辺りはもうヒガンバナの真っ盛り。その群落にでもなると,とんでもないほどの風景です。でもわたしは,もっとすくなくても林間のささやかな空間でポッ,ポッと咲いている風景の方が,趣きが感じられて好きです。
ウォーキングをしているときのこと。わたしがこの時期気にかけていることの一つに,ヒガンバナにアゲハチョウが飛来している風景が見られたら申し分ないのだが,というのがあります。そういう風景を目にすることはそうそうあるものではないからです。
ところがこの日は,この偶然に恵まれました。
路傍の斜面にヒガンバナが並んで咲いているところにさしかかりました。その前方の花に何やら黒いものが付いているように感じました。そっと近づいて行きました。クロアゲハです。慌ててポケットからコンデジを取り出して,被写体にレンズを向け,シャッターを切りながら近寄りました。幸いアゲハは吸蜜に夢中らしく,気づかれませんでした。
途中モードを接写にし直して,撮りました。「どうか去らないで」と願いながらの,どきどきする撮影でした。
しきりに翅を動かし,からだを震わせながら吸蜜するので,写真はシャープな画像にはなっていません。しかし,その動きが伝わってくるのではないでしょうか。口吻もぼんやりとではありますが,伸びているのが確認できます。
赤い花と黒いチョウ,このコントラストは最高です。すてきなウォーキングになりました。