姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

気持をゆさぶる伝え方を・・・

2007年05月16日 | メディアリテラシー



 保健室には、生徒達が人間関係でのトラブルや悩みを話にきます。それは、「ケンカ」という形であったり、ケンカとまではいかなくても、どうもすっきりしない人間関係だったりします。または、「自分の気持をうまく伝えられない」「グループの子が言うことを聴いてくれない」・・・といったことだったり。
 
 いろいろな場合があるのですが、最終的に「コミュニケーションミス」ということであうように感じています。

 自分の言いたいことは「言っている」けど「伝わっていない」というコミュニケーションミス。
 
 相手の要求(お願い)に、 「同意できない」けど「断れない」 というコミュニケーションミス。

 「断ること」は「いけないこと」という思い込みから来るコミュニケーションミス。

 だいたいこの3つが多いように思います。明確に分けることができるものでもなく、この3つが絡み合っていることもあります。

 今晩(といっても正確には日をまたいでしまいますが)の愛知北FMの「夜の保健室」は、このお話をしようと思います。(番組は深夜0時から2時です。夜の保健室室のコーナーは、0時半からです。)

 電波エリア外の方は、ネットで視聴してね。http://www.842.fm/  (ライブカメラのページから)

 今日の「夜の保健室」では、こうしたコミュニケーションミスを「伝え方」を変えて 「相手の気持をゆさぶってよい関係のまま自分の思いを伝えてみよう」というテーマです。どんなに「正論」をいっても相手の気持が「動かない」のであれば、うまくコミュニケーションが取れたとはいえません。ただ単に自分が「言いたいこと」をつたえたにすぎないことになり、結果として自分が期待したように相手の行動は変化しません。そのことは、とても大きなストレスとなるんですね。

 そのストレスゆえに、それがトラブルの元になってしまうことがあります。

 「なんでそんなこと言うの?」
 「うるさい!」
 「笑うな!」などなど。

 こうした言い方は、YOUメッセージと言います。

 日本語って主語をはっきり言わないから、わかりにくいのですが、これらのことばに主語をつけるとすると「あなたは」「おまえは」・・・つまり「YOU」になるんです。

 主語が「YOU」になると、なぜだか、伝えた人が相手を「ジャッジ」(評価とか裁き)をしている印象を受けます。だから、言われた相手は、とても反感を覚えるのです。つまり「対等」を感じないのですね。これは、「YOUメッセージ」とよばれます。

 この言い方では、自分は言いたいことが言えているのですが、現状を改善するためには有効ではありません。

 「YOUメッセージ」では、たとえやさしい言い方をしたとしても、どうしても、相手の「自己防衛」の反応を引き出してしまうようです。そうならないためには・・・。

 命令しなくても、相手に圧力をかけなくても相手の心をゆさぶり 気持ちよく(あるいは納得して)行動を変えていくことができる伝え方をする必要があるんですね。

 具体的には、「Iメッセージ」といわれる伝え方をすることです。

 たとえば、
「私は、そんなことばをいわれると、とても悲しくなるの。」
「私は、今集中したいと思っているから、静かにしてくれると助かるわ」
「私は、笑われると、とてもつらい気持ちになってしまう。だから笑わないでほしい」

 と、主語を「私(I)」に変え、率直に自分の気持を伝えて行くことが大事だと思っています。
 
 「私は」ということばをつけて、自分の気持を率直につたえる。そして相手をジャッジしないということで、相手がメッセージを受け取りやすくなります。こうした言い方が「健全なる自己主張」ということになります。

 これは、「ほめる」という場面においても同じです。

 YOUメッセージを使った「ほめことば」では、やはり「評価」が入ってしまい、このほめ方で育てられた子どもは、他人の評価ばかりを気にする子どもに育ってしまうことがあります。
 
 これらは実にスキル的な話ではありますが、どんなにIメッセージを使っても、うまくいかないことがあります。それは、自分の中に「相手をコントロールしよう」という気持が働いている時。

 NLP的に言うと、表面のスキルの裏にあるものを相手の「無意識」が読み取ってしまうからでしょう。
 矛盾していますが、YOUメッセージを使っていても相手との間に深い信頼関係があれば、それでも相手の気持を揺り動かすことができるともいえます。

 
 生徒達の中には、うまく気持が伝わらないことで、手を出してしまうこともあります。その時は、「暴力をふるって、あなたが一番相手に伝えたかったこと、わかって欲しいと思ったことは、何だったの?」と聴いています。
 そう聴きながら、それを「Iメッセージで伝える方法」を教えたりしています。

 人間は「刺激」に対して「反応する」

 何に反応しているのか考える間もなく、無意識が反応しているのです。
 その無意識が反応している「何か」を意識に引き上げるような質問を心がけています。



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1 コメント

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ぜひいつか… (やまかん)
2007-05-16 23:16:17
姫様 メッセージありがとうございますm(_ _)m
発の名古屋入りなのでドキドキしていました。お嬢様がおめでたなのですか?おめでとうございます!(^^)!
私もぜひお会いして、いろいろ教えていただきたいと思っています。またの機会によろしくお願いします(*^_^*)
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