湘南平では10時半から30分位、景色を堪能したり、
ぶらぶらとして過ごしました。
道標に従って下ります。
大きな樽を加工して屋根と窓を付けたもの。
これはいったい何なのでしょう。
住宅街に下りてきました。
汚水管マンホールの蓋は、大磯町の木「クロマツ」「サザンカの花」
町の鳥「カモメ」と「大磯の海」がデザインされています。
地下道に入り、JR東海道線の線路を超えますが、
地下道を出たところで、旧島崎藤村邸の案内看板を見つけたので、
ちょっと寄り道してみることにしました。
旧島崎藤村邸
シダが生えた素朴な冠木門。割竹垣に囲まれた小庭、
部屋は書斎として使われた四畳半の小座敷と六畳と八畳の和室の三間のみ。
こじんまりとしていますが、居心地が良さそうで、
どこか懐かしく、味わいのある建物でした。
夫人は「大磯の住居は50年に及ぶ主人の書斎人としての生活の中で、
最も気にいられたものだったろう」と述べていたそうです。
左は四畳半の書斎
その後ろに六畳の和室がありましたが、
襖の陰で、見えるのは廊下だけとなっています。
畳敷きの広縁に囲まれた八畳の居間
広縁突き当りの物入れを見つけた時はたいそう喜び、
本棚として使ったそうです。
味わいのある大正ガラス
藤村はクチナシなど白い花を好み、
中でも春の白椿を最も愛したそうです。
こじんまりと見えましたが、敷地は145坪あったようです。
最初は借家として住んでいたそうですが、
1年半後に、当時のサラリーマンの約30年分の給料に相当する1万円で
この家を購入し、終の棲家としたそうです。
昭和18年8月21日、静子夫人が「東方の門」の原稿を朗読中
頭痛を訴え急に倒れ、8月22日午前0時35分「涼しい風だね」という
言葉を残して行年71歳で永眠されされたとのこと。
中学生の時に読んだ『破戒』は眠るのを忘れて一気に読んだほど感銘を
受けた作品で、当時は一番好きな作家でした。
地下道を潜り抜けたところまで引き返し、しばらく南に歩くと、
国道1号線に突き当たります。
大磯中学校前の歩道橋を渡ります。
歩道橋の上から見た東海道松並木。
国道1号線は上り下りが分離帯を挟んで分かれ、
下り側の路側と分離帯の間に松並木が続き、旧街道の面影をしのばせます。
歩道橋を下りると鴫立庵まで400mという案内看板を見たので
反対方向でしたが、またまた寄り道することにしまた。
鴫立庵
京都の落柿舎、滋賀の無名庵と並ぶ、日本三大俳諧道場の一つ。
鴫立沢
「心なき身にもあわれは知られけり 鴫立沢の秋の夕暮れ」
西行が陸奥への旅の途次に、ここで詠んだ歌だと言われています。
それから500年以上たった江戸時代の寛文4(1664)年、
小田原の崇雪という人物が、西行をしのんで創設したのが鴫立庵です。
鴫立庵室
庵室内部(手前の部屋) 庵室内部(奥の部屋)
俳諧道場(鴫立庵正庵)
俳諧道場内部
扁額には「俳諧道場」と書かれています。
ここでよく句会が開かれるそうです。
円位堂
三千風の建てた元禄そのままの建造物。
堂内には等身大の西行法師の坐像が安置されています。
五智如来
鴫立庵を創設した崇雪が運んで安置したと言われています。
敷地内には80以上もの、歌碑、句碑、墓碑等が並んでいました。
焼きチーズカレー
ハイキングなどをするときは、大抵お弁当を用意するのですが、
大磯町ならその必要はないだろうと、用意しませんでした。
ところが、国道1号線沿いにはほとんど食べ物屋さんがなかったのです。
やっと見つけたのがカレー屋さん。
まだ開店して間もないようですが、美味しかったです。
(12:30~13:15)
松並木まで戻りました。
あまりにも立派な松を見たので写真を撮ると木の幹に
こんなプレートがかかっていました。
クロマツですよね?
国道1号の中で一番太い木で、樹齢は300年だそうです。
滄浪閣(旧伊藤博文邸)
伊藤博文の死後は朝鮮李王家、米軍の接収などを経て
大磯プリンスホテル別館となったが、現在は使われていない様子。
滄浪閣の手前を左に曲がり、うっそうとしたクロマツの林を抜けると
道は小陶綾(こゆるぎ)ノ浜へ。
こゆるぎの浜は3年前に歩いていたので、
ここからは太平洋自転車道を西に向かって歩きました。
太平洋自転車道は大磯町の西側、西湘バイパスに沿って造られた
自転車専用道路で、西は不動川下流付近まで、東は134号線に沿ってすすみ、
花水川手前で金目川サイクリングコースへとつながっています。
ハマゴウ(浜香)
別名:浜這い
花の名がわからずネットで調べましたが、
漢字だと、どんな植物なのか想像できますね。
浜を這う良い香りの植物のようです。
草のように見えますが、本当は落葉小低木だそうです。
葛川河口 葛川上流方面
葛川手前を道なりに右に曲がると再び国道1号にでます。
旧吉田茂邸を見学する予定でしたが、暑さで体が疲れたので中止とし、
国道1号を少し戻ってゴールの城山公園前バス停に向かいました。
城山公園前バス停に到着(14:10)
JR大磯駅行のバスに乗ります
JR大磯駅から東海道線、茅ケ崎からはJR相模線に乗り換え、
3時半には家に着きました。
前半は山地を歩き、森林浴や眺望を楽しみ、
後半は旧東海道の歴史と文化に触れ、バラエティに富んだ歩きとなりました。
これから先は海を離れ、里歩きや山歩きが中心となります。