(1)7月22日、東京電力は定例会見を開き、初めて、福島第一原発で汚染水が海洋に流出していることを認めた。
参議院選挙の翌日に、なぜ発表したのか。
記者会見は紛糾した。
(2)同日、分厚い資料を配付し、1時間以上にわたる冒頭説明の締めくくりで東電は結論を述べた。
本年5月以降にNo.1観測孔で確認された汚染を含む地下水の開渠内【注】への行き来が考えられる、うんうん。
Q:「開渠内への行き来」という表現をしているが、はっきり言ってくれ。これは海洋への漏洩を東電が認める、ということか?
A:はい。
(3)会見場から、非難の声が相次いだ。
5月、地下水から高濃度の汚染が検出された。
6月、その調査のために地下水の観測孔を作った。そのとき、海から4m付近の地下水に高濃度汚染が見つかった。
Q:そんなに海に近い部分の地下水が汚染vされているなら、海洋にも漏れているのではないか? (1ヵ月以上繰り返した質問)
A:海水の放射性物質の値に顕著なものは見られない(海洋への漏洩を認めない)。
(4)7月10日(選挙期間中)、記者会見で、田中俊一・原子力規制委員会委員長は認めた。「海洋の汚染は、大なり小なり続いていると思う。事故時に一番汚染したが、その後もずっとこの2年間続いていると思う」
それでも東電いわく、「データを蓄積しないと判断できない」。
と・こ・ろ・が、参議院選挙で与党(自民党・公明党)の勝利が確定した翌日、記者会見で、尾野昌之・東電立地本部長代理はこれまでとは一転した発表を行った。「少なくとも5月から海洋へ汚染水が漏洩していた」
おしどりマコ・ケンは、6月以来、潮汐と降雨と地下水の評価、地下水の水位を出してほしい、と質問していたが、この日、1月からの評価データが発表された。
Q:質問していたデータが存在したのに、なぜ公表しなかったのか?
A:意を尽くせてないところは申し訳なく思います。【茶番】
(5)東電は、港湾内への漏洩を認めたが、港湾外への漏洩はまだ認めていない。
Q:港湾内の海水の動き、潮汐などでの濃度の希釈をどう評価しているか?【昨年来の質問】
A:評価が難しい。【無回答】
(6)港湾内の海水は、毎日44%程度入れ替わっている。【2012年、神田穰太・東京海洋大学教授の研究グループ】
要するに、汚染された地下水は港湾内に流れ込み、潮汐により、港湾外に出ていっている。
(7)福島第一原発の5、6号では取水口から放水口に流れがあり、今の実施計画上6,500立米/時の流れがある。つまり、5、6号機は廃炉になっていないので、冷却機能g生きている。海水による冷却が行われており、海水ポンプが働いていて、取水口からは海水が汲み上げられ、その水は放水口から放水されている。その流れが6,500トン/時なのだ。港湾内の水が5、6号機の復水器を通って放水口から外海へ放出されていた。【金城慎司・原子力規制庁東京電力福島第一原子力発電所事故対策室長、第13回特定原子力施設監視・評価検討会、6月28日】
東電は、現在、「汚染した地下水は港湾内に漏洩しているが、汚染は港湾内にとどまっている」としているが、現時点ではまだ評価していない。
(7)海洋へ漏洩した汚染水は、濃度しか発表されていない。
総量、拡散の評価は一切発表されていない。
漏洩開始時期も、「少なくとも5月から」としか発表されていない。
(8)放射性物質の濃度が基準以下の水を海に捨てられるようにしないと、にっちもさっちもいかない。【田中委員長、7月24日】
漁民の怒りに脂が注がれた。
福島第一原発事故の収束はあまりに遠い。しかも、収束に至る計画はズサンだ。
【注】開渠=福島第一原発の港湾内の取水口を囲む部分。
□おしどりマコ・ケン「福一原発で汚染水が海洋流出」(「週刊金曜日」2013年8月2日号)
【参考】
「【原発】福島第一原発周辺の海水汚染続く ~魚介累から放射性セシウム~」
「【原発】【食】東日本太平洋沖で獲れた魚介類8体からセシウム検出」
↓クリック、プリーズ。↓
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参議院選挙の翌日に、なぜ発表したのか。
記者会見は紛糾した。
(2)同日、分厚い資料を配付し、1時間以上にわたる冒頭説明の締めくくりで東電は結論を述べた。
本年5月以降にNo.1観測孔で確認された汚染を含む地下水の開渠内【注】への行き来が考えられる、うんうん。
Q:「開渠内への行き来」という表現をしているが、はっきり言ってくれ。これは海洋への漏洩を東電が認める、ということか?
