皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

じゃがいも植えました

2022-02-27 23:34:30 | 生活

二月も末を迎えて、いよいよ春の農作業が始まりました。今年もじゃがいもの定植をしています。
毎年何を植えようか悩むところですが、ホームセンターで男爵の種芋を買って来ました。キタアカリ、メイクイーンなどいく種か販売されていますが、目に留まった男爵を選びました。
8㎏購入しすべて半分に割って植えるとかなりの量になります。

これを一人の作業だとからりしんどいところですが、母に加え近くに住む叔母が応援に来てくれたお陰で、半日作業を二日間で仕上げることができました。神社の神主とともに、あれ放題であった畑を引き継いで10年以上がたち、形だけは季節の野菜を育てることができています。土とともに生きる。こんな理想を叶えてくれる代々の土地を持つことができ、ご先祖様に感謝するばかりです。

植えかたについてあれこれ工夫をしますが、本に書いてあることを参考にしながら、素人農作業ではありますが楽しく育てています。稲藁をご近所から分けてもらっていますので、よく使っています。

朝のうちはやや上州の山々に霞がたなびきます。忍領から見ると真北に男体山が見えますね。

遠くの山々を眺めながら、作物を育てる。そんな日々を過ごしています。
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霞始棚引く(かすみはじめてたなびく)

2022-02-26 00:14:33 | 生活

春になると帯期v風の水滴や細かな塵が増え、遠くの山は靄がかかって景色がぼんやりと見えます。これを「春霞」と呼びますが、気象用語に「霞」という言葉はなく、「靄」「霧」「濃霧」という三段階で視界の程度を表すと言います。(ちょっと味気ない)

昔の人はたなびく霞を春の山々の衣装になぞらえて
「霞の衣」
「霞の袖」
「霞の裾」などと表現してきたようです。

春は霞、秋は霧、夜は「朧」と区別して多くの和歌に詠みこまれています。
そのうち靄や霧はかかると言いますが、棚引くと表現するのは霞だけ。
たなびくとは、霞や雲が横に長く引くような形で漂う様のことです。
赤く染まる夕霞は春の季語。花の季節の始まりのようです。
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第二節気 雨水

2022-02-20 23:38:38 | 生活

立春過ぎてはや半月。降っていた雪がいつしか雨に変わり、積もった雪や氷が本格的にとけだす頃。固く締まった土がゆっくりと潤い始め、春の気配に草木が蘇る季節です。

昨日降った雪はみぞれ混じりのかざはなで、遠くの山々が明るく見えるなかで、赤城、男体山といった上州の山から吹き下ろしの風にのってやって来る北武蔵特有のふりかたでした。
雪にも色々名前がつけられており、徐々に水分が多くなり結晶同士がくっつきやすく、大きな『花びら雪』、また花弁になぞらえた『牡丹雪』、すぐに消えてなくなる『淡雪』など様々です。
やがて糸を引くような『春雨』『暖雨』へと姿を変え、一歩ずつ春へと歩みを進めていきます。

花や草木に養分を与えるこの時期の雨を『養花雨』と呼びます。同様に雨水から春先にかけて降る雨は『甘雨』(慈雨』(催花雨』ともよばれ、昔の人々あが花々を愛で咲き誇る春を心待にしたことが伝わってきます。
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二十三節気 小寒

2022-01-17 20:51:15 | 生活

正月五日過ぎからが寒の入り。「小寒」「大寒」の二節気を合わせて「寒の内」といって一年で一番寒い一月間になる。寒中見舞いとはこの期間に出す書のこと。

小寒の時期は時に大寒よりも寒さが増すことが多く「小寒の氷、大寒に解く」ともいわれ、転じて物事が必ずしも順序通り運ばないことの例えにも使う。昔から寒の内に体を鍛えると丈夫になると言われ、寒中水泳や寒稽古などが風習として残る。

兼務社春日神社の新年初祈願際は毎年この時期に執り行われる。年末の大祓いよりも寒さが厳しいと身体が覚えている。先代宮司は寒稽古として小寒から立春まで毎朝大祓を奏上していたことを覚えている。

昔は一年で最初の満月となる一月十五日を正月として祝ったそうだ。それが今の小正月。現在でも小豆粥などを食べて無病息災を願う。正月中に休みなく働いた女性がひといきつくことができることから「女正月」とも称される。
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十七節気 寒露

2021-10-12 20:21:26 | 生活
昨日までの真夏日が遠い記憶のように、今日は朝晩の冷え込みが秋らしく冷え込んだ一日となった。早いもので秋の節気も残すところ二つ。
草木に宿る露が冷たく感じられるようになる。寒露のころに感じる寒さのことを「露寒」と呼び、露が凍りかけて霜が混ざったような状態のことを「露霜」という。露と霜とが繰り返しめぐってくることから「年月」という意味もあるという。

秋が深まるにつれ、夕暮れから急激に日が沈んでいく様を「秋の日は鶴瓶落とし」と表現するが、鶴瓶とは井戸から水をくみ上げる桶のこと。

夕方の空はあっという間に夜の闇へと包まれてゆく。


神宮においては(伊勢)神嘗祭を迎える季節。五穀豊穣に感謝し天皇陛下が初穂を天照大神に奉る宮中祭祀として毎年十五日に祭祀が執り行われる。戦前までは祭祀が終了する十七日が国民の祭日として祝われていた。新嘗祭と同様神宮において最も由緒ある祭事である。
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