語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【震災】原発>知りながら問題を放置し続けた経産省 ~コンクリート汚染~

2012年01月31日 | 震災・原発事故
 コンクリートの放射能汚染が福島県二本松市で発覚した。
 「双葉砕石工場」は、福祉島第一原発事故後も、計画的避難区域内の浪江町にもつ採石場の石を屋外に積み上げ、避難区域に指定される昨年4月22日まで出荷を続けていたのだ。汚染の恐れがある砕石5,725トンが県内19社に出荷され、福島市内の民家、二本松市内の2小学校、福島県本宮市内の川の護岸工事など1,000ヵ所以上で使用された可能性がある。

 ところで、昨年5月26日、福島県は土木部長名で、国に概要次のように問い合わせた。
 <資材等の使用、搬出及び搬入時の移動に伴う放射線量の基準が無く判断できない状況にあり、復旧工事で支障が出ております。今後、復旧工事が継続不可能になることが懸念されるため、資材の使用及び移動に伴う放射線量の判断基準及び対応方法について早急に御提示願います。>
 そして、金属スクラップ、紙くず、ガラスくず、砕石、土砂など23の原料名を列挙した。
 しかし、いまだに国の回答はない。福島県土木部の担当者は何度も催促したが、経産省の担当者は「検討中」と返事するのみ。

 コンクリートについては、昨年6月、100Bq以下という基準値を国は設けた。
 では、なぜ福島県の問いを放置したのか。
 セメントは原料となる下水汚泥の汚染が見つかったため基準を作った。砕石や砂利は汚染が確認されたわけではなく、そこまで話が進まなかった。【この案件を経産省から引き継いだ内閣府被災者生活支援チームの担当者】
 要するに、問題が表面化するまで国は何も手を打たない、ということだ。

 今のような対応を繰り返していると、汚染地域から持ち出された原材料で、意図せずに人工的なホットスポットが増えていく可能性がある。それを防ぐためにも、汚染が懸念される地域から出荷される原材料は何であれ、逐一放射線量を測るようにすべきだ。【福士政広・首都大学東京教授】

 稲わら汚染と同様に、コンクリート汚染が全国に広がる恐れはないか。
 福島県産の砕石は、2010年は3,991トンのうち、宮城県に278トン、栃木県に150トン、神奈川県に14トンなど、一部は県外にも出荷されている。

 以上、神田知子/永井貴子/篠原大輔(本誌)「コンクリートの放射能汚染、拡大 福島県の懸念を黙殺した国の大罪」(「週刊朝日」2012年2月3日号)に拠る。
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