自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

キアゲハ,ハナウドに産卵(孵化後 ~その8~)

2013-06-16 | キアゲハ

タイミングというのは,まったくふしぎで,おかしなものだとよく思うことがあります。たまたまうまくいった,絶好のチャンスをわずかの差で逃した,なんてことはほんとうにいくらでもあります。徹夜して羽化の瞬間を待っていたのに,トイレに行った瞬間に見逃した,という経験ではほんとうにがっかりしました。

次にご紹介するのは,なんとタイミングがいいのか,という例です。このほど,キアゲハの蛹化場面をきっちり見届けることができました。それはまったくの偶然のタイミングでした。

朝6時に起床。前日の同時刻に飼育箱のプラスチック壁で前蛹になっているのを確認していた個体について,様子を確認しました。からだの背が随分黄色っぽくなっています。よくよく見ると,ブルブルッと小刻みな武者震いの動きがあります。「おやっ? 蛹化するのかな」と思い,撮影の準備を整えました。

すると,頭部の背中が僅かに裂け始めたのです。腹部の側面に赤味がかった帯が見られます。この時刻は午前6時17分。そうして,黄色い,初々しい蛹のからだが見えかけました。

どんどん皮を脱いでいきます。その分,すこしずつ蛹のからだが現れてきました。

6時18分。 

まだ6時18分。目が見えます。 

6時19分。触覚が見えます。 

同じ6時19分の様子です。翅の部分,腹部がはっきりしてきました。 

皮が落下していったのは,同じ午前6時19分。

ほぼ3分の見事なドラマでした。

印象に残ったのは,成虫になったときのからだの部位がはっきり確認できることです。大変化の前と後とでは,特徴が際立っています。改めて驚いています。

 


テントウムシの孵化

2013-06-16 | 昆虫

5月12日付けの『ジャガイモ畑で見た昆虫(続)』で写真を載せたテントウムシの卵について,その後の経過を書いておきましょう。

6月6日(木)午後6時。前よりも乾いてきた感じがするものの,とくべつな変化は感じられませんでした。

同じ日の午後11時。ルーペで見てびっくり! 幼虫がうじゃうじゃ。からだは黄色っぽくて,透明感があるようです。体表には突起がたくさん。卵は一目ではわかりません。ようく観察すると,からだの隙間から卵がかすかに見えます。

6月7日(金)午前7時。幼虫たちは卵の殻からそれぞれ離れて,周辺で静かにしています。体色がすこし黒ずんできました。よく見ると,葉裏の表面が食べられています。幼虫が食べたのです。糞が落ちています。卵の先に穴が開いています。孵化する際,そこから出てきたことがよくわかります。

真上から見てみましょう。口が動いた跡がはっきり確認できます。

こんな光景を見ると,「やっぱり孵化場面を激写したかった!」と悔やまれます。そのときは,家にいたのですから。もう一度卵を探して,挑戦しようかなと思います。うまく見つかればいいのですが。

同じ日の午後5時。幼虫が適当に散らばっています。よくよく見ると,葉を食べている個体がいます。目が見えます。顎が赤っぽく見えます。透明感のあるからだが初々しく輝いて見えます。

結局,このテントウムシはジャガイモを格好の餌とする種だとわかります。栽培する側からいえば,害虫です。そう思って調べると,どうやらニジュウヤホシテントウのようです。ニジュウヤホシテントウの成虫もまた,ジャガイモの葉で見かけた昆虫です。

このまましばらく置いて観察してみましょう。