皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

十四節気 処暑

2023-08-24 21:20:08 | 生活

昼間の暑さはまだまだ厳しいものですが、朝晩の空気は涼やかで長かった暑さの峠も超えたように感じます。

「処」とは止まるといふ意味があり季節が入れ替わる頃を表します。

蓮の花の季節も終わりますが、「白光蓮」が最後の一輪を気高く花開かせていてその生命力に驚かされています。

稲穂も実り頭を垂れるまでになりましたが刈り入れまではもうしばらくかかりそうです。こうなってくると台風の到来がいよいよ恐い時期になります。毎年立春から数えて二百十日目と二百二十日目を農家の厄日として雑節として暦に記します。台風の特異日です。

当社においては末社の一つに風神社をお祀りします。御祭神は志那都比古命(しなつひこのみこと)。伊邪那岐、伊邪那美との間に生まれた風の神様です。ほかの末社には幣束を入れる社殿に扉がありますが、風神社にはありません。常に風を受けているのです。

 

 

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蓮始開(はすはじめてひらく)

2023-07-11 21:32:34 | 生活

小暑の次候にあたる「蓮始開」。仏教とともに渡来し蓮華とも呼ばれる蓮の花が開くころ。「泥(でい)より出でて泥に染まらず」と言われる通り蓮は古来より清らかさの象徴とされてきました。

蓮の花は深夜よに闇の中でひっそりと開き始め、完全に開くのは夜明けごろ。そして昼過ぎにはその花を閉じてしまいます。

また蓮の実の皮は厚く長期にわたって発芽能力を保ちます。

1951年に発見された弥生時代の蓮の実が二千年の時を超えて花を咲かせた「大賀ハス」は国内外で話題となりました。

1971年(昭和46年)行田市では小針地区にゴミ焼却場を建設するため造成工事を始めます。この時掘り起こされたのが地中深く眠っていた古代蓮の実であったそうです。1975年(昭和50年)の調査で行田の古代蓮は2500~3000年ほど前のものと判明したそうです。

ここ古代蓮の里が公園として開園したのは1995年(平成7年)のこと。わたしはここを高校時代に自転車で毎日走っていました。1988年(平成元年頃です)から1991年にかけて。まだ公園も整備されていない時代です。まさに一面の田んぼでした。

三十年後立派に整備され、日本一の田んぼアートの町となるとは夢にも思いませんでした。

多くの観光客が訪れる素晴らしい古代蓮の里を地元の住民として誇りに思います。

 

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筍箏生(たけのこしょうず) 立夏 末候

2023-05-23 22:35:46 | 生活

筍が顔を出す季節。春先に太く食べ応えある筍は「孟宗竹」という品種で三月中旬から出回るが、日本原産の「真竹」は五月の後半から旬を迎える。継ぎ目の輪が二本でやや細身が真竹。

継ぎ目が一本の輪で太いのが孟宗竹。

竹は生育が非常に早く一晩で一節伸びるとも。「筍の親優り」と言われ子供が親より優れていることわざもある。またこの時期雨も多くなり、次々と筍が生じる様を物事に例えて「雨後の竹の子」などと表現する。

竹はその根を地に張り巡らし、大地を鎮めると考えられることから地鎮祭の注連縄を張ることに用いられる。

写真は鴻巣の竹林公園。人の手が入らなければ「竹藪」となり美しく間引いて育てられれば「竹林」となる。何事も人の手間が大事なのだろう。

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立夏 初候 蛙始鳴 

2023-05-05 22:23:23 | 生活

朝晩の寒さも和らぎ蛙も鳴き声を上げる頃となります。暦の上では「夏」に入り田植えの準備として「苗代」の季節です。

当地区では例年五月の連休に苗代を行う農家が多いのですが、今年はまだ水が引かれていません。おそらく連休中の人手集めの関係だと勝手に思っていますが、無事に田植えまで進むことを祈っています。

御神前に蓮をご奉納いただき、毎日その様子を見守っているところですが、小さなカエルをよく目にします。蛙は必ず元の場所に戻る習性があることから「帰る」が語源とされています。

「お金が返る」「無事に帰る」といった縁起の良い対象として見られることも多いようです。

蛙が鳴き始める頃の眠くて仕方がない時期を「蛙の目借時」というそうです。「目借る」は「妻狩る」が転じたもので蛙がメスを求めて人の目を借りるからだといいます。

端午の節句に柏餅を食べるのはやはり縁起を担ぐためで、柏の木は新芽が出るまで葉が落ちないことに由来します。

旧暦五月は梅雨の湿気で伝染病の流行る時期だったといいます。

当社の疫神除の神事がこの時期に行われるのはそうした旧暦の行事であったことの名残なのでしょう。

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お天道様が見ているから

2023-01-07 13:22:16 | 生活

令和五年もすでに七日を過ぎ、年頭の挨拶も尽くされた感もありますが、こうして長年続けているブログに新年のご挨拶を申し上げます。
令和五年年頭に際し、皇室の弥栄をお喜び申し上げますと共に、皆さま方のご健勝とご多幸を祈念いたします。

本年の干支は癸卯(みずのとう)
陰陽五行による水の陰とうさぎ年。滴り落ちる水の恵みにより草木が芽吹き、うさぎの跳ねる飛躍の年だそうです。多くの方がそれぞれの願いを胸に初詣に出掛けたことでしょう。健康長寿、運気向上、家内安全、学業成就。願いは様々です。

五十代初の新年を迎え、思うことはたくさんありますが、私自身の今年の目標は普段からの生き方の指針を変えないことでしょうか。
具体性に欠けますが
「お天道様がみているから」こうした感覚を多くの人に広げたい。先行きの見えない少し不安な毎日のなかでも、私たちの祖先(身近なところで言えば祖父母や父母」が歩んできた道を踏襲し、次世代へと伝え行くことでしょうか。

改めまして当ブログをお読みいただきまして誠にありがとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い致します。
皆様にとって輝かしくも、穏やかな日々が続くことを祈っております。
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