今回は団体旅行だったので,昆虫たちをくわしく観察することはできませんでした。そんななかでも,目に付いたいくつかの昆虫たちをご紹介しましょう。
北海道に着いて最初に出合ったのがこれ。フジが咲いて,そこに訪れていたのがハチのなかま。ひときわ目立ったのがエゾオオハナバチ(セイヨウオオマルハナバチ?)です。体色を見ていて,パンダを思い浮かべました。人を避けるわけでもなく,堂々とした姿でした。
花の庭でも見かけました。トチの花を待っていたかのように,一心に吸蜜に勤しんでいる様子。
旅が終わってからこの種について調べると,事情を抱えていることが見えてきました。お尻の先が真っ白なのがセイヨウオオハナバチらしいのですが,撮影時はそんなことは無頓着。写真で見る限りそうでもなさそうです。ということは,エゾオオハナバチということになりますがどうでしょうか。
外来種はトマトの受粉のために導入されたものの,それがやがて外の環境に適応。結果,花弁に穴を開けて盗蜜する害が増加したり,在来種との交雑が起こったりして,環境問題に発展しているとか。
フジの花にはセイヨウミツバチも。
あちこち訪れると,必ず耳に入ったのがこれの鳴き声。というよりも,この皮を置いて飛び去った主の声。とにかく,にぎやかなのです。主はエゾハルゼミです。この殻を見たのは旭山動物園内にあるサクラの幹。ただ,樹上高くで鳴いているので成虫の姿を確認することはできませんでした。
ラベンダー園を訪れた際,抜け殻の主をなんと通路で見かけることができました。足元にいたのです。手に乗せても,どうしたことかしばらくは歩くだけで飛んで行く気配はありませんでした。
別の施設を訪れて,実際に鳴いている姿と,抜け殻を見かけました。木は一本のアカマツ(?)でした。「やっぱり!」という感じがしました。わたしの住んでいるところでも,ハルゼミはアカマツ林が大好きです。梢近くで鳴いているので,姿を確認するには容易ではありません。ところが,このアカマツは広い庭にたった一本だけ植えられており,加えて背が低いので,観察にはもってこいでした。