その工場では古紙からトイレットペーパーを作っています。
その工程を見学させてもらいました。
工場内は写真撮影禁止でしたので、残念ながら写真はありません。
工場の外見だけ
緑のカーテンがありました。
川崎市ではミックスペーパーと言って、汚れた紙以外の紙は資源ゴミとして回収しています。
その回収された紙ゴミと一般の企業から出された書類などの紙ゴミで(有料で引き取るそうです)
この工場ではトイレットペーパーを作っています。
私でも知っている、よく近所のスーパーで見かける再生紙のトイレットペーパーでした。
運び込まれる紙はビニールや金具付のままでもOKです。
一般の企業から有料で引き取るものは、秘密保持の為に書類のファイルなどがそのまま
段ボール箱に入った状態で入れられて来ます。
それらの物は皆、一旦水につけられて溶かされます。
溶かされた紙からトイレットペーパーの製品になるには1日半から2日かかるそうです。
途中の行程で金属やビニール、プラスチックは取り除かれます。
取り除かれた金属類は、買い取ってくれる業者がいるそうです。
また、プラスチック類は、できた紙を乾かすドライヤーの役目をする機械を動かす燃料になります。
なので、入った原料は何も無駄にしないように工夫されています。
また、製紙業には大量の水が必要となります。
しかし、川崎の沿岸部には水がありませんでした。
それを中水(下水処理した水)を使う事でクリアしました。
ここで使われた中水は、ここの処理施設で再び処理して流されます。
処理施設から出る水の水質調査は随時川崎市にデータがいく様になっているとのことです。
そして、電気は、同じ工業団地内の製鉄工場の発電所から買っているので
今回の東京電力の計画停電には何の影響も受けることなく
24時間操業を続けられたのだそうです。
トイレットペーパーの原料ですが、先のミックスペーパーとオフィスゴミに加えて
牛乳パックを混ぜて作るのだそうです。
牛乳パックは三層になっています。
外側をフィルムに挟まれて、真ん中は上質な白い紙です。
その紙を混ぜる事で紙の質が良くなるのだそうです。
それを聞いて私は今まで牛乳パックの分別は気にしていなかったので、
これからはちゃんと分別しようと思いました。
この工場で作るトイレットペーパーの品質は一定に保つ事は難しいそうです。
その日に持ち込まれたミックスペーパーの内容によってその日ごとに変わってしまうのだそうです。
品質が悪くなりそうだと牛乳パックを混ぜる量を多くして調整しているそうです。
なので普通には気がつかないほどの違いだと思います。
私も再生紙のトイレットペーパー買っていますが前の物と紙質が違うなと感じた事はありません。
ちなみに東日本では6:4の比率でダブル、西日本では同じ比率でシングルが人気との事です。
地域によって好みがあるのですね。
トイレットペーパーについて考えた事
一度使ったら再生できないトイレットペーパーを作るために
新しいパルプが使われるのは勿体ない。
トイレットペーパーの質がどのこうの肌触りがどうのこうのと
高級品のトイレットペーパーを使っている国はどのくらいあるのだろう。
それって傲慢な事ではないのかなと感じました。
世界的に見れば、トイレで紙を使っている国は少ないとのことでした。
考えてみれば、昔は貴重品だった紙を、誰がいつの時代からトイレで使い出したのだろう?
最初のウォシュレットが出た時、温水で洗って温風で乾かすようになっていました。
それだと紙を使わないですむわけです。
けれど日本人はせっかちなのか、不安なのか、紙を使わずに用を済ませる人は少ない様でした。
私もこの度の大震災の影響で、トイレットペーパーやティッシュが店頭から消えたとき
トイレットペーパーやティッシュがなければ生きていけない!!くらいに感じてしまっていました。
紙を使う事に慣らされている国に住んでいるってことですね。