語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【原発】福島県内各地の放射線量 ~2013年夏~

2013年09月17日 | 震災・原発事故
(1)南相馬市小高区
 ・位置・・・・フクイチから16km(避難指示解除準備区域)
 ・空間線量率・・・・0.1023μSv/時
 ・市街地にアライグマが出現するようになった。住民が消えた結果、人と野生動物との関係が大きく変化している。人が消えた家屋は、アライグマたちには格好のねぐらになっている。浜通りにメダカ(環境省レッドリスト・絶滅危惧種Ⅱ類)が復活しつつあるが、放射能汚染エリアだ。ここから南に13kmの浪江町井出猿田築(帰宅困難区域)のため池のメダカから、環境省調査(2012年)によって、7,740~35,700Bq/kgの放射性セシウムが検出されている。

(2)双葉郡楢葉町木戸川
 ・位置・・・・フクイチから17km(避難指示解除準備区域)
 ・空間線量率・・・・0.571μSv/時 
 ・木戸川のアユといえば、かつては天皇家に献上されていたほどの名産品。放射能のせいで、それが全部ダメになった。同町から1km北川を流れる井出川も。浜通りのほとんどの川では遊漁は当分の間は不可能だ。国の一般食品の放射性セシウム基準値(100Bq/kg)を超えているからだ。ヤマメ・イワナも同様。川底の汚染が長引くのは、川を取り巻く森が放射能の供給源になっていることが一因だ。

(3)双葉郡川内村平伏沼
 ・位置・・・・フクイチから28km
 ・空間線量率・・・・0.157μSv/時 
 ・川内村の東側3分の1は「20km圏内」、「居住制限区域」「避難指示解除準備区域」。その外側で暮らし続けると、ICRPが勧告する公衆の線量限度(1mSv/年)を超えるか超えないかの被曝は免れない。野生のヤマメ・イワナから以前数十~数百Bq/kgと、を超える個体が見つかっている。特産のキノコ、山菜、イノシシ肉などに対する国からの出荷制限指示も続いたまま。

(4)耶麻郡猪苗代町<マタギサミット>
 ・位置・・・・フクイチから78km
 ・空間線量率・・・・0.108μSv/時 
 ・地上1cmで最高208μSv/時とか、桁違いに汚染度の高い場所がちょこちょこある。人間が長く過ごすには危険すぎて、動物の駆除どころではない。イノシシ肉出荷規制区域は、2013年7月5日現在、全県に及ぶ。

(5)いわき市猿倉公園ため池
 ・位置・・・・フクイチから39km。浜通り。
 ・空間線量率・・・・0.140μSv/時 
 ・猿倉公園ため池は、いわき市内のため池2ヵ所のうちの一。標高200m。台風など大雨が降ると、セシウムがどんどん蓄積されていく。汚染水漏洩は制御されていない。低レベル汚染は、今後も長期にわたり続くと目される。

□平田剛士(フリーランス記者)「今、福島の森と川で何が起きているのか」(「週刊金曜日」2013年9月13日号)
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