キンカンやレモン,それにスダチの葉にアブラムシが付いて,そこにアリがやって来て,さらにヒラタアブが産卵して,……。アゲハが産卵して,その卵や幼虫に天敵のハチがやって来て,……。そんなふうに,柑橘の木は生きもののいのちが展開していく舞台になっています。
退治せずそのまま放置しているので,なかなかおもしろい風景を目にすることがあります。虫が訪れると,必ずクモが登場します。保護色をしているクモは,わたしの目にもなかなか見えにくいのですが,昆虫たちにしても同じでしょう。
葉の裏にいたり,表側に回ったり。しかし,動きはほとんどありません。じっと待っているだけ。上写真を写したときは,クモはたまたま表側にいました。そこに偶然獲物が飛び込んできました。それをまったくすばやい行動でハントしたのです。目撃して,もうびっくり。その確かな行動はみごとなばかりでした。
別の葉でナナホシテントウを見かけました。アブラムシがいくらでもいるので,餌に事欠くことはありません。動きを追っていけば,食餌行動を目撃することができるですが,そこまではしませんでした。
また別の葉で,テントウムシの幼虫を見ました。それはアブラムシを捕らえていました。
葉の裏側で,ミノムシの抜け殻を見かけました。成虫が脱皮して飛び去った名残りです。蓑の材料に枝が使われています。明らかにキンカンの枝です。
柑橘類の木を見ていると,飽きることはありません。