厚生労働省は、現在の暫定規制値でもリスクがあるが、リスクをもっと減らすために、食品中の放射性物質に係る基準値を5分の1にした(ただし、厚労省は「安全・安心」の基準値と称する)。
そして、新基準値(年間線量1mSv)の根拠を、世界的な食品規格を決定するコーデックス委員会が食品からの被曝線量の限度を年間1mSvと定めているからだ、と厚労省は説明する。
しかし、コーデックス委員会のガイドラインは、原発事故などが起きた際の国際貿易に係る基準だ。食品以外からは被曝しない、ということを前提としている。
ところが、原発事故を起こした国では、食品のほかにも、外部被曝も受ける。
したがって、食品だけで1mSvを占めてよい、という厚労省の議論は、食品以外のものを含む全体でそれ以上の被曝線量を受けてもよい、と認めているに等しい。
総量限度については、コーデックス委員会は考慮していない。
当然、厚労省も考慮していない。
以上、植田武智「食品中の放射性物質 新基準値でリスクはどうなる?」(「週刊金曜日」2012年1月27日号)に拠る。
*
厚生労働省は新たな食品の放射能基準を打ち出したが、とても安心できる通常規則ではない。
(a)基準値がまだまだ高い。
(b)外部被曝や呼吸被曝を度外視している。
(c)セシウム以外の危険な放射性物質を軽視している。
(d)被災地をはじめ、全国的に検査用機器類が少ない。今後も「ザル検査」が続く。
しかも、日常生活の放射能基準に多くの「穴」がある。
(1)食品加工補助産品に基準がない。<例>米ぬか。
(2)煙草に規制値がない(JTの自主基準のみ)。
(3)放射能を貯めこみやすい高リスク食品への警戒が弱い。<例>キノコ、定着性海産物(<例>ナマコ)、海藻、ベリー類、乳製品。
(4)非常用を含む日用品原料について規制も検査も薄い。<例>家畜資源(医療・化粧品用)、食塩、漢方薬原料、皮革、木材、線香、工業原料用農産水産物。
以上、田中一郎「穴だらけの放射能の新基準」(「週刊金曜日」2012年1月27日号)に拠る。
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そして、新基準値(年間線量1mSv)の根拠を、世界的な食品規格を決定するコーデックス委員会が食品からの被曝線量の限度を年間1mSvと定めているからだ、と厚労省は説明する。
しかし、コーデックス委員会のガイドラインは、原発事故などが起きた際の国際貿易に係る基準だ。食品以外からは被曝しない、ということを前提としている。
ところが、原発事故を起こした国では、食品のほかにも、外部被曝も受ける。
したがって、食品だけで1mSvを占めてよい、という厚労省の議論は、食品以外のものを含む全体でそれ以上の被曝線量を受けてもよい、と認めているに等しい。
総量限度については、コーデックス委員会は考慮していない。
当然、厚労省も考慮していない。
以上、植田武智「食品中の放射性物質 新基準値でリスクはどうなる?」(「週刊金曜日」2012年1月27日号)に拠る。
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厚生労働省は新たな食品の放射能基準を打ち出したが、とても安心できる通常規則ではない。
(a)基準値がまだまだ高い。
(b)外部被曝や呼吸被曝を度外視している。
(c)セシウム以外の危険な放射性物質を軽視している。
(d)被災地をはじめ、全国的に検査用機器類が少ない。今後も「ザル検査」が続く。
しかも、日常生活の放射能基準に多くの「穴」がある。
(1)食品加工補助産品に基準がない。<例>米ぬか。
(2)煙草に規制値がない(JTの自主基準のみ)。
(3)放射能を貯めこみやすい高リスク食品への警戒が弱い。<例>キノコ、定着性海産物(<例>ナマコ)、海藻、ベリー類、乳製品。
(4)非常用を含む日用品原料について規制も検査も薄い。<例>家畜資源(医療・化粧品用)、食塩、漢方薬原料、皮革、木材、線香、工業原料用農産水産物。
以上、田中一郎「穴だらけの放射能の新基準」(「週刊金曜日」2012年1月27日号)に拠る。
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