市さんの自然との対話日誌

里山師、釣師を自称のオヤジが遠州の山間地に3千坪の山林を購入、自給自足を目指し田舎暮らし開始。魚釣、生き者達との対話

夜の遠野物語

2015-09-07 10:43:33 | 
 閉伊川、猿ヶ石川、5日間の渓流釣りを堪能したけど、オラの左ひざはかなりのダメージを受けている。翌日は静岡に早朝出発という前の宿泊はビジネスホテル鍋城の素泊まり。夜の遠野の街をKB君と散策じゃ。遠くに来た時、呑み屋を探すのがこれまた楽しいのだ。

 呑み屋、食べ物屋はそこそこあるが土曜の晩にもかかわらず人はあまりいない。

 いくつか呑み屋の候補を定めた後、”恋灯り”という店の名前に惹かれ入店。一見、長身で、スマートで若そうなお姉ちゃんが笑顔でお出迎え。それ以上は言うまい。

 生ビール、冷酒、枝豆、ホタルイカの沖漬、タコのから揚げ、ホルモン煮物、ハタハタの塩焼き、おしんこ、キノコなど、安くて美味かった。
 
 


 もう一軒ということで、昔(5年以上前)入ったことがある地元の人しか入りそうもない裏路地の呑み屋に行くこととした。”やっちゃん”という店の名前を、うろ憶えている。でもなんとなくこの辺かなという場所を探したが見当たらない。
 KB君が暗い家から出てシャッターを下ろしてきた人に聞いてくれた。『 ”やっちゃん”という店を知らないか?』  すると奇跡にも知っていると。『以前あった場所は市役所ができるので立ち退いて引っ越した。小柄のおばあちゃんが一人でやっているところですよね。』

 引っ越し場所を教えてもらって、スナックなどが並ぶ路地を一通り探したが無い。半ば諦めたが、KB君が一つだけ赤提灯がかかっているところで聞いてみると言う。近づいて見ると ”えっちゃん”と書いてあり、ドアを開けるとうっすら見覚えのあるママがいた。オラが店の名前を間違えて覚えていたのだ。 もちろん先方はオラのことを覚えているはずがない。でも昔来たことがあるというと喜んで迎えてくれた。
 昔一人で入ったときは完全アウェイで、地元の人が数人カウンターに座っていて、最初はよそ者を警戒していた風だったけど、そのうち打ち解けてきた。右隣の人は菊池ユウスケ(これもうろ覚え)といって渓流釣りが好きで、こんどオラが来たときはえっちゃんが電話番号を知っているので、ここから呼び出してくれれば大物が釣れる場所に連れて行ってくれると言ってくれた。その話をするとえっちゃんは心当たりがないと。
 左隣にいた人は歌がうまい女性だというとすぐに分かって、電話をしてくれた。えっちゃんの同級生だと。来れなかったけど、確か秋元順子の歌を歌っていたのを少しずつ思い出した。
 えっちゃんも歌が好きらしく、長山洋子の”遠野物語”、上杉香緒里の”遠野しぐれ”を情緒溢れる歌いぶりで披露してくれた。
 
 以前の店には全国の民芸品がたくさん壁にかかっていた。えっちゃん営林署に勤めていて、退職してから店を始めたという。旅行して飲み歩いて集めたようだ。
 なんだかんだいろんな話をしたり、カラオケを二人占めしながら過ごしていると、一人のお客さんが入ってきた。
 農機のオペレーターの仕事をしていて、あちこち回っていて、新潟の家に帰るのが年に3回だとか。そういう人もいるんだ。

 えっちゃんキノコ採りも好きで、採りたての天然マイタケを見せてくれた。猿ヶ石川の奥のほうに入って採ってきたそうな。とても77歳とは思えない。
 是非とも食べたいと3人で懇願したところ、大分渋っていたが、汁を作ってくれた。
 

 これにすいとんを入れると”ひっつみ汁”となるのだそうな。天然まいたけ入りのキノコ汁、香りが良くて超絶品。

 引っ越ししてから、地元の常連は午前中呑んで、夜は観光客になってしまったそうで。地元の人と話ができなかったのは残念だったけれど。それはそれで。

 遠野がまたいっそう好きになってしまった。でも、もう来ることはないよな。
 


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