6月3日(月)午前7時。産卵後6日と14時間経過。
見ると,卵がなくなっていました。つまり,完全に食べ尽くされていたというわけです。「ははーん,孵化したな」と思い,幼虫を探すと,同じ葉の表側に移動し静止していました。そこは卵から5mmばかり離れたところです。今日,誕生日を迎えたのです。
卵のあったところは,葉の先で,裏側。そこから表に回ってここまで歩いてきたのです。その証拠に,絹糸がちゃんと残っています。
思わずわたしは「はじめまして」と呟いていました。これで,今の時期だと7日目で孵化することが判明。
さて,幼虫は体長が3mm。全身が毛で覆われています。そうして,頭部と尾部に,それぞれ一対の突起が付いています。小さな小さなからだにしては,大した武将ぶりです。色合いは淡い黒,白,褐色が入り交ざった地味な感じです。やはり,糞に似せているのでしょうか。
目が見えます。胸脚も腹脚も,尾脚も。
写真を撮っている最中,「ちょっとびっくりさせてやろう」と思い,針の先で頭部を刺激してみました。すると,ちゃんと臭角を出して威嚇姿勢を示しました。立派なものです。臭角はごく薄い褐色かなという色です。それが透き通った感じがします。
やはり,どこもかも初々しいのです。
昨夕観察した卵の状態は,結局,間もなく孵化が始まる兆候だったことがわかりました。「孵化準備ができていますよ」という,サインだったと見なしていいでしょう。ほんとうは,孵化の瞬間を見届けたかった!
このまましばらく,あるいは当分観察を続けようと思っています。それによって,生活環がすこし見えてくるでしょうから。