排泄場面を何度か取り上げました。すべての動物に共通したこの現象は,なんともおもしろいものです。口から腸を経ても肛門に至る一連の消化器官は,体内にあって体外とつながった器官です。いわば,体内“体外器官” なのです。体外から栄養分を摂取するのが腸というわけです。
幼虫の体形を思い浮かべると,食べたものがストーンと直線的に流れている様,そして,途中で消化されながらすこしずつかたちを変えている様が見えてきそうです。
生々しい排泄物には,葉の情報や消化のされ方が詰まっています。科学者はこれを分析して,からだの状況を推測することもやっているはずです。
たいていの排泄では,尾脚を軽く上げます。しかし,下写真の場合は例外的に上げませんでした。排泄が近づくと,なんだか肛門の辺りがそわそわっとした感じになります。観察者に緊張感が走る瞬間です。
「やっぱりだ。出てくるぞ」。そう思っていると,そのとおり,糞が見えかけます。
肛門が大きく開き始め,水分で湿った廃絶物が光ります。
ゆっくり押し出された排泄物は,完全にからだから離れ,一瞬にして落ちていきます。からだの大きさと,排泄物の大きさとを比べると,改めて“食べる” ことの重要性が迫ってきます。