自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

自宅近くにカンアオイの自生地!

2016-06-02 | 生物

カンアオイはギフチョウの幼虫の食草。乱開発で自生地がなくなるにつれて,ギフチョウが飛び交う風景が消えてしまいました。そんな中,情熱を持って人工飼育の取り組んでいらっしゃる人がある,という話題は前に触れました。

その方から直接カンアオイの自生地を教えていただいた結果,わたしが勤めるミュージアムで幼虫を飼育展示することができています。とにかく葉を次から次へと食べるので,たいへんなのです。

そんな中,つい先日,別の身近な人からびっくりするような話が飛び出しました。それは,ギフチョウの話題をその方がされたので,わたしの知る範囲で生態について答えている最中のことでした。

「今もカンアオイが生えとるで。この間,見たばっかりや。行ってみたら,すぐわかるで」。この話から,場所をくわしく教えてもらいました。

翌日,さっそく行ってみると……。はじめはそれらしきものは目に入りませんでした。なにしろ,純雑木林というのでなく,スギの植林と雑木林とが混在しているので,ほんとうにあるのか信じられない感じがしてきました。それで,しばらくその辺りを探し回りました。

すると突然,一株目に飛び込んで来たのです。葉が10枚以上ある株でした。スギとクヌギの落ち葉が積み重なった間から葉を広げていました。

 
林間で,半日陰といった環境です。

 
一株見つかると,あちらこちらにあることがわかって来ました。しかし,群生しているというふうでもありません。

 
自宅近くに,カンアオイが生える環境がまだ残されていることが確認できました。びっくり情報です。これがすぐにギフチョウの復活に結び付くわけではありませんが,人工飼育の環境づくりに役立っていくでしょう。