自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

クロアゲハの成長(4)

2013-06-03 | クロアゲハ

6月3日(月)午前7時。産卵後6日と14時間経過。

見ると,卵がなくなっていました。つまり,完全に食べ尽くされていたというわけです。「ははーん,孵化したな」と思い,幼虫を探すと,同じ葉の表側に移動し静止していました。そこは卵から5mmばかり離れたところです。今日,誕生日を迎えたのです。

卵のあったところは,葉の先で,裏側。そこから表に回ってここまで歩いてきたのです。その証拠に,絹糸がちゃんと残っています。

思わずわたしは「はじめまして」と呟いていました。これで,今の時期だと7日目で孵化することが判明。

さて,幼虫は体長が3mm。全身が毛で覆われています。そうして,頭部と尾部に,それぞれ一対の突起が付いています。小さな小さなからだにしては,大した武将ぶりです。色合いは淡い黒,白,褐色が入り交ざった地味な感じです。やはり,糞に似せているのでしょうか。

目が見えます。胸脚も腹脚も,尾脚も。

写真を撮っている最中,「ちょっとびっくりさせてやろう」と思い,針の先で頭部を刺激してみました。すると,ちゃんと臭角を出して威嚇姿勢を示しました。立派なものです。臭角はごく薄い褐色かなという色です。それが透き通った感じがします。

やはり,どこもかも初々しいのです。

昨夕観察した卵の状態は,結局,間もなく孵化が始まる兆候だったことがわかりました。「孵化準備ができていますよ」という,サインだったと見なしていいでしょう。ほんとうは,孵化の瞬間を見届けたかった!

このまましばらく,あるいは当分観察を続けようと思っています。それによって,生活環がすこし見えてくるでしょうから。 

 


キアゲハの幼虫を撮る(2)

2013-06-03 | キアゲハ

プラスチックの飼育箱で,キアゲハの幼虫を数匹飼っています。もちろん,観察を続けながら生態を知り,それを写真に記録していくためです。

たまたま,箱の底で脱皮直後の幼虫がいるのを見つけました。葉で脱皮をしている途中,落下してのか,あるいは底で脱皮したものか,それはわかりません。それでも,これをきちんと記録しておく必要があります。

取り出して,布の上に置いて撮ったのが下写真です。

すぐに元に戻してやりました。幼虫は殻には無頓着で,箱の側面を登り始めました。そうして,そこでひとときからだを休めました。ちょうどいいタイミングなので,今度は腹の下側から撮りました。こうした撮り方は自然界ではできません。

この角度から見ているうちに,「なるほどな」と思うことがいくつか出てきました。

たとえばその1。歩きながらどんどん糸を吐き出しています。よじ登る場合は,その糸に鉤爪を引っ掛け,落ちないようになっています。爪の尖り具合の鋭いこと!

たとえばその2。腹脚,尾脚は吸盤になっています。触れる面に密着して,からだの姿勢を保つのに都合よくできています。

 

その他,別の個体が同じようにして這い登ったあと,壁にはこんなにたくさんの糸が残されていました。

やはり簡単に済まさないのが,観察の“基本の基”です。