れたところを解す
わだかまりの気持ちはなくなり
人間関係は元の状態に戻った。

590;(2017/12/05)夜明け前の満月

2017-12-06 22:02:43 | 春夏秋冬
阿武隈川上流に反射した満月の光


スマホで撮ったからピンボケなのか
撮った人がボケているからピンボケなのか
よくわからないが
夜明け前の満月は西の空に傾いてゆく
阿武隈川に月の光は反射し幻想的な感じを覚える

589;行く場所(処)がある

2017-12-06 12:22:52 | 老いびとの聲
行く場所(処)がある 

テレビの音量は聞こえても
言葉を交わすこともできず
歌を忘れたカナリアならぬ
言葉を忘れた惚け老人
独り暮らしは
誰かのために食事をつくることもなく
本当に簡単な物で済ませてしまう粗末な食事
しんしんとする冬の夜は
膝小僧を抱きかかえ独り寝する私

明日はデイサービスの日
私には
行く場所が在る
着いた場所には
自分の居場所が在る
私を待ってくれる人が居る
私を頼りにしてくれる人が居る
体を動かすことで
心まで元気になる
みんなと向き合い昼食を摂るとき
昔の大家族を想い出す

帰るときは寂しくなるけれど
また来る日を楽しみに待つ

588;騙された男老人宅にヘルパーが入る

2017-12-06 08:49:33 | 老いの光影
騙された男老人宅にヘルパーが入る

昨日は18時30分から
騙された男老人宅で
本人、長男とヘルパーさんとデイサービスの管理者と
話し合いを持った。
毎週火曜日60分間
ヘルパーさんが寝室、居間の掃除とシーツの洗濯を行うことになった。
不衛生のため
円山輪太郎さん(87歳)は、
体のあちこちに赤い湿疹(疥癬??)ができている
皮膚科受診を勧めるも
忙しく1月になったら受診する、と長男は答える
それでは手遅れになり全身に湿疹ができるようになっては大変だし
他者に感染しても困るし・・・・と話す。
今月の早い時期に受診することになった。

きれいずきでない男老人の一人暮らしは大変
シーツは尿の滲みで汚れ
寝室は陽もあたらず風も通らず空気が澱んでいた

湿疹が治癒し部屋がきれいになることを期待し
話を終えた
時計の針は19時30分を過ぎ長針と短針が重なり合っていた。

586;騙される男老人

2017-12-05 11:53:20 | 老いの光影
騙される男老人

87歳になる一人暮らしの男老人が街に棲む
若いころは競輪選手だった
片手数えるほどの地方競輪場での優勝しかなく
妻は苦労の連続であった
妻が寝たきりになっても
夫は社交ダンスに明け暮れていた。
妻は誰にも見送られることなく
ひとり寂しく息をひきとった。

男老人は
10歳年下の女性に(夫はいるのだ)
家電製品が壊れたからと電話で囁かれ
虎猫の定期預金を切り崩し230万円を解約し
女性に振り込んだ。
最近、その女性からまた電話がかかり
「お金を用立てて欲しい」と言われ
男老人は二つ返事。

デイサービス利用中に女性から電話あったことを
長男に伝える。
一時、長男は親父から携帯電話を取り上げたのに
なぜも携帯電話を預けたのか、と思ってしまう。
どうも親父に対し甘くなってしまう。
年齢は私とは対して変わらない長男。

長男は1日おき、仕事を終えてから
一人暮らしの父親宅を訪れ
スーパーで買ってきた惣菜を皿に移し変えたりして
夕食の準備をしている。
偶数月の15日に振り込まれる20万円余りの年金は
わずか1週間で泡のごとく使ってしまうため、
いまは長男が管理している。