A:はい。
(3)会見場から、非難の声が相次いだ。
5月、地下水から高濃度の汚染が検出された。
6月、その調査のために地下水の観測孔を作った。そのとき、海から4m付近の地下水に高濃度汚染が見つかった。
Q:そんなに海に近い部分の地下水が汚染vされているなら、海洋にも漏れているのではないか? (1ヵ月以上繰り返した質問)
A:海水の放射性物質の値に顕著なものは見られない(海洋への漏洩を認めない)。
(4)7月10日(選挙期間中)、記者会見で、田中俊一・原子力規制委員会委員長は認めた。「海洋の汚染は、大なり小なり続いていると思う。事故時に一番汚染したが、その後もずっとこの2年間続いていると思う」
それでも東電いわく、「データを蓄積しないと判断できない」。
と・こ・ろ・が、参議院選挙で与党(自民党・公明党)の勝利が確定した翌日、記者会見で、尾野昌之・東電立地本部長代理はこれまでとは一転した発表を行った。「少なくとも5月から海洋へ汚染水が漏洩していた」
おしどりマコ・ケンは、6月以来、潮汐と降雨と地下水の評価、地下水の水位を出してほしい、と質問していたが、この日、1月からの評価データが発表された。
Q:質問していたデータが存在したのに、なぜ公表しなかったのか?
A:意を尽くせてないところは申し訳なく思います。【茶番】
(5)東電は、港湾内への漏洩を認めたが、港湾外への漏洩はまだ認めていない。
Q:港湾内の海水の動き、潮汐などでの濃度の希釈をどう評価しているか?【昨年来の質問】
A:評価が難しい。【無回答】
(6)港湾内の海水は、毎日44%程度入れ替わっている。【2012年、神田穰太・東京海洋大学教授の研究グループ】
要するに、汚染された地下水は港湾内に流れ込み、潮汐により、港湾外に出ていっている。
(7)福島第一原発の5、6号では取水口から放水口に流れがあり、今の実施計画上6,500立米/時の流れがある。つまり、5、6号機は廃炉になっていないので、冷却機能g生きている。海水による冷却が行われており、海水ポンプが働いていて、取水口からは海水が汲み上げられ、その水は放水口から放水されている。その流れが6,500トン/時なのだ。港湾内の水が5、6号機の復水器を通って放水口から外海へ放出されていた。【金城慎司・原子力規制庁東京電力福島第一原子力発電所事故対策室長、第13回特定原子力施設監視・評価検討会、6月28日】
東電は、現在、「汚染した地下水は港湾内に漏洩しているが、汚染は港湾内にとどまっている」としているが、現時点ではまだ評価していない。
(7)海洋へ漏洩した汚染水は、濃度しか発表されていない。
総量、拡散の評価は一切発表されていない。
漏洩開始時期も、「少なくとも5月から」としか発表されていない。
(8)放射性物質の濃度が基準以下の水を海に捨てられるようにしないと、にっちもさっちもいかない。【田中委員長、7月24日】
漁民の怒りに脂が注がれた。
福島第一原発事故の収束はあまりに遠い。しかも、収束に至る計画はズサンだ。
【注】開渠=福島第一原発の港湾内の取水口を囲む部分。
□おしどりマコ・ケン「福一原発で汚染水が海洋流出」(「週刊金曜日」2013年8月2日号)
【参考】
「【原発】福島第一原発周辺の海水汚染続く ~魚介累から放射性セシウム~」
「【原発】【食】東日本太平洋沖で獲れた魚介類8体からセシウム検出」
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