謝礼は、3,000ポイント。
さっそくウンベルト・エーコ『バウドリーノ(上下)』を発注。
さて、『異形の大国 中国』である。
●悪夢のような中国進出の実例
「旭エンジニアリング」は、資本金2,500万円、社員75名の農機具メーカー。2006年現在は自動車生産用ロボットを中心とする精密機械製造が重点だが、この話の当時は農機具が主力だった。
バブル崩壊前の90年代初め頃から、海外の拠点を探し始めた。1996年、中国進出を決めた。
幾つかの候補地を視察し、中山威力集団公司に行きついた。香港から珠海を経由し、さらに車で5時間ほどの経済開放区である。
建物はあったが、がらんどう。日本から持ちこんだ機会を据えて農機具を作った。96年に契約を締結し、もっとも簡単な田の土掘り機を作らせた。社員4名を派遣して指導した。中国人社員は650名にのぼった。
部品製造の機械の図面をわたし、金型を貸与し、社員を送りこんで指導した。中国側からの支払いは一切なかった。
3年目にようやく生産開始となったが、旭エンジニアリングは驚いた。値段が当初の予定より数倍も高かったのだ。
それだけではない。
中国ではどうしても作れない部品があり、4,000個送った。ところが、紛失した、という。至急同じものをもう一度送った。すると、2週間待ってくれ、同じものを中国で調達する、という。旭エンジニアリングの技術の粋を集めた部品だのに。
2週間して出てきたのは、旭エンジニアリングが送った部品だった。公安当局に訴える、という「旭エンジニアリング」側に通訳が宣うた。「怒ってはならない、日本は日中戦争でひどいことをしたじゃないか」
スッタモンダの末に、農機具ができあがった。その第一陣が日本で販売された途端に苦情が殺到した。ネジを圧力で加減せず、力いっぱい締めて切っていた。それを隠すために新聞紙を巻いてハンマーで叩き、塗料を塗ってごまかしていた。目視検査ではわからない。入れた燃料が漏る、という苦情を受けて分解すると、ネジ山がつぶれ、折れていた。
説明を求めると、中国側は言った。「我々はそんなことは絶対していない。日本人の仕業に違いない」
旭エンジニアリングは、ネジの欠陥部分を埋めるのに使用された新聞紙を広げて写真を撮り、突きつけた。「中国語の新聞じゃないか。これでもシラを切るのか」
それでも彼らは言い張った。「日本人の陰謀だ」
持ちだした費用はすでに3億円を越えていた。中堅企業には痛手だが、撤退を決めた。
機械類の撤収の準備を始めると、中国側が待ったをかけた。置いて行ってくれ。
代金を払うわけでもない。断ると、「輸出許可を出さない」と言い始めた。
旭エンジニアリングは、主要な部品や金型をすべて破壊した。
同社は、中国人労働者の中の優秀な人材を6名、日本に呼んで勉強させ、技術を伝授した。中国に戻った途端、彼ら全員が他企業に高い給与を求めて移った。「経費も払ってもらって世話になったと感謝し、少しでも報いようとした中国人は、一人もいなかったのである」
【参考】櫻井よしこ『異形の大国 中国 -彼らに心を許してはならない-』(新潮文庫、2010)
↓クリック、プリーズ。↓
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さっそくウンベルト・エーコ『バウドリーノ(上下)』を発注。
さて、『異形の大国 中国』である。
●悪夢のような中国進出の実例
「旭エンジニアリング」は、資本金2,500万円、社員75名の農機具メーカー。2006年現在は自動車生産用ロボットを中心とする精密機械製造が重点だが、この話の当時は農機具が主力だった。
バブル崩壊前の90年代初め頃から、海外の拠点を探し始めた。1996年、中国進出を決めた。
幾つかの候補地を視察し、中山威力集団公司に行きついた。香港から珠海を経由し、さらに車で5時間ほどの経済開放区である。
建物はあったが、がらんどう。日本から持ちこんだ機会を据えて農機具を作った。96年に契約を締結し、もっとも簡単な田の土掘り機を作らせた。社員4名を派遣して指導した。中国人社員は650名にのぼった。
部品製造の機械の図面をわたし、金型を貸与し、社員を送りこんで指導した。中国側からの支払いは一切なかった。
3年目にようやく生産開始となったが、旭エンジニアリングは驚いた。値段が当初の予定より数倍も高かったのだ。
それだけではない。
中国ではどうしても作れない部品があり、4,000個送った。ところが、紛失した、という。至急同じものをもう一度送った。すると、2週間待ってくれ、同じものを中国で調達する、という。旭エンジニアリングの技術の粋を集めた部品だのに。
2週間して出てきたのは、旭エンジニアリングが送った部品だった。公安当局に訴える、という「旭エンジニアリング」側に通訳が宣うた。「怒ってはならない、日本は日中戦争でひどいことをしたじゃないか」
スッタモンダの末に、農機具ができあがった。その第一陣が日本で販売された途端に苦情が殺到した。ネジを圧力で加減せず、力いっぱい締めて切っていた。それを隠すために新聞紙を巻いてハンマーで叩き、塗料を塗ってごまかしていた。目視検査ではわからない。入れた燃料が漏る、という苦情を受けて分解すると、ネジ山がつぶれ、折れていた。
説明を求めると、中国側は言った。「我々はそんなことは絶対していない。日本人の仕業に違いない」
旭エンジニアリングは、ネジの欠陥部分を埋めるのに使用された新聞紙を広げて写真を撮り、突きつけた。「中国語の新聞じゃないか。これでもシラを切るのか」
それでも彼らは言い張った。「日本人の陰謀だ」
持ちだした費用はすでに3億円を越えていた。中堅企業には痛手だが、撤退を決めた。
機械類の撤収の準備を始めると、中国側が待ったをかけた。置いて行ってくれ。
代金を払うわけでもない。断ると、「輸出許可を出さない」と言い始めた。
旭エンジニアリングは、主要な部品や金型をすべて破壊した。
同社は、中国人労働者の中の優秀な人材を6名、日本に呼んで勉強させ、技術を伝授した。中国に戻った途端、彼ら全員が他企業に高い給与を求めて移った。「経費も払ってもらって世話になったと感謝し、少しでも報いようとした中国人は、一人もいなかったのである」
【参考】櫻井よしこ『異形の大国 中国 -彼らに心を許してはならない-』(新潮文庫、2010)
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