N公園にて。虫の目レンズを持って園内を歩いていると,びっくり! 偶然目の前のカンサイタンポポの花にヒメアカタテハが舞い降りて来ました。そして,口吻を伸ばして蜜を吸い始めたのです。
「わぁー! これはもう,絶対に撮らなくちゃ。撮らせてー!」とこころが叫んでいました。
大急ぎで撮影態勢に。といっても,「はい,それでは」というわけにはいきません。態勢に入る前がもどかしい限り。
準備ができると,カメラを地面すれすれに保持しながらそっと近づいていきました。ファインダーを覗くゆとりなんてまるでありません。チョウに2,3cmまでレンズを近づけ,適当にシャッターを押します。適当といっても,「なんとか写っていて!」と願いつつ。
こうして撮った一枚が次の写真です。
ヒメアカタテハは舞い上がって,近くに咲く別のタンポポに移動。それを追いかけて撮ります。あくまで,チョウをびっくりさせないようにそっと,そっと。
チョウは,その花で向きを変えながらしばらく吸蜜に勤しんでいました。
「あっ,翅を広げた!」。その瞬間にもう一枚。
こんなわけですから,構図を考えて撮るなんてことはできっこありません。まったく偶然の出来栄えという次第です。動き回るものを被写体にするのはほんとうにむずかしいものです。むずかしいゆえに,撮る醍醐味が倍増する気持ちがしています。