語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【食】1日3杯までなら死亡リスクを低下させる ~コーヒー善玉説~

2016年07月30日 | 医療・保健・福祉・介護
 (1)コーヒーは、最近の研究で健康によいことがわかってきた。
 WHOは、2016年6月、「コーヒーは癌を引き起こす可能性がある」とした1991年の発表を取り下げ、「コーヒーに発癌性はなく、逆に癌を抑制する可能性がある」と発表した。
 日本では、国立がん研究センターによる9万人を対象とする追跡調査で
   「1日4杯までであれば、飲む量が増えるほど死亡リスクが低下する」
   「1日3~4杯飲む人の死亡リスクは、全く飲まない人に比べて24%も低い」
ことが明らかになっている。特に心疾患、脳血管疾患などの死亡リスク低下が顕著だ。

 (2)別の研究では、コーヒー摂取が肝癌リスクを低下させるのは「ほぼ確実」で、子宮体癌についても低下させる「可能性あり」という結果も出ている。
 コーヒーは糖尿病を抑制するという報告もある。肝癌や子宮体癌は、糖尿病になるとかかりやすくなる癌。つまり、コーヒーによって糖尿病リスクが下がり、肝癌や子宮体癌のリスクを下げているとも考えられる。

 (3)コーヒーがさまざまな病気の発症を抑えるメカニズムはまだよくわかっていない。ただ、ポリフェノールの一種、クロロゲン酸の抗酸化作用が関係していると考えられる。
 スターバックスなどのチェーン店だけでなく、コンビニも挽きたてのコーヒーが飲めるようになり、日本国内のコーヒー消費量は2015年、過去最高を記録した。
 だが、たくさん飲めばよい、ということではない。カフェインの大量摂取は危険。事実、2015年、エナジードリンクを頻繁に飲んでいた男性がカフェイン中毒で死亡した。
 体に悪影響を及ぼさないカフェインの1日最大摂取量について日本には基準がないが、海外では健康な大人であれば400mgとされ、コーヒーだと3杯程度。癌リスクを下げる効果と、カフェインの悪影響と、双方を考えると1日3杯までが適量といえそうだ。
 エナジードリンクのカフェイン含有量は1本当たり80~180mgなので、エナジードリンクを飲む日はコーヒーを控えめに。
 また熱い飲み物は食道癌のリスクを「ほぼ確実に上げる」とされているので、熱々を飲むのも避けたほうがいい。
  
□石臥薫子・柳堀栄子(編集部)「コーヒー善玉説に一日3杯までが○ ~食べていい・悪いの境界線~」(「AERA」2016年7月25日号)
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 【参考】
【食】トランス脂肪酸は10年前の10分の1 ~マーガリン~
【食】グルテンの中毒性、仮説を明確に否定 ~パンやうどん~
【食】野菜は水にさらし、炒めるより蒸す ~アクリルアミド~
【食】毎日ハム5枚は多すぎ、気にすべきは量 ~亜硝酸ナトリウム~

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