小遣いが欲しいと父親からせがまれ
1,2枚の千円札を渡すが
歩いて100㍍先のコンビニで
酒を買い吞んでしまう。

高血圧症があり、服薬せずに、酒を吞むと
血圧は上は170から180の数値を示すこともある。
酒を止めさせることもできない長男
酒を取り上げては「可哀想」と話す。

昨日あった出来事はうたかたの如く忘れている
月曜 水曜 金曜の週3回デイサービスを利用
デイサービスに来るまで紙パンツを取り替えずにいる
右脇腹、両足にタムシのような湿疹ができ塗り薬を塗布するもよくならず
今日、夜 在宅訪問し話し合いがある
月1回のヘルパーを利用し、ベッド周辺の掃除やシーツの洗濯と交換をすることになった

聞くに堪えない卑猥な話を女性介護職員にする男老人
男性ヘルパーが入ることになったが
いつも入れるとは限らず女性ヘルパーが入ることもある
女好きの男性老人だけに
甘い言葉を信じいつも女性からお金を騙し取られ
夜はインスタントラーメンで過ごしている

585;羊頭狗肉

2017-12-05 03:51:49 | 老いびとの聲
羊頭狗肉(ようとうくにく)

12月4日日本テレビは
「人づくり革命」に向けた新たな政府の政策パッケージの原案全文を日本テレビが入手したと放映した。
そのなかで
待機児童や介護問題の解消に向け保育士や介護職員の処遇改善が明記されている。
「人生100年時代において、介護は、誰もが直面し得る現実かつ喫緊の課題である」として、
介護職員の処遇改善も明記されている。
具体的には「介護サービス事業所における勤続年数10年以上の介護福祉士について、
公費1000億円程度を投じ、月額平均8万円相当の処遇改善を行う」。
2019年から実施するとしているが、
何故か素直に信じられない。
「羊頭狗肉」の言葉が浮かんできた。
手当改善も大切だけれど
国家資格である介護福祉士の見直しを図り、専門性を高め
専門職としての給与体系を位置付けるべきではないか

それよりも国会議員を半分に減らして欲しい

584;肩が重い

2017-12-04 19:37:50 | 老いびとの聲
肩が重い 

過去に妻は
脳外科病棟に看護助手として勤めたことがあった。
そのときに
どうやら
霊感が見えるようになった

死にそうな患者
亡くなった患者が
「お世話になった」ので
挨拶に訪れ しばし肩の上に重くのしかっている感じがしてならない

実家の愛犬 ヨークピンシャ魔裟斗が亡くなったとき
魔裟斗が肩に乗りかかり 重くなり首まで回らなくなった
「魔裟斗重いよ~」と後ろを振り向き声をかけると
肩がす~と軽くなった

誰か老人が危ないのかな~、と
呟く妻であった

私は鈍感なのか
霊感は感じなく
肩重いはない
若いころ 片想いはあった

583;上手な介護サービスの活用処方 第50話「認定調査の項目」 〔47〕 「自分勝手に行動する」

2017-12-04 17:38:43 | 上手な介護サービスの活用処方
 上手な介護サービスの活用処方 第50話「認定調査の項目」〔47            
            4-14 自分勝手に行動する(有無)

 ここでいう「自分勝手に行動する」とは、明らかに周囲の状況に合致しない
自分勝手な行動をすることである。


1.ない
2.ときどきある
3.ある

・いわゆる、性格的に「身勝手」「自己中心的」等のことではなく、
 場面や状況からみて不適当な行動があるかどうかで選択する。


・家族の話では、昔から自分勝手に行動することがあって、性格的に「身勝手」「自己中心的」等
 のことで、周囲の状況に合致しない行動ではないため、「ない」を選択する。

・深夜近くに「買い物に行くからついてこし」といって聞かなくなることが週に2~3回ある。
 周囲にあいている店はないが、靴を履くまで納得しないことも多いことから「ある」を選択する


実際の認定調査では、「自分勝手に行動する」の項目で「ある」を選択するケースは少ない。
性格的に「身勝手」「自己中心的」な人が、認知症になったとき、周囲の状況に合致しない「身勝手」「自己中心的」な行動
をとり、「大声を出し」たりする。