カルテ番号 の・7(4)
ある日、常連のお客さんの一人が来店してくれた。
店の一角にイス、テーブルがあり、そこでお茶を飲めるようにしてある。
常連さんは特に買い物をしなくても、いつでも飲み物を出す。
おしゃべりに来てくれるだけでも、人がいるのは店の繁盛につながるのだ。
あまり社交的でない野上香織には、そこからの情報もありがたい。
できるだけ気楽に寄れるように、本や雑誌も揃え、解放している。
最近は勝手にコーヒーを飲めるように、マシンも備え付けてある。
他にお客さんもいないので、いつものように話し相手になっていた。
「私ね、イライラすると一人でドライブするでしょ。
この前、ダムを見に行ったのね。
その帰り道だけど、何だか気になる店を見つけたの」
彼女は野上香織よりも5歳年上になる。
今年、一人息子が東京の大学に行って、夫婦だけになった。
もともと、あまり会話の無い夫婦らしく、彼女は一人の行動が多い。
「どんな店?レストラン?」
「違うの。くたびれたような治療院」
治療院?予想外の答えだった。
「何が気になったの?」
彼女は、うふふ、と笑った。
「う~ん・・・なんて言えばいいのかな?
ヒラメキ?のようなもの?」
何だか、ちっとも意味がわからない。
「多分、楽になりそう」
そう言って、また彼女は、うふふ、と笑った。
「そう、よかったじゃない」
「違うわ。香織さん、あなたの事よ」
「え!」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
(過去のプログは本館 「氣の空間・氣功療法院」です。
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