自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

オオフタスジドロバチの巣作り作法

2014-09-12 | ハチ

木棚に置いた竹筒でオオフタオビドロバチが盛んに巣作りをしています。これまでにも取り上げたハチなのですが,改めて「ほほーっ!」と合点のゆくことがありましたので書きます。

竹の口は,たまたま斜めの断面になっています。それで,脚の置き場がしっかりあって,ハチにすれば出入りしやすいかたちのように思われます。口付近には乾いた土の,小さな粒のようなものがたくさんあります。ハチが巣作りの材料として準備しているものなのでしょうか。よくわかりません。


ハチは15分に1回程度,幼虫を抱えて帰ってきます。 そのタイミングを辛抱強く待ち構え,三脚にセットしたカメラを遠隔操作するのです。帰巣能力は大したものに思えます。いったい,どれぐらい離れたところにまで飛んで行くのか,どんなふうに景色を見ているのか,知りたいところです。もっとも,竹筒を少し動かすと,ハチはたちまち困ってしまうらしいので,ハチがわたしたちの見え方と同じようにものを見ていると思うのは早計です。

筒穴の直径は小さいので,餌を置いたハチは当然のことながら中で方向転換するわけにはいきません。それで,後ずさりして出口に戻ってきます。

 
そうして向きを変え,飛び立っていきます。

 
竹筒を利用した巣作り,幼虫の生き餌として残すために死なない程度に獲物を全身麻痺させる技,なんともおもしろい生態の持ち主が生き延びてきたものよと,感じ入ります。