姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

自己の現実に正面から向きあう生徒

2007年11月23日 | メディアリテラシー

 【2007年の記事】

 

保健室にやってくる生徒の中には、思春期という怒涛の時期の中で、真剣に自己の現実にむきあう子がいます。


 いろいろなモノがこびりついてしまった大人では、なかなか開ききれない(もう見えなくなってしまったり、見ようとしない)深い部分での自分というものを見つめていこうとしているようにすら見えます。

 ある生徒と放課後に保健室で・・・・30分以上も語り合っていました。

 「すごく恐い。次のステップに進もうとすると、とてつもない恐怖を感じてしまう」

 この子は、ひとつの段階を終え、バージョンアップするその過程にあります。


 あたらしい一歩踏み出そうとするとき、人間は、一番大きなエネルギーを消耗します。

 ちょうど、車が走り出すときみたいに。


 だから、マニュアル車で言うならローで進めばよいのです。


 いきなり、サードとかトップに入れて走らなくてもいいんです。

 「小さな目標にしようよ。」と提案しました。

  そして、


 「一度に完璧にそこまでいこうって思ってないかな」そうたずねました。

 「わたし、設定したハードル、高すぎたかも。。。。」彼女が言いました。



  ぼうぼうにはえた道のない草むらを、道にするためにどうする?


  道の幅のとおりに草を刈って完璧な道路にしながら進む?


  真中まで来て振り向いたら、はじめのほうに作った道にまた、草が生えてきてるかもしれないね。


  だから、姫先生は、もっと楽しくあほな方法でやるよ。


  目標の場所まで、草むらの中をどんどん歩く。


  はじめは大変だよ。だって、まったく道がないから。

  だから、細い筋だけつけるつもりで、歩いてみる。それくらいなら、けっこういけちゃうからね。

  一度歩いたら、なんとなく、道筋ができるじゃん。

 
  そしたら、それを10回くらい繰り返そうかな。


  ぼんやりついた道筋もくっきりしてくるくらいまで。

  そしたら、今度は、その遅い道筋をもう少し道幅を広げながら歩く。

  これも、くっきりするくらいまで、何回も続ける。そんなことを何度も何度も繰り返していると、

  いつのまにか広い道ができるじゃん。そんな感覚で、ひとつひとつをつなげてゆっくりやっていけばいいと思う。



 そして、自分のできたことをたくさん喜んでみる。まだあれもできてない、

 これもまだ・・・・って、自分のできてないことばかりに意識を向けるとむっちゃ苦しいじゃん。

 「そうだなぁ、私、いつもできてないことばかりに目をやって苦しんでいる。。。」

 自分の前に立ちはだかるさまざまな問題に、真正面から取り組んできた生徒。


 答えを自分で出して、悩んで、また答えを出して、そうやって、たくさんのことに気づいてきたじゃん。

 できたこと、たくさんあったよね。

 だれとの比較でもなく、あなた自身の中でたくさんの「小さな達成」があったこと、

 あなたの中にたくさんの価値があることに、もっともっと気づいてね。



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2 コメント

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ありがとうございます。 (ひろみん)
2007-11-24 22:37:35
いつも黒猫ゴンタ応援していただきありがとうございます、私も多分近い将来子供が授かり、子を育てて行き社会で役に立つ人として出して行かなければならない大きな役目を負うと思いますが他人まかせでなく親として常に見本(良し悪し)を見せ説明し理解させて行こうと思います。先生方と協力しながらも大きな母親としての責任を果たしたいです。
また遊びにきますね、あっ応援ポチ完了でぇ~す。
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Unknown ()
2007-11-27 11:15:58
ひろみんさん、コメントありがとう。

こどもたちって可能性の塊。もちろん大人だってそうです。

大人自身が楽しく生きている姿を見せることも1つの責任だよね。
いつも応援ありがとう
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