皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

防災体験学習~災害時中学生は避難所で何ができるか

2023-11-20 20:19:36 | 生涯学習

地元中学校にて家庭教育セミナーに参加しました。防災教育体験学習として行われ、テーマは「災害時に中学生は避難所で何ができるか」令和元年10月の台風の際、ここ忍中学校も避難所として開設されたことがあります。私はPTAの役員として参加しました。
主催は地元自治会も合同ということになり多くの参加者が集いました。
実際の中学校での避難所開設を想定して、全体の指揮運営は校長先生が行ってくださいました。防災の専門職の方を招聘せず、校長先生ご自身が工夫して指導する素晴らしい中学校です。
教育目標は「自ら学びともに鍛え未来を拓く」私が中学生時代から変わらぬ校訓「自治・共同・勤勉」の精神が脈々と受け継がれています。
取り組みの一つとして段ボールベットの作成です。令和元年の台風避難の際私も地元小学校へ家族と避難しました。一晩学校で過ごす際には毛布の配布がありましたが、床で横にならざるを得ず、非常につらい時間であった記憶があります。段ボール箱の中に「補強板」を入れ強度を増し、6個並べてひもで固定します。段ボールの上にブルーシートをかけ毛布を敷くと弾力と保温性が向上し、とても寝心地の良いものができました。
中学生の班は皆で寝転がってしまいます。取り組みの二つ目は非常食の調理です。アルファー米と呼ばれる乾燥米を水でもどして食べます。味を付けるためわかめご飯にしたり、ストーブで沸かしたやかんのお湯からも作ります。非常食というと缶詰や乾パンというイメージがありますが、水が確保できればこうしてごはん類も作成できることを知りました。5㎏のアルファー米に対して8Lの水(お湯)を加え約50人前のわかめご飯ができます。
出来上がったわかめご飯は塩気もあり十分おいしく食べることができました。
中学校の体育館で行われた今回の防災体験学習で最も強く感じたことは、世代間交流の大切さです。普段同じ地区で生活していても小中学校と地元住人との交流は非常に少ないのが現実です。一方公民館活動などを通じ、地元の高齢者の方は同世代で活発に生活していることがわかります。災害時に一緒になれば協力して助け合うことは勿論、こうした普段の生活でこそ交流の場を持つことが大事なのではないかと感じました。終了時の挨拶では自治会の方から、非常に楽しかった、中学生と一緒にできて本当に良かったとの声を頂きました。残念ながら共同で声をかけたPTAからの参加者ほとんどなく役員である私を除いてほとんどいらっしゃいませんでした。
このあたりに今の日本の閉塞感、もどかしさを覚えます。極端に少なくなった子供世代、子育てにや仕事に追われる現役世代、活力はあるが活躍の場を求めている高齢者世代。
「縦の糸、横の糸、織りなす布はいつか誰かを温めうるかもしれない」
こうしたことに多くの人が気づいてほしいと願います。


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