自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

セイタカアワダチソウで見たクモの狩り

2017-12-15 | 昆虫と花

クモは虫を捕らえて生きる糧にしています。擬人的にいえば“狩人(カリウド)”,そのままにいえば“狩虫”とでもいい表せるでしょう。

花があれば,そこに昆虫たちがにぎやかに集まって来ます。たくさんやって来るところには,当然このカリウドがいます。それとも知らぬ昆虫たちは摂食に励みます。クモは獲物が近づくのをひたすら待ちます。昆虫たちは警戒心がないわけではないでしょうが,あまりの突然の攻撃には対応し切れません。飛んで火にいる夏の虫のごとく,まるでクモの前にわざわざ歩いていくようなものです。

セイタカアワダチソウは黄色の目立つ花をわんさか付けます。遠くからでもこの色のアピール度が相当に高いと見えて,昆虫たちが次々と訪ねて来ます。

それならクモがいるはずと思って探すと,予想どおりいました。

 

その後昆虫を撮影しているとき,動かないハエが目にとまりました。ハナバエのなかまのようです。どうしたことかと思ってよく見ると,すでにいのち絶えていました。複眼がへこんでいることからすると,こういう状態になってから何日か経過しているようです。

 

それから間もなくして,クモがハエを抱えているのを見かけました。これはホオグロオビキンバエ。きっちり捕獲されてハエはいのちを失っています。

 

写真を撮っていると,このカリウドはわずかに移動するしぐさをしましたが,ハエをけっして放さないぞという強い意志のような動きを示しました。

 

体形から見るとハエのほうが大きいのです。これだけの大物をものにするのはなかなかたいへんなのでしょう。捕獲されたハエをアップ気味に撮りました。

 

今度はクモをアップして。どう猛さが伝わって来そうです。

 

「食べる」「食べられる」。「食べる虫がいれば,その虫を食べる虫がいる」「食べる虫は,いつも食べられる恐れとともに生きている」という原則が成り立っています。この関係は生態系の基本です。