自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その228)

2013-06-01 | ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハの幼虫の食草はウマノスズクサです。この草は蔓性の多年生植物です。草に含まれる成分アリストロキア酸を体内に蓄えて,身を守る生き方を身に備えてきたのは,よく知られた話。アリストロキア酸の持つ毒性が他の生きものに威力を発揮するのです。

それを好んで食べるとは,おもしろい昆虫です。ただ,ふしぎなのは「では,ウマノスズクサはなにかの点でいいことがあるのだろうか」という点です。共存しているとすれば,ギブ&テイクなのですから,そこに巧妙なバランスが成立していはず。

ところが,そんなバランスなどこかに吹っ飛んでしまうほど壮絶で,無残な結末を迎えるのが常なのです。葉はもちろん茎も食べます。茎など,成長点がある先端を平気で平らげます。まったくお構いなく! 律儀に順を追って食べるなんてこともありません。ひたすら食べるだけなので,葉の切れ端がボロボロと落ちていきます。勿体ない,勿体ない。

幼虫には,損得勘定はまるでないでしょう。

一方のウマノスズクサは食べられるだけ。ただし,アリストロキア酸は本来葉が食べられないようにするための防御策のはず。これを逆手にとったアゲハの所為でとことん犠牲になるとは!

これって,ウマノスズクサには完全なる害虫,加害者であるに過ぎないように見えます。実際,そうなのでしょう。

ウマノスズクサがなくなると,幼虫同士が共食いすらすることがあるといいます。しかし,わたしはそんな場面を目撃したことがありません。脱皮したあと,殻を食べるのが織り込みの習性なのですから,そうした場面があってもおかしくはありません。

それにしても,一方的な“食物連鎖”の世界です。

 


ここにもロータリー交差点

2013-06-01 | 旅行

2月25日付け記事で,『我が国にもラウンドアバウト交差点が』と題してロータリー交差点が設置された話題を紹介しました。

じつは,このタイプの交差点が兵庫県にもあることをすっかり忘れていました。場所は豊岡市。これまでにそこを通った記憶があるのですが,友人の自動車に乗せてもらっていたので,はっきりと頭に刻まれてはいなかったようなのです。この程そこを通る機会があり,「あっ,そういえば,ここもだ!」と記憶がよみがえってきたのでした。

信号機のない交差点を出て,また引き返してきて,写真に収めました。交差点は6本の道路が交わっています。道路標識にもそのことが明示されています。

見ていると,自動車は交差点に入る前に一旦停止,ゆっくりロータリーを回ってから滑らかに進行方向の道路に出てゆきました。

街中の特異な交差点です。うち2本は国道。生活道路と主要国道が交わっているところです。よく利用するドライバーなら問題なく利用できるでしょう。わたしの場合は,出て行く際一瞬戸惑いました。カーナビの案内では,瞬間的な判断に対応できそうにありません。やはり慣れです。戸惑いはわたしだけではないらしく,それに対応するかのように警察官の姿が見えました。

ここがもしよく利用する道路で,信号機のある交差点だとどうなるか,これを考えるとうんざりします。改良前の交差点はどんな環境だったのか,気になるところです。

帰ってからネット検索で調べると,“壽ロータリー” という名が付いていました。町名にちなんだ命名です。地図標記も,それなりの工夫がなされています。旋回の方向まで矢印で指示されています。

ユニークな風景には,関心を向けておくと世界が広がってるように思えます。欧米風のよき感覚に触れた思いです。