姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

生徒の後姿を保健室から見送るとき

2007年02月01日 | 学校生活



保健室から教室へ戻っていく生徒の後姿を見ると、ほんとになんだか特別な感情が湧く。


「チャイムなるよ。そろそろ教室へもどりな」

休憩時間が終わって、戻っていく生徒の背中を見ると、「がんばれ」って応援したくなる。


がんばれということばは、あまり好きではないけれど、そんなことばしか浮かんでこない、そんなときがある。

ふらりと息抜きにやってくる生徒もたくさんいるし、居場所を探してやってくる生徒もいる。


重い気持ちを気持ちを引きずってきて、養護教諭に自分の思いを話にくる生徒もいる。


不安定な感情を抱えて、いらいらをぶつけてくる生徒もある。

10分とか15分とかの休憩時間に、ふれあう生徒たち。

彼らの背中には、たくさんの青春のページがある。笑顔で帰っていく子も、


さびしそうに戻っていく生徒も


その背中には、彼らが背負っているいろいろなものが見える。



めちゃめちゃ泣いて、「教室へ戻るね」と、気持ちを切り替えていく生徒。


体調不良で、しばらく休んで、「おー、なんだか元気になったよ!」と笑顔で帰っていく生徒。


本当にさまざまです。



彼らの背中を見送り、静かになった保健室で、ひとりひとりの記録を残す。


「このごろ、表情がさびしげで心配」


「以前に比べて、笑顔がたくさん見られるようになった」


「不規則な生活で、体調が心配」・・・。



中学生という時期は、ほんとうに、傷だらけ。


だからこそ、一生のうちで忘れられない時期になるのかもしれない。

3年間という短い期間に、彼らは、たくさんの変化を起こします。


いいとか悪いとかということもあるけれど、その変化を目の当たりにする時


人間というものは、変化しつづける存在であると感じる。

彼らを通して、私たち大人が学ぶことの法が多いのかもしれない。


純粋で傷つきやすくて、あふれんばかりの感情で、精一杯生きる彼らの背中は、


すてきだ。


人間関係に悩み、自分の内面にアクセスし、幼い彼らなりに 小さな胸をいためている。



彼らの背中のひとつひとつに、エールを送りながら、今日も、のべ何十人という生徒が


保健室から教室へ戻る。



最近、この歌を口ずさむことが多くなりました。




♪♪青春時代が夢なんて あとから ほのぼの 思うもの
  青春時代の 真中は 胸にトゲさす ことばかり・・・♪♪




えらく古い歌ですが、この歌と 生徒の後姿や保健室での生徒たちのようすがひとつになって、
なんだか、胸がきゅんとなることがあります。

私のできることは、ほんとうにちっぽけで
それでも、彼らの心に何かを残してあげられたら。

学校の一階の東のはずれ。


そこが、保健室。


2F西の職員室との距離が離れていて、あまり他の職員からも目が届かない。

そんな人里はずれた(笑)保健室。


だからこそ、いいときもあるし、だからこそ、やばいときもある。

開校21年。


歴代の養護教諭は、ここで何を感じ、何を見てきたのかな?と、考えることがあります。

養護教諭だから見えることもあるし、養護教諭だから見えないこともあるし。

養護教諭ってなんでしょうね?保健室ってなんでしょうね。


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2 コメント

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Unknown (岩倉2号)
2007-02-02 11:57:50
養護教諭の先生ってこんな風に思って生徒を送り出してるんですね。

実習の時余裕がなくてそんなこと全く思えませんでした。

また、実習行く機会があるとおもうので、前の実習より余裕を持って子供達と触れ合いたいと思います。

姫先生の日記読むと、本当に養護教諭のあったかさというか養護教諭の素晴らしさを感じます(ノ∀`♥)
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ありがとう、岩倉2号さん ()
2007-02-11 14:40:17
岩倉2号さん、コメントありがとう。

教育実習中はなかなかそこまでの余裕はないですよね。
というか、新任から数年間、私は、眼の前の仕事をこなすことで必死でした・・・。

でも、ひとつずつひとつずつ、子どもたちから教えてもらいました。

岩倉2号さん。ぜひ、すてきな養護教諭になって、子どもたちからいろいろなことを学びあってくださいね。
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