ツマグロヒョウモンの幼虫がいる植木鉢に割り箸を立てておいたら,それに尾端を引っ付けて蛹になりました。
羽化をたのしみに見守り続けていたら,やがて色合いが濃くなり,羽化がかなり近づいてきたように思われました。早朝それを確認。それから1時間経って,その場を通りかかったときのことです。
蛹の中から,得体の知れない幼虫が出ようとしてグニャグニャと動いているではありませんか。もう,びっくり! 「お腹の中から出てきたんだ。寄生バエの幼虫だ!」と直感。もう大急ぎでカメラを持ち出してきて撮り始めました。
そのときは,幼虫のからだは完全に体外に出てしまっていました。そうして,強力な粘液でぶら下がっている感じでした。
幼虫は,同じ動きを繰り返しました。結果,粘液は少しずつ伸びて,からだが地面に向かって降りていきました。
地面に降りると,すばやく這って移動を始めました。動きのなんと速いこと! たぶん土の中に潜ろうとしたのでしょう。
わたしは外出しなくてはならなかったので,その幼虫を容器に入れておきました。4時間後にそれを見ると,姿がすっかり変わっていました。いわゆる“囲蛹” になっていたのです。幼虫の外皮がそのまま硬化して,その内側に真の蛹が形づくられ,二重構造になった蛹です。
いったいどんなハエが誕生するのでしょうか。なんとしても正体を突き止めたいと思っています。