自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

キアゲハ,ハナウドに産卵(孵化後 ~その12~)

2013-06-23 | キアゲハ

飼育箱で飼っていた個体は一つ,ハナウドの葉柄で前蛹になりました。からだを固定する土台は,わたしが準備したものでなく自然のものだということで,印象に残りました。それで,記録しておこうと思います。

じつは,前日の午後5時には前蛹になっていたので,24時間後には蛹になっているだろうと予想していました。しかし,この個体はそれよりずっと遅く,午後10時,つまり前蛹化後30時間程して蛹になったのです。これまで観察した中では,いちばん遅い個体となりました。

午後10時13分。背中が裂けて,脱皮開始。

 

午後10時15分。 上半身が現れました。

 

午後10時15分。皮が帯糸の下を巧みに通過。 

 

午後10時16分。皮をほぼ脱ぎ終わりました。 

 

午後10時17分。皮が小さくまとまってきました。 

 

午後10時18分。からだが現れ始めてから5分後です。 

何度見ても,変化時には驚きがつきものです。かたちも色も,動きも,とにかくすごいのです。それで,繰り返して同じような光景をご紹介することになります。 

 


ジャコウアゲハ観察記(その235)

2013-06-23 | ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハの幼虫は蛹化前,蛹になる場所をじつに適当に見つけてさっさと準備に取り掛かります。それまで棲んでいたウマノスズクサに対するこだわりはちっともありません。わたしがこれまでに見たのは,クリの木,ササ,ヒメジョオン,木の杭,トタン板,木材,植木鉢,そんなところでした。

植木鉢にウマノスズクサを植え,そこに竹・割り箸でも立てておけばそこで蛹化します。家のコンクリート基礎でも塀でも,です。

とくに自然物であろうが人工物であろうが,それはお構いなしといった点に特徴があります。ウマノスズクサそのもので見かけたことは一度もありませんでした。それはきっと,草が成長するまでにどんどん食べるので最適な場所にはなりえないという事情があるからだと思われます。

そのウマノスズクサで偶然蛹を見つけました。非常にめずらしいといえば,そのとおりでしょう。たまたま,植木鉢に植えたウマノスズクサがたくさん生えてきて,茎が林立していました。そこに幼虫をほんの数匹おいていたのでした。

ということは,蛹になるに格好の場が確保できたということになるでしょう。棲んでいたその場所で蛹になるとは,運動エネルギーの消費からみると,実に効率的です。中には,「どうしてあんな離れたところに行けたんだろうか」「どのくらい時間がかかったのだろうか」とふしぎに思えるような例だってあるのです。

子孫を残すために,それぞれの幼虫が楽もし,苦も味わい,個体として最善の努力をしようとしていることがよくわかる事実です。