自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

キアゲハの幼虫を撮る(3)

2013-06-18 | キアゲハ

排泄場面を何度か取り上げました。すべての動物に共通したこの現象は,なんともおもしろいものです。口から腸を経ても肛門に至る一連の消化器官は,体内にあって体外とつながった器官です。いわば,体内“体外器官” なのです。体外から栄養分を摂取するのが腸というわけです。

幼虫の体形を思い浮かべると,食べたものがストーンと直線的に流れている様,そして,途中で消化されながらすこしずつかたちを変えている様が見えてきそうです。 

生々しい排泄物には,葉の情報や消化のされ方が詰まっています。科学者はこれを分析して,からだの状況を推測することもやっているはずです。

たいていの排泄では,尾脚を軽く上げます。しかし,下写真の場合は例外的に上げませんでした。排泄が近づくと,なんだか肛門の辺りがそわそわっとした感じになります。観察者に緊張感が走る瞬間です。 

「やっぱりだ。出てくるぞ」。そう思っていると,そのとおり,糞が見えかけます。

肛門が大きく開き始め,水分で湿った廃絶物が光ります。 

ゆっくり押し出された排泄物は,完全にからだから離れ,一瞬にして落ちていきます。からだの大きさと,排泄物の大きさとを比べると,改めて“食べる” ことの重要性が迫ってきます。 

 


アゲハの孵化を追う(1)

2013-06-18 | アゲハ(ナミアゲハ)

はじめにお断りを一つ。書きたいことはヤマほどあります。今,その材料が50以上。それらを取捨選択して原稿にしていくのですが,一日に1,2題に絞っても,公開日を先送りしなくてはならない原稿がたまっている状況です。さらに,日々新たな材料が生まれ続けます。こんなわけで,時期外れの原稿をUPせざるを得ない場合,書いた原稿を没にせざるを得ない場合が続出します。

さらに,随想もどんどん先送りしている現状です。しごともしなくてはなりません。家の周りの環境整備もあります。畑仕事もあります。メインの竹紙作りができないのもずっと気になっています。そんな環境で,自然と適当に(あるときは集中して)向き合っていいます。

それぞれの一文を産み出す苦労は大したことはなくても,あれやこれやの忙しさのなかで気が抜けないことが多いものです。引き続き,ご愛読くださいますように。


瞬間を待っていて,映像にうまく収めるというのはいつも難しさを伴ないます。“いつ”が確定していないので,待つほかありません。手がかりになるのは,これまでの経験で蓄積した知見だけです。

写真のアゲハの卵では,そのチャンスを逃しました。

下写真は孵化を控えた卵です。中の様子がよくわかります。黒い頭部,それに規則正しく並んだ体節が透き通って確認できます。午後12時の撮影です。

3時間後の午前3時。たまたま目覚めて,確認に意味で撮影したのが下写真。空間が増えて,孵化がいよいよ近づいてきたことがわかります。わたしはあと3時間は大丈夫だろうと勝手な解釈をしてしまい,もう一度寝ました。

午前6時。起きて確認すると,もう誕生していました。体長が3mm程度の,かわいいかわいい幼虫です。それに,殻を全部食べ終わっていました。ということは,午前4時頃には孵化が始まった,つまりわたしが寝るとほとんど時を合わせたように幼虫が出始めたということです。

惜しいことをしました。でも,こういうことは何度も経験済みです。

油断大敵! とはいうものの,チャンスがいつかはまたやって来ると思えることが自然観察のよさでもあります